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【生理心理学おすすめ本20選】わかりやすく学べる入門書から大学論文でも使える書籍/具体例まとめ/ストレス研究

 「なぜ“心”は“脳”から生まれるのか?」――生理心理学は、この人類最大の謎に迫る学問だ。  感情・思考・記憶・意識といった心理現象を、脳の働き・神経活動・ホルモン・自律神経反応といった生理的メカニズムから理解する。

 ここで紹介する本は、公認心理師・臨床心理士を目指す学生、あるいは脳科学や神経心理に興味を持つ読者に向けて厳選した。  「難しそう」と感じる人も多いが、最近は図解や事例で学べる入門書も豊富。  まずは“心を身体で読み解く”世界への入口として、ぜひ手に取ってほしい。

おすすめ本1〜5:基礎から脳の仕組みを学ぶ

1. 生理心理学 第3版:脳のはたらきから見た心の世界(コンパクト新心理学ライブラリ14)

 

 

 生理心理学の定番入門書。感情・知覚・運動・記憶・睡眠など、日常的な心理現象を脳機能の視点から丁寧に解説する。  特に新版では脳画像研究・ニューロサイエンス・ホルモン研究の成果を反映しており、最新の「脳と心の科学」を学べる。

 章ごとのまとめがシンプルで、初学者にも理解しやすい。心理学全体の中で生理心理がどう位置づけられるかを俯瞰できるため、大学1〜2年生の教科書にも最適だ。

  • 感情・行動を脳活動から説明する入門書
  • 図解・実験事例が豊富で理解しやすい
  • 心理学全体との関係を俯瞰できる

2. 神経・生理心理学:脳から心を理解する(公認心理師の基本を学ぶテキスト)

 

 

 公認心理師受験者向けに、脳神経・神経伝達物質・感覚系などを体系的にまとめた定番テキスト。  基礎神経科学の内容を心理学的観点から整理し、「神経活動=心の現れ」として解釈する視点が秀逸だ。

 視覚・聴覚・痛覚などの生理過程が、感情や意思決定にどうつながるかを学べる。  難解な神経生理を“心のはたらき”として理解できるよう構成されており、医療心理・臨床心理の橋渡しにも役立つ。

  • 公認心理師カリキュラム対応の標準書
  • 感覚・神経・認知・行動をつなぐ解説
  • イラスト・図版が豊富で読みやすい

3. 公認心理師ベーシック講座 神経・生理心理学(KS心理学専門書)

 

 

 「公認心理師のための脳科学入門」と呼べる一冊。  神経細胞の伝達メカニズムから、ストレス反応やホルモン調節、睡眠・記憶・情動までを包括的に扱う。  生理心理学と臨床心理学をつなぐ設計で、試験対策と実務理解の両面で優秀だ。

 特に「ストレスの生理学」「神経伝達と精神疾患」の章は、臨床現場に直結する内容。  公認心理師試験のA領域(生理・神経・感覚・認知)を徹底的にカバーしており、国家資格対策本としても定評がある。

  • 国家資格試験を意識した体系的構成
  • 臨床現場で使える神経心理知識が豊富
  • 重要キーワードを実例とセットで解説

4. 第10巻 神経・生理心理学(公認心理師の基礎と実践シリーズ)

 

 

 心理学全領域を網羅する人気シリーズの一冊。  生理心理学分野では、神経解剖学の基礎から精神疾患・薬理学・脳損傷症例まで幅広く扱う。  各章に臨床現場のコラムが挿入されており、実践心理学の“リアル”が感じられる構成。

 読後には、脳と心の関係を「抽象的な理論」ではなく「身体をもった人間の現象」として捉えられるようになる。  公認心理師・臨床心理士の大学院生にもおすすめの専門書だ。

  • 学術性と臨床的実践をつなぐ好書
  • 脳疾患と心理支援の関係が学べる
  • シリーズ内でも難易度と実用性のバランスが良い

5. 生理心理学(放送大学教材)

 

生理心理学 (放送大学教材)

生理心理学 (放送大学教材)

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 放送大学の講義と連動した正統派テキスト。  感覚・運動・自律神経・情動・睡眠・ストレスなど、生理心理学の主要テーマを一冊で網羅している。  全体構成が緻密で、初学者が基礎理論を確実に理解するのに最適。

 学術的な正確性に加えて、放送大学らしい「やさしい説明」と「現実事例」が魅力。  生理心理学を大学レベルでしっかり学びたい人にとって、コスパ最強の教材といえる。

  • 大学講義レベルの標準テキスト
  • 心理・生理・行動の関係を基礎から整理
  • 独学・通信教育にも対応可能な構成

おすすめ本6〜10:応用・臨床・精神生理学を深める

6. 神経・生理心理学 ― 基礎と臨床、わたしとあなたをつなぐ「心の脳科学」

 

 

 “脳科学を人間理解に生かす”という姿勢を明確に打ち出した、実践派の神経心理学書。  神経解剖の基礎から、感情・共感・対人関係における脳機能の働きを詳しく解説する。  タイトルの通り「わたしとあなたをつなぐ」視点があり、冷たい科学ではなく温かい脳科学を感じさせる構成だ。

 特に印象的なのは、感情共有やミラーニューロンに関する章。  他者理解や共感能力がどのように脳内で実現しているのかを、豊富な実験と臨床事例を通して説明している。  心理支援に関わる人が「脳と心の接点」を学ぶ最初の一冊として最適。

  • 脳科学と人間理解をつなぐ温かいアプローチ
  • ミラーニューロンや共感神経系の解説が充実
  • 臨床心理・教育・福祉の現場応用にも向く

7. 生理心理学と精神生理学 第Ⅰ巻 基礎

 

 

 日本の生理心理学研究を牽引するシリーズの第1巻。  心拍・脳波・皮膚電気反応・筋電図など、心と身体の関係を測定する“精神生理学的指標”の原理と活用を網羅する。  研究・実験に進みたい大学院生や心理学部生にとって、技術的な基礎を固める必読書だ。

 心理反応を「数値でとらえる」ための思考法が学べるのが特徴。  生理心理学を“実験科学”として扱うための方法論・統計・機器理解までカバーしており、学術研究のスタート地点として最適だ。

  • 生理心理研究に必要な測定技法を体系化
  • 心拍・脳波・筋電などの生理指標を理解
  • 研究職・大学院進学者に強く推奨

8. 神経・生理心理学(放送大学教材 1646)

 

 

 放送大学の中でも評価が高い専門教材。  脳・神経系の働きだけでなく、ストレス・感情・ホルモンなど“心身の相互作用”を重視した構成となっている。  生理心理学を「健康・生活・臨床」に応用する視点が充実しており、教養と専門性のバランスが見事。

 特徴的なのは、最新の脳科学だけでなく「自律神経」「免疫」「ホルモンバランス」といった全身的な仕組みも扱う点。  つまり、“脳だけに閉じない心理学”を学べる。  心理支援・医療福祉・健康心理学に興味のある人にも最適だ。

  • 公認心理師・臨床心理士試験に対応
  • 脳科学+身体の相互作用を統合的に理解
  • 通信教育や独学にも最適な設計

9. 生理心理学と精神生理学 第Ⅱ巻 応用

 

 

 シリーズ第Ⅱ巻は、応用領域を網羅。  ストレス研究・睡眠・情動・精神疾患・薬理作用など、実生活や医療現場での心理生理学的課題を深く掘り下げる。  基礎研究を“人間の生き方”へとつなぐ展開が特徴である。

 特に「ストレスの神経内分泌系反応」「不安・うつの生理的基盤」は、公認心理師の試験対策にも直結。  さらに「運動・瞑想・呼吸法」などの生理的介入も扱っており、マインドフルネスや心身医学との接点も理解できる。

  • 応用的テーマを通して心理と身体の相互作用を学ぶ
  • ストレス・睡眠・情動の生理学が充実
  • 臨床心理・健康心理・産業心理にも応用可能

10. 神経・生理心理学(シリーズ心理学と仕事 2)

 

 

 心理職・教育職・福祉職など“実務で心理を使う人”のために設計された応用的入門書。  脳科学の理論をやさしく解説しながら、「現場でどう役立つのか」を実例を交えて紹介する。  実務家・社会人学習者向けの“働く人のための生理心理学”といえる。

 特に感情制御やストレス対処の章が秀逸。  「怒り」「不安」「集中力」など身近な心の現象を生理的に説明し、日常生活への応用もできる。  専門家はもちろん、一般読者にも読みやすい構成だ。

  • 専門知識を実生活・職場で生かすための心理学
  • 脳・心・社会のつながりを実例で学べる
  • 心理学を実践知として身につけたい人に最適

おすすめ本11〜15:専門・最新トピックを学ぶ

11. 生理心理学と精神生理学 第Ⅲ巻:展開

 

 

 シリーズ完結編として位置づけられる第Ⅲ巻は、「新しい生理心理学」の潮流を総覧する。  脳科学・感情研究・社会神経科学・認知神経心理学など、多彩な分野を統合しながら“心を科学する方法の最前線”を提示する。

 従来の「刺激→反応」の枠組みを超え、心身の相互作用や環境適応、個人差に踏み込んだ議論が展開されている。  たとえば「表情と情動」「音楽と自律神経」「社会的ストレスの脳内メカニズム」など、読んでいてワクワクするテーマが並ぶ。

 研究職志向の学生や大学院生に特におすすめ。  “生理心理学の今”を知りたい人にとって、最良のリファレンスである。

  • 最新の研究トピックを横断的に紹介
  • 社会神経科学・感情研究・応用心理学の接点を理解
  • 学会発表や卒論・修論の参考資料として最適

12. 生理心理学:人間の行動を生理指標で測る(心理学の世界 基礎編 12)

 

 

 行動科学としての生理心理学をわかりやすく説明した実践的入門書。  人間の行動・感情・判断を、生理的反応(脈拍・筋緊張・皮膚電気反応など)で“見える化”する方法を解説する。

 従来の理論書と異なり、研究実例やデータの取り扱いが非常に具体的。  「測る・比較する・解釈する」という研究手順を、図と写真を多用して紹介しており、実験心理学や応用計測に関心がある人にも最適。

  • 生理指標を活用した心理実験の実践書
  • 研究手法・統計解析・実験倫理まで解説
  • 大学・大学院の実験演習にそのまま使える

13. 新 生理心理学 1巻:生理心理学の基礎

 

 

 2000年代以降の神経科学的進歩を全面的に反映した、新しい体系書シリーズの第1巻。  生理心理学の基礎理論を、神経細胞・脳構造・感覚系・ホルモン系などの最新知見と結びつけて再構築している。

 既存の教科書を超える緻密さで、「なぜ今、生理心理学が必要か」という問いに答えてくれる。  とくに脳波・脳画像技法の紹介が丁寧で、fMRI・MEG・NIRSなど新しい研究手法の入門としても有用。

  • 神経科学と心理学の最新融合を学べる
  • 実験技術・測定法の発展も丁寧に紹介
  • 専門職志向の学生・研究者におすすめ

14. 新 生理心理学 2巻:生理心理学の応用分野

 

 

 第2巻では、医療・教育・福祉・産業など実践領域における生理心理学の応用を扱う。  心身症やPTSD、ストレス関連疾患などの理解に加え、リハビリテーション・スポーツ心理・交通安全などへの応用も広範。

 理論から実践までをつなぐ設計で、研究者・現場支援者の双方に価値がある。  生理心理学を“人を支えるための科学”として位置づけ直した好書だ。

  • 健康・医療・教育現場での応用例が充実
  • ストレス・感情制御・行動改善の生理基盤を学べる
  • 臨床心理・健康心理・産業心理に直結

15. 新 生理心理学 3巻:新しい生理心理学の展望

 

 

 シリーズ最終巻として、「心を科学することの意味」を問う理論的集大成。  人工知能・脳情報解読・意識研究など、21世紀の心理学が直面する新しい課題を取り上げる。  脳科学の限界と、そこから生まれる倫理・哲学的論点にも踏み込む深い内容だ。

 読後には、“脳=心ではないが、心は脳に宿る”という生理心理学の核心を理解できる。  心理学の未来を見据えたい研究者・学生にぜひ手に取ってほしい。

  • AI・意識・倫理など最先端テーマを包括
  • 哲学・神経科学・心理学を横断する構成
  • 生理心理学の進化を俯瞰できる理論書

おすすめ本16〜20:感覚・色・記憶に迫る特化領域

16. 脳とこころの不思議な関係:生理心理学入門

 

 

 脳科学の世界をわかりやすく案内する“物語的な”生理心理学入門。  複雑な専門用語を避けながら、「どうして緊張すると手が冷たくなるの?」「心配すると眠れないのはなぜ?」といった日常の疑問を通して、心と身体のつながりをやさしく解説する。

 感情・ストレス・記憶・ホルモンなど、心を動かす生理的メカニズムを軽妙な語り口で紹介。  これから心理学を学びたい一般読者にもぴったりの導入書で、「人間の心のリアル」を楽しく理解できる。

  • 専門知識ゼロから読める入門書
  • 感情やストレスの生理的仕組みをやさしく解説
  • 脳と心の結びつきを“日常の体感”で理解できる

17. 色彩生理心理学(精神医学選書 第4巻)

 

 色が人間の感情や判断に与える影響を、生理心理学の観点から分析する専門書。  光・波長・網膜・神経経路といった視覚生理に加え、文化・感情・記憶などの心理的要素も統合的に扱う。

 「青は鎮静」「赤は覚醒」という一般論を超えて、実験的データと生理指標をもとに“色の作用機序”を明らかにする。  デザイン・アート・建築・照明など、実践分野にも応用可能で、感性と科学の融合を体現した一冊。

  • 色彩が心身に及ぼす影響を科学的に理解
  • 感情・文化・脳反応の相互作用を分析
  • 感性デザイン・教育・広告分野にも応用可

18. 脳と記憶:その心理学と生理学(ブレインサイエンス・シリーズ 4)

 

 

 「記憶とは何か?」という根源的な問いに、生理心理学と神経科学の両面から迫る。  短期記憶・長期記憶・ワーキングメモリの神経基盤を明確に示し、記憶形成における脳内化学物質や睡眠の役割も詳述する。

 アルツハイマー病・健忘症・ストレスによる記憶障害など、臨床との接点も豊富。  心理学的な理論(アトキンソン=シフリン・モデルなど)を神経レベルで説明することで、記憶研究の奥深さを実感できる。

  • 記憶の神経メカニズムを体系的に理解
  • 病理・加齢・ストレスなど多面的な影響を網羅
  • 臨床心理・認知心理の学習にも最適

19. 基礎乳幼児・学童心理学(生理発達の理解に関連)

 

 

 一見発達心理学書だが、乳幼児期における生理的成熟・神経発達を中心にまとめており、生理心理学的視点でも重要な位置づけにある。  運動発達・感覚統合・情動調整など、脳の発達がどのように行動や感情に現れるかを具体的に描いている。

 生理心理学を「成長の過程で観察する」視点から学べる稀少な本で、教育・発達支援・小児心理の実践にも応用可能。  “脳の発達=心の発達”を丁寧に学びたい人におすすめ。

  • 発達期の神経・感覚・行動の関係を学べる
  • 教育・療育現場に応用しやすい構成
  • 発達心理と生理心理をつなぐ中間領域書

20. 意識と脳――思考はいかにコード化されるか

 

 脳の電気信号から「意識」がどのように立ち上がるのか――。  本書は、生理心理学と神経科学をつなぐ最前線のテーマに挑む一冊だ。著者は、脳活動の情報処理を精密に分析し、「思考」や「感情」を数値化しようと試みる。

 「脳が自己をどのように表現しているのか」「私たちの“意識”はどの段階で生まれるのか」といった問いを、実験と理論の両面から掘り下げる。  AI研究や認知科学にも通じる内容で、「心を理解するとは何か」という心理学の根本を揺さぶる。

  • 脳科学と生理心理学を架橋する理論的名著
  • 意識のコード化・自己認識・神経情報処理を探る
  • AI・認知科学・倫理学にも接続する“21世紀の心理学書”

関連グッズ・サービス

  • Kindle Unlimited ― 生理心理学シリーズを含む専門書が多数読み放題
  • Audible(オーディブル) ― 脳科学・心理学の名著を耳で学べる
  • 放送大学オンライン講座 ― 生理心理学や神経心理学の体系的講義を通信で受講可能
  • 心理学実験用アプリ「BioSignal Viewer」 ― 脈拍や皮膚電位をリアルタイムで観察しながら学べる

生理心理学と神経心理学の違いとは?――似ているようで異なる「心の科学」

 心理学の中でもよく混同されるのが「生理心理学」と「神経心理学」。  どちらも“脳と心の関係”を扱いますが、その焦点とアプローチには明確な違いがある。

生理心理学:心の生理的メカニズムを探る

 生理心理学は、正常な心の働きを生理的現象から理解する学問。  たとえば「緊張すると心拍が上がる」「恐怖で呼吸が浅くなる」「ストレスで免疫が落ちる」など、  心と身体がどのように連動しているかを科学的に測定・分析する。

 脳波(EEG)、皮膚電位(GSR)、心拍数、ホルモン分泌などの指標を使い、  感情・注意・記憶・意思決定の背後にある生理的プロセスを解明するのが特徴。  つまり、生理心理学は「心=生理的過程」として観察する領域だ。

  • 主な研究テーマ:感情・ストレス・行動・記憶と生理反応の関係
  • 主な手法:脳波、心拍、筋電図、ホルモン、皮膚電位、fMRI など
  • 応用分野:健康心理・臨床心理・産業心理・スポーツ心理・教育心理

神経心理学:脳損傷や疾患から「心の構造」を理解する

 一方の神経心理学は、脳の損傷や神経疾患によって起こる心理的変化を通して、脳機能の働きを探る学問。  たとえば失語・失認・半側空間無視・前頭葉障害などを対象に、どの部位がどんな心理機能に関与しているかを明らかにする。

 実験というよりは、臨床観察と症例研究が中心。  脳卒中・外傷・認知症・発達障害などの臨床現場で、リハビリテーションや心理支援に活かされる。  神経心理学は“壊れた心の地図から、健全な心の構造を読み解く”領域といえる。

  • 主な研究テーマ:脳損傷・失語・認知障害・記憶障害など
  • 主な手法:神経画像、神経心理検査、行動観察、症例研究
  • 応用分野:臨床心理・医療リハビリ・高次脳機能障害支援

図解で整理:生理心理学と神経心理学の比較

項目 生理心理学 神経心理学
主な対象 健常者の心理と生理の関係 脳損傷・神経疾患による心理変化
研究目的 心の仕組みを生理的に明らかにする 脳機能と心理機能の対応関係を特定する
代表的手法 脳波・心拍・皮膚電位・ホルモン測定 神経心理検査・画像診断・症例分析
応用分野 健康・ストレス・教育・産業心理 臨床・リハビリ・高次脳機能障害支援
学問の位置づけ 心理学と生理学の橋渡し 心理学と神経科学・医学の橋渡し

補足:両者は連続的に学ぶと理解が深まる

 生理心理学と神経心理学は、実は補完関係にある。  前者が「脳と身体の正常なメカニズム」を明らかにし、後者が「異常時にそのメカニズムがどう崩れるか」を探る。  つまり、両方を学ぶことで“心の仕組み”の全体像が見えてくる。

 公認心理師や臨床心理士を目指すなら、どちらも必須領域。  生理心理学で脳と心の基礎を学び、神経心理学でその応用・臨床を理解する流れが理想的だ。

よくある質問(Q&A)

Q1. 生理心理学は難しいですか?

 神経や脳の構造など理系の知識が多く出てくるため、一見難しそうに見えます。  しかし、最近の入門書はイラスト・図解・事例が充実しており、「なぜ心が身体に影響するのか」を直感的に理解できます。

Q2. 公認心理師試験にはどの本が役立ちますか?

 『公認心理師ベーシック講座 神経・生理心理学』『第10巻 神経・生理心理学(基礎と実践)』『放送大学教材』などが定番。  特にA領域(生理・神経・感覚・認知)対策には不可欠です。

Q3. 生理心理学と神経心理学の違いは?

 生理心理学は「脳や身体の働きと心理現象の関係」を扱うのに対し、神経心理学は「脳損傷や神経障害による心理的変化」を中心に研究します。  つまり、前者は正常な機能の理解、後者は障害を通じた理解が主目的です。

Q4. どんな職業で役立つ?

 臨床心理士・公認心理師・リハビリ職・研究職・教育関係など、“人の行動や感情を科学的に理解したい”すべての職業で役立ちます。  ストレスマネジメントや健康経営にも応用可能です。

まとめ:心と身体をつなぐ“見えない線”を探る学問

 生理心理学は、単なる脳科学でも、心理学でもない。  感情が身体に現れ、身体の反応が心を変える――その“見えない線”を追いかける学問である。

 ストレス・感情・記憶・意思決定といった心のはたらきを、生理的メカニズムから理解することは、  他者への共感、セルフケア、臨床支援のすべてに通じている。  このページで紹介した本を通して、あなた自身の「脳と心の対話」を始めてみてほしい。

関連領域へのリンク:生理心理学から広がる学び

 生理心理学を学ぶと、自然と他の心理学分野にも関心が広がります。  以下のテーマは、生理心理学と密接に関係する領域です。興味に応じて読み進めてみてください。

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