水彩画を始めたい、もっと上手に描きたいと考える人は多い。特に「描き方」の本を選ぶとき、基本技法や混色、構図、光と影の表現などを丁寧に解説してくれるものを選びたい。
私自身が手に取って「読んでよかった」「参考になった」と感じたものを中心に9冊を厳選して紹介する。
これらの本は、初心者から中級者向けまで幅広く役立つ内容を含んでいる。
おすすめ本10選
1. 新装版 透明水彩 風景画を描こう(著:柴崎春通)
透明水彩で風景を描く際の構図、色の扱い、グラデーションの表現、空と水の描き分けなどを丁寧に解説している。風景描写が中心だが、色彩感覚や空気感をつかむ練習にもなる一冊。
風景画を描きたい人、自然や光の表現を磨きたい人に特におすすめだ。
おすすめポイント:実際に手を動かしながら学べるステップ形式で、「この色を薄く重ねるならこうする」という実感がつかめた。
2. 水彩画ルールブック:「描く」がわかる!(著:赤坂 幸史 他)
色の理論、混色・発色の法則、透明性を生かす技法、構図の基本など、理論と技法を整理して教えてくれる。理屈と技術の両方を補強したい人に向く。
技法の裏付けを理解したい人、迷ったときに参照できる術書的な本を求めている人に。
おすすめポイント:技法と理論がリンクして書かれており、「どうしてこの色になるのか」「なぜ薄めに溶くか」が腹落ちする。
3. 創作水彩イラストの描き方[下絵付]
イラスト寄りのアプローチで、キャラクター・モチーフのアレンジ、下絵付きで実践しやすい作例付き。趣味で描きたい人に向けた導入書。
イラスト系、水彩でキャラクターを描きたい人、デザイン性を重視したモチーフを描きたい人に。
おすすめポイント:下絵がついているので、最初に自分で構図を考える不安が軽くなる。模写・応用へつなげやすかった。
4. 透明水彩で描く 魅力ある人物画テクニック
人物を透明水彩で表現する技術をフォーカス。肌の階調、光のあたり方、陰影のつけ方と質感表現に重きを置いた一冊。絵画表現の幅を広げたい人に有効。
人物・ポートレートを描きたい人、質感や光を極めたい人向け。
おすすめポイント:人物の表情・陰影表現が丁寧で、透明水彩で描く顔の奥行きを「実感」できた章があった。
5. たった10日でうまくなる「水彩画」の基本 風景を描くコツと裏ワザ
10日間プログラム形式で風景画技法を学べる構成。構図、下描き、遠近・立体感、空・水・樹木表現などを段階的に解説。短期集中の練習計画として使える。
効率よく学びたい、練習スケジュールを立てたい人に向く。
おすすめポイント:章ごとにテーマが明確で、「今日はこれだけやる」という指針になる。進めやすく、「10日後に変化を感じた」実感があった。
6. こう描けば、そう見える!水彩画「下書き」の裏ワザ
透明水彩を描くときの下書き技法、構造の単純化、遠近感の表現など、下描きの段階で絵を「それらしく」見せる技術を伝授。
下描きが苦手、何をどう描き始めるか迷う人に。
おすすめポイント:「線を引くべきでない場所」「省略すべき部分」が具体的に示されていて、練習しやすかった。
7. 野村重存「なぞり描き」スケッチ練習帳
なぞり描きを通じて構図・形態・筆遣いを体で覚える練習帳。風景のモチーフ(木・山・建物など)のパーツ練習が多く、基礎固めに最適。
初心者、中級者で「自分で構図をとる自信がない」人に。
おすすめポイント:手を動かしながら覚える方式で、使い込むほど指先に残る感覚が変わった実感あり。
8. 水彩画の描き方(丸山晩霞)
古典的な水彩技法・画論を学べる定番書。流派的な技術、色の扱い、構図論など、基礎固めの視点から深く入れる。
教科書的に一冊持っておきたい人、伝統技法にも興味がある人向け。
おすすめポイント:古典的な感性や色使いの考え方が味わえる。時代を経ても使える技法が詰まっている。
9. フルーツ・植物・お菓子からかわいい生き物まで かんたん! 4ステップ水彩
モチーフを「分解して描く」ステップ形式で、初心者でも取り組みやすい構成。果物・植物・かわいい動物など、親しみやすいモチーフ多数。
モチーフ別に練習したい人、かわいいモチーフを描きたい人向け。
おすすめポイント:4ステップで描けるという構成が手順を明確化してくれて、自分でも同じ手順で描きやすかった。
関連グッズ・サービス
水彩画を学ぶなら、本だけでなく道具・サービスも役立つ。
- ホルベイン 透明水彩絵具セット(例:24色セット)など、質の良い絵具を揃えると表現の幅が広がる。
- 水彩紙(300g/m²以上、アルファベット記号 F/M/S など厚手タイプ)
- 良い筆(コリンスキー・セーブル、ナイロン混毛など中細毛筆)
- オンライン水彩講座・動画チュートリアル スケッチ仲間・ワークショップ参加(実際に描く機会を増やす)
これらを併用することで、書籍から得た知識を手と目で体得しやすくなる。
まとめ:今のあなたに合う一冊を選ぼう
「水彩画 描き方」の本は、基礎技法・構図・混色理論・応用モチーフ・練習法など幅広く取り扱われている。
あなたが今欲しいもの(風景を描きたい/人物を描きたい/イラスト寄りにしたい/下描き技術を固めたい)を基準に、上の10冊から選ぶと良い。
例えば:
- 構図・理論を深めたい → 『水彩画ルールブック』
- 風景を集中して学びたい → 『透明水彩 風景画を描こう』
- 『たった10日でうまくなる「水彩画」の基本』 下描きが苦手 → 『下書きの裏ワザ』『なぞり描き練習帳』
- モチーフ系や可愛い絵を描きたい → 『4ステップ水彩』や『創作水彩イラストの描き方』
まずは1〜2冊に絞って手を動かしながら学ぶと、上達につながる。継続が大事だ。
よくある質問(FAQ)
Q: 初心者におすすめの最初の1冊はどれ?
A: 入門レベルで網羅性があり、かつ実践しやすいのは『たった10日でうまくなる「水彩画」の基本 風景を描くコツと裏ワザ』あたり。ステップ形式で進められるので最初の1冊に適している。
Q: 水彩画の上達にはどれくらい時間がかかる?
A: 個人差が大きいが、毎日少しずつ描く習慣をつけて3〜6か月で「描きたいものが形になる」手応えを感じる人は多い。本を読んで即上手くなるわけではなく、「観察力」「手の動かし方」「色感覚」を訓練することが重要。
Q: 本で学んだ技法はすぐ応用できる?
A: 本の技法はあくまで「道具」や「考え方」のヒント。実際には、自分の画材・紙・筆質・モチーフの違いで変化するため、模写・応用・アレンジ練習を繰り返すことが必要。
Q: デジタル水彩(ペンタブ・iPadなど)にも応用できる?
A: 多くの技法(混色・ぼかし・重ね塗り・濃淡表現など)はデジタルにも応用可能。ただし、紙のにじみ・透明性の出し方など、水彩固有の挙動を理解しておくとデジタル表現にも深みが出る。


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