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【感情心理学おすすめ本】分かりやすく、面白かった書籍10選【大学で興味を持ったあなたへ】

感情は「心のエンジン」であり、人生・対人関係・自己理解に深く関わる領域だ。心理学の中でも感情・人格心理学は、感情がどのように生まれ、変化し、行動や思考と結びつくかを解明する分野である。

この記事では、Amazonで購入可能な「感情心理学・人格心理学」に関する良書を厳選して紹介する。「理論」「応用」「自己理解」の視点から幅広く網羅した本を選んだので、研究者・学生・一般読者いずれにも役立つはずだ。

 

 

おすすめ本10選

1. 感情心理学ハンドブック

 

 

日本感情心理学会企画、内山伊知郎監修のハンドブック。個人内過程・認知・発達・進化・文化・社会関係など、感情心理学を多角的に俯瞰できる構成となっている。

感情研究の現時点での到達点を示す“系統図”があり、研究者・大学院生にも定番の一冊。

幅広いテーマを扱うため、「どの角度から入るか」で読み方を変えられるのも魅力だ。自分の関心に応じて章を選んで読める。

実感できる点として、過去に複数の論文テーマを眺めただけで “この研究が感情心理学の文脈でどこに位置するか” が掴めるようになった。

2. 感情心理学・入門〔改訂版〕

 

 

大平英樹 著。感情理論や進化・認知・発達・病理との絡みを整理しながら、入門者が感情心理学の構図をつかめる入門書。

理論史から最近の知見までをつなぎ合わせ、全体像を把握したい人に適している。

私自身も最初にこの種の入門書を読むことで、「なぜ感情に着目するか」の視点がクリアになった実感がある。

3. 感情・人格心理学 (放送大学教材)

 

 

大学の通信教育用テキストで、体系的に学べる構成。感情と人格を統合して理解する視点を提供する。

大学講座を受けているような構造で、章ごとにまとめと練習問題があるのが特色。

教科書形式ゆえ詳細な脚注や補足があり、深堀も可能だ。

4. 公認心理師ベーシック講座 感情・人格心理学 (KS心理学専門書)

 

 

公認心理師試験対策にも使えるように設計されたテキスト。「感情・人格心理学」の基礎知識を網羅。

実践臨床との接続を意識した内容もあり、試験学習だけでなく現場志向の人にも有用だ。

5. パーソナリティと感情の心理学 (ライブラリ心理学を学ぶ 6)

 

 

人格理論と感情理論をつなぐ橋渡しをする一冊。感情が人格構造の一部としてどう理解されうるかを解く。

人格研究の視点を持ちながら感情側面を重視したい人には刺さる。

6. 痛みの心理学 感情として痛みを理解する

 

 

痛みを「感情を伴う体験」としてとらえ、痛み–情動–認知の関係を探る。臨床的・応用的視点が強い。

痛みと感情のリンクに関心がある人、心身症・慢性痛への心理的アプローチを学びたい人におすすめだ。

7. 感情心理学: 感情研究の基礎とその展開 (心理学の世界 基礎編 11)

 

 

基礎理論・実験手法・応用研究を含め、感情研究の流れを丁寧に追う構成。

読みやすさと理論骨子のバランスが取れており、大学初年次〜中級者にちょうど良い。

8. 自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典

 

 

日常・対人場面で使える「感情リテラシー(感情を理解・扱う力)」に焦点を当てた実用書。

理論書を読んだ後、「自分と他人の感情を見通す力」を養いたいときに役立つ。

9. 感情の正体 (ちくま新書)

 

 

平易な語り口で、感情とは何か、なぜ生まれるかを探る論考的な一冊。理論系・実例系を橋渡しする役割を果たす。

初心者にも読みやすく、感情心理学への入口として優秀。

10. 「感情」がつくられるものだとしたら 世界はどうなるか

 

 

リサ・バレットらの「構成主義的感情理論」に焦点を当て、感情を構築的視点で捉える最新潮流を論じる。

理論的挑戦として読む価値が高く、感情研究の最前線を感じられる。

11. 第9巻 感情・人格心理学 (公認心理師の基礎と実践)

 

 

公認心理師カリキュラムに準拠したシリーズの一冊で、臨床現場や教育現場で求められる感情・人格理解の基礎を体系的に解説している。情動と人格の相互関係を臨床・発達・社会心理の観点から捉え、試験対策と実務の両面に役立つ内容だ。心理支援職を目指す人には心強い教科書。

章ごとに「理論→研究→応用」という流れで整理されており、現場のケース理解にも応用しやすい。私自身もこのシリーズを通して「理論の裏づけを持った支援とは何か」が腑に落ちた。

12. 自尊感情の心理学: 理解を深める「取扱説明書」

 

 

自己肯定感の源である「自尊感情」を科学的に解き明かす一冊。自尊心の形成、喪失、回復に関する実証研究を丁寧に紹介し、単なる自己啓発書とは一線を画す。感情心理学の視点から「自分をどう扱えば感情が安定するか」を学べる。

読後、「自尊感情とは静かな力だ」と実感できた。自己理解・自己受容を深めたい人に最適だ。

13. 進化と感情から解き明かす 社会心理学 (有斐閣アルマ)

 

 

感情の起源を「進化心理学」と「社会心理学」双方の観点から捉え直す意欲作。共感・嫉妬・愛・怒りなど、社会行動を支える感情のメカニズムを進化的視点で整理している。理論が堅実で、科学的根拠をもとに感情の社会的役割を再構成する構成が魅力だ。

「なぜ人は他人の成功に嫉妬するのか」といった疑問に、進化的ロジックで明確な答えを提示してくれる。社会心理・感情研究の中級者におすすめ。

14. 自尊感情と共有体験の心理学: 理論・測定・実践

 

 

感情心理学の中でも近年注目される「共有体験」の研究を、自尊感情との関連から扱う。人が感情を共有することの意味、他者との共感を通じた自己価値の形成など、臨床や教育場面で役立つテーマが並ぶ。実証的かつ温かい筆致が特徴的だ。

感情を“社会的なつながり”として理解したい人に向く。読後、人間関係の中で自尊感情がどのように支えられるかを考えさせられる。

15. 自己意識的感情の心理学

 

 

「恥」「罪悪感」「誇り」「羨望」といった“自己意識的感情”に焦点を当てた専門書。社会規範と自己意識の関係性を中心に、文化心理学や発達心理学の視点を交差させている。論文ベースの構成ながら、事例と分析が豊富で読み応えがある。

とくに印象的なのは、“羞恥心は自己防衛ではなく社会との接続信号である”という視点。人間理解の深みが増す。

16. 感情 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

 

 

オックスフォード大学出版局の人気シリーズの日本語版。最新の感情研究を簡潔に整理し、心理学・神経科学・哲学の知見を横断的に紹介する。150ページ前後ながら密度が高く、要点を短時間で押さえたい人に最適。

感情心理学の全体像を「速習」したいとき、この1冊で主要な理論を一通り俯瞰できる。感情研究の地図をつくる第一歩としておすすめ。

17. 感情心理学への招待: 感情・情緒へのアプローチ (新心理学ライブラリ 17)

 

 

感情や情緒の多様な理論をバランスよく整理したスタンダードな入門書。心理学部の授業でも多く採用されており、情動心理学の基礎理解に最適だ。科学的データと日常事例を行き来しながら、「感情をどう扱うか」を教えてくれる。

文章も明快で、専門書に抵抗がある人でも読みやすい。私も大学時代にこの本で感情理論の基礎を固めた。

18. 感情制御ハンドブック: 基礎から応用そして実践へ

ストレス・不安・怒りなどの感情をコントロールする理論と技法を体系的にまとめた専門書。認知行動療法やマインドフルネス、感情調整理論などを総合的に扱う。研究者・臨床家双方にとっての必読書だ。

理論だけでなくトレーニング例も掲載されており、「実践で使える心理学」として信頼度が高い。

19. 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学 (講談社選書メチエ)

 

 

感情を「脳の即興的創造」として理解する革新的理論を紹介。神経科学・心理学・哲学をまたぐ視座で、感情がどのように“その場で生まれる”のかを描き出す。リサ・バレットの構成主義理論とも響き合う。

読後、「感情は反応ではなく創作だ」という発想が心に残る。思考と感情の関係に興味がある人には必読だ。

20. 感情の科学 :心理学は感情をどこまで理解できたか

 

 

感情研究の歴史と現在地を俯瞰する総合的な解説書。認知神経科学や社会心理学、臨床心理学の成果を踏まえ、感情を科学的に捉える試みが詰まっている。各章で異なる理論的アプローチを比較できる構成。

まさに“感情研究の現在地を知るための地図”。大学院生や研究者の座右に置きたい一冊だ。

21. 心理学でわかる ひとの性格・感情辞典

 

 

感情と性格の関連を、具体的な言葉や行動例を通して紹介する図鑑形式の一冊。カラーイラストや図表が多く、直感的に理解できる。心理学初心者や一般読者にも読みやすい作りだ。

「あの人が怒りっぽい理由」「自分の感情の傾向」などを楽しく学べる。心理学を生活に生かしたい人にぴったり。

22. なつかしさの心理学: 思い出と感情

 

 

“ノスタルジア”という感情に焦点を当てたユニークな学術書。記憶と感情の結びつき、幸福感への影響を科学的に分析する。日本人の情緒文化に関する考察も深い。

読後は、自分の過去を思い返す時間が温かく感じられる。記憶・感情・幸福を結ぶ糸を見つけたい人に。

23. 感情戦略

 

 

ビジネス・対人関係における感情のマネジメント術を扱う実用心理学書。感情を“敵”ではなく“資源”として使う視点がユニーク。感情労働・リーダーシップ・交渉術など応用範囲が広い。

心理学理論の裏づけを踏まえているため、単なるハウツーに終わらない。職場のストレス対策にも有効だ。

24. 感情処理法で心がすっきりするノート: 不快感情を減らし人生を豊かにする15のワーク

感情を整理する具体的なワークブック。怒り・悲しみ・不安などを紙に書き出し、認知の偏りを修正していくプロセスを学べる。認知行動療法のエッセンスを誰でも実践できるように構成。

実際に書くことで、「自分の感情が見える化」される体験が得られる。セルフケアにも最適。

25. 認知行動療法でつくる思考・感情・行動の好循環

 

 

CBT(認知行動療法)の視点から、思考と感情の相互作用を解き明かす。実際の事例をもとに、「考え方を変えると感情が変わる」メカニズムを実感できる内容だ。

感情心理学を臨床で活用したい人、ストレスマネジメントを学びたい人におすすめ。

26. わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―

 

 

カウンセリングや心理療法の現場を背景に、“自分の感情に寄り添う”ことの意味をやさしく語るエッセイ的心理書。科学的根拠と温かな語り口が共存している。

自己肯定感を取り戻したい、感情を抱きしめたい人に深く響く。読後に涙が出るタイプの本だ。

27. 「感情」の解剖図鑑: 仕事もプライベートも充実させる、心の操り方

 

 

怒り・悲しみ・喜び・焦りといった感情を生理・心理の両面から解説する図鑑形式の一冊。イラストが豊富で、職場や家庭で使える“感情マネジメント”のヒントも掲載。

感情を知識として「見える化」したい人に最適。心理学を難しく感じる人でも楽しめる構成だ。

28. なぜ「やる気」は長続きしないのか―心理学が教える感情と成功の意外な関係

モチベーション研究を感情心理学の視点から解説した一冊。情動の波に左右される人間の意志決定を科学的に説明する。自己効力感や報酬系神経など脳科学的知見も交えた良書。

「やる気が出ない」と悩む人にこそ読んでほしい。感情と行動の連鎖が腑に落ちる構成だ。

関連グッズ・サービス

本を読んだあとは、理解を行動に移したり日常で使えるツールを活用したりすると良い。

  • **Kindle Unlimited**:持ち運んでどこでも読む習慣化に。定期的に読み返すと理解が深まる。
  • **Audible**:通勤・移動時間に聴くことで「ながら学習」が可能。
  • **研究ノート・感情ログアプリ**:日々の感情を記録・振り返るツール。心理学で言う「感情日誌」の実践版と位置づけられる。
  • **ワークショップ・講座(感情心理学・セラピー系)**:理論と実践をつなぐ場として、オンライン・対面講座を活用すると理解が深まる。

 

www.amazon.co.jp

例えば、感情ログアプリを使って「今日はどんな感情だったか? なぜそうなったか?」を振り返る習慣をつけると、読んだ本の理論が実感として落とし込まれやすくなる。

まとめ:あなたに合う一冊を選ぶには

感情心理学の本を選ぶときは、目的を意識するとよい。

  • 理論の枠組みを押さえたい → 感情心理学ハンドブック や 感情心理学:感情研究の基礎とその展開
  • 入門から始めたい → 感情心理学・入門〔改訂版〕、
  • 感情の正体 応用・実践的な視点を得たい → 感情リテラシー事典、痛みの心理学
  • 最新理論を知りたい → 「感情」がつくられるものだとしたら

よくある質問(FAQ)

Q: 感情心理学を体系的に学びたいのですが、まず何から読めばいいですか?

A: 全体像をつかみたいなら入門書(例えば 感情心理学・入門〔改訂版〕 や 感情の正体)から始め、その後ハンドブックや専門書に進む構成が無理がない。

Q: 理論書ばかりで難しそう…応用・実践寄りの本はありますか?

A: あります。例えば 自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典 や 痛みの心理学* は応用視点が強い。また感情ログなど実践ツールを使うと理論が日常に生きやすくなる。

Q: 大学院で感情心理学を研究したいのですが、どの本が役立ちますか?

A: 研究方向・関心領域によるが、感情心理学ハンドブックや 「感情」がつくられるものだとしたらは理論・最新動向両方への架け橋になる。他の論文・ジャーナルと併用するとよい。

Q: 感情心理学と人格心理学はどう違いますか?

A: 感情心理学は「感情がどのように発生・変化するか・認知や生理とどう結びつくか」を扱う。一方、人格心理学は「持続的な行動・思考・感情傾向(人格)」を扱う。両者は重なりつつ、感情を人格理論に統合する観点も重要。

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