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【心理統計学おすすめ本】わかりやすく、心理測定学が学べる書籍20選データ【裏にある「心」を読む力を鍛える】

心理学の真価は、“感覚”を“データ”に変えることにある。 学生時代、はじめて統計の本を開いたとき「難しそう…」と尻込みしたが、 その先に「心を数字で説明できる」知的な喜びが待っていた。 この記事では、心理統計・心理測定をこれから学ぶ人、研究に使いたい人のために、 実際に使って役立ったおすすめ書籍を紹介する。

おすすめ本レビュー

1. よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

 

 

心理統計の「入口」に最も適した1冊。グラフやイラストが豊富で、平均・分散・相関・回帰といった基本概念を“言葉で理解”できるように工夫されている。 他の統計書が「公式から始まる」のに対し、本書は「なぜそう考えるのか」から始まる構成。 読者の心理的抵抗をやさしく解きほぐす。

特に良いのは、「心理学的問いを統計的に表現する」という章。 “気分の変化”や“態度の違い”のような抽象的現象を、どのように数値化すればよいかが具体的に描かれている。 心理学専攻の1〜2年生に最適だ。

  • 数式より概念理解を重視した入門書
  • 大学初学者でも読破できる構成
  • 心理研究への応用例が豊富

この本を読んで「統計=心を測る道具」だと実感した。 難しさよりも“美しさ”を感じられる入門書だ。

2. Excelで今すぐはじめる心理統計 第2版 ― 簡単ツールHADで基本を身につける

 

 

心理学専攻者の実務バイブル。 無料統計ツール「HAD」を使って、t検定・分散分析・相関分析・多重比較までを“Excelだけで実践”できる。 関数入力に苦手意識がある人でも、ボタン操作で分析結果を出せる構成が秀逸。

著者は「統計は考え方であって、数式ではない」と強調する。 分析の背後にある“研究目的との整合性”を丁寧に説明しており、研究報告書の書き方まで自然に身につく。 卒論や修論で即使えるレベルだ。

  • 心理学専用統計ツール「HAD」を完全解説
  • 実践的:出力→解釈→論文化まで流れで学べる
  • Excel操作中心でプログラミング不要

「統計は机上の計算ではなく、研究者の言葉だ」と教えてくれる。 データ分析が“楽しくなる瞬間”を味わえる。

3. 統計嫌いのための心理統計の本: 統計のキホンと手法の選び方

 

 

タイトルに偽りなし。 「数字が苦手」「式を見ただけで拒否反応」という人を救うために書かれた一冊。 検定・分散・回帰などを「料理のレシピ」にたとえて解説する軽快な文体で、読んでいて眠くならない。

特に役立つのは「手法選択チャート」。 実験・質問紙・観察のいずれを行うかで、使う統計法が一目でわかる。 公認心理師試験対策にも有効。

  • 数学が苦手な文系でも読める
  • 手法選択・研究設計の理解に最適
  • 章末に図解まとめ付き

読後、数字が“冷たいもの”から“語りかけてくるもの”に変わった。 心理統計を「楽しく」学べる希少な本だ。

4. 心理統計学ワークブック ― 理解の確認と深化のために

 

 

手を動かして身につける実践書。 問題演習を通して、「平均」「分散」「回帰」「χ²検定」などの手続きを体で覚える。 各章の解説が丁寧で、単なる計算ドリルではなく「なぜそうなるのか」を補足してくれる。

特に、間違えやすい「対応あり/なしt検定」や「一元・二元分散分析」の違いを、図で直感的に説明している点が秀逸。 大学の演習授業と組み合わせると効果倍増だ。

  • 演習形式で統計の“感覚”をつかめる
  • 解説・解答ともに詳細で独習にも最適
  • 講義・課題対策・公認心理師試験に対応

「理解」より「実感」にフォーカスした本。 計算式の背後に“人の行動パターン”を感じ取れるようになる。

5. 続・心理統計学の基礎 ― 統合的理解を広げ深める (有斐閣アルマ)

 

 

名著『心理統計学の基礎』の続編にして集大成。 推定・検定・効果量・信頼区間・ベイズ統計など、現代の心理統計が求める新しい視点を包括する。 “統計を使う心理学者”のための中級〜上級テキストだ。

最大の魅力は「考え方の筋道」が明確なこと。 数式の展開よりも、「どの理屈でこの検定を選ぶのか?」を繰り返し問いかける構成。 研究論文を読み解く“理論リテラシー”が身につく。

  • 古典統計+現代的アプローチを統合
  • 効果量・信頼区間・検定力を丁寧に解説
  • 心理学研究者・大学院生必読

この本を読めば、統計の“奥行き”が見える。 データを正しく扱うことが、倫理であり学問だと感じさせてくれる。

6. Rによる教育・言語・心理系のためのデータサイエンス入門

 

 

心理学・教育学系に特化したR入門書。 t検定や回帰分析から始まり、可視化・多変量解析までを扱う。 プログラミング未経験でも動かせるように、サンプルコードと出力結果を1ページ内で完結させている。

特徴的なのは「心理学実験データを題材にしている」こと。 単なる技術書ではなく、「どのような心理的問いにRが使えるのか」を理解できる。 統計スキルを“思考の道具”として身につけたい人におすすめ。

  • 心理・教育・言語系データを扱うR入門
  • コード+出力+解釈を同時に学べる構成
  • 実践的な研究データを例示

Rは難しそう――と思っていた自分にとって、 この本は“Rが心理学に使える”ことを教えてくれた最初の一冊だった。

7. 数学が苦手でもわかる心理統計法入門 ― 基礎から多変量解析まで

 

 

「数学が苦手」な人を救う人気テキスト。 中学レベルの数学知識から出発し、平均・分散・相関・回帰・主成分分析まで到達できる構成。 言葉の丁寧さが際立ち、初学者がつまずく“数式の意味”を日本語で説明してくれる。

多変量解析の章では、「心理的構成概念(例:自己効力感)」をデータ構造として捉える説明が秀逸。 心理測定との接続も自然で、統計+心理測定の両輪を学べる。

  • 中学数学レベルから理解できる
  • 多変量解析まで無理なく導入
  • 心理測定との橋渡しが上手い

数字嫌いでも、“心の動きが数値で表現できる快感”に出会える本。 心理学の美しさを再確認できた。

8. 伝えるための心理統計 ― 効果量・信頼区間・検定力

 

 

 “論文で読まれる統計”の書き方に焦点を当てた、実践的な上級書。 効果量や検定力といった概念を、「どのように報告し、どう解釈するか」という“伝える側”の立場で整理する。 心理学研究者必携の一冊。

著者は「統計とは、他者と共有するための言語だ」と言い切る。 数値の羅列ではなく、データが語る“物語”をどう伝えるかを重視。 科学的誠実さを守りながら、読者にわかりやすく伝える技術を教えてくれる。

  • 統計報告・論文執筆の実践に最適
  • 効果量・信頼区間・検定力の具体例多数
  • 心理学の“科学としての品格”を磨く一冊

数字の裏に“倫理”を見るようになった。 統計を“伝える力”として捉え直したい人に。

9. ウォームアップ心理統計 補訂版

 

 

「心理統計って、どこから始めればいいの?」という人に向けた“準備運動”のような一冊。 タイトル通り、数式の前に「なぜ平均を求めるのか」「なぜ検定をするのか」といった根本の“なぜ”をていねいに説明してくれる。 統計を“考え方の練習”として学びたい人にぴったりだ。

特に、章ごとの「確認問題」が秀逸。 選択肢のすべてに解説があり、誤答の理由まで明示されている。 理解を曖昧にせず、確実に身につく。 心理統計の導入授業で、学生たちが最初に“数字を好きになる瞬間”を作る名著だ。

  • 心理統計の考え方を基礎から鍛える
  • 図・例題が豊富で理解が進む
  • 初学者の「苦手意識」を取り除く良書

読後は、「統計は答えを出すためではなく、問いを深めるためにある」と実感できる。

10. 心理尺度構成の方法 ― 基礎から実践まで

 

 

 心理測定学の本質を学べる名著。 “心を数字にする”ために不可欠な「尺度構成(スケール開発)」のすべてを、理論と実例の両面から解説する。 リッカート尺度や項目分析、因子分析の基礎、信頼性・妥当性の評価など、心理測定の要が詰まっている。

特に印象的なのは、著者が「心理測定は質問紙を作ることではなく、概念を定義することだ」と語る箇所。 “測るための哲学”を感じる。 研究職・修士課程の学生・教育心理学の実践者におすすめ。

  • 尺度構成の理論と実践を一冊で学べる
  • 信頼性・妥当性・項目分析を丁寧に解説
  • 心理測定の「設計思想」を学べる

この本で、数字の背後にある“概念の美しさ”を初めて理解した。 心理統計の世界における“設計図の書き方”だ。

11. 心理・教育のための統計法

 

 

教育心理・発達心理の現場で最も使われている標準的教科書。 古典的な検定理論に加え、教育データの実例(テスト結果・成績分析など)を多く含む。 理論を“教育実践”に接続できる数少ない本だ。

統計を使って子どもの成長や学習効果を“見える化”するという視点が新鮮。 教育現場の先生にもおすすめできる。

  • 教育現場に使える心理統計を体系化
  • 実例中心で「何に使うのか」が明確
  • 教育心理・発達心理の研究者必読

数字で子どもの変化を捉える――その行為自体が、教育を“科学”にする第一歩だ。

12. 心理学・教育学研究のための効果量入門 ― Rを用いた実践的理解

 

 

効果量(effect size)を“感覚で理解”できる稀有な本。 単にCohen’s dやη²を解説するのではなく、「その値がどんな意味を持つのか」をビジュアルで示してくれる。 Rによる再現コード付きで、再現性研究にも対応している。

「p値ではなく効果量を見る」ことの意義を、事例を通して実感できる。 心理学の再現性問題を真剣に考える研究者には必携の一冊。

  • 効果量・検定力の考え方を徹底解説
  • Rコード付きで再現性研究にも対応
  • 実践的な統計思考を育てる

この本で初めて、“統計とは差を証明するものでなく、違いの意味を伝えるもの”だと理解した。

13. フリー統計分析ツールHADのトリセツ

 

 

心理学専用のフリーツール「HAD」の使い方を網羅した実践ガイド。 統計手法ごとの操作・解釈・出力整理のコツがまとめられており、卒論・修論・論文執筆で即戦力になる。 心理学系データ分析の“現場教本”といえる。

HADの開発者自身が書いているため、細かい設定や誤解されやすい出力部分の解説が正確。 Excelを超えた“心理統計の道具”としてのHADの可能性を体感できる。

  • HADの公式ガイドブック
  • 出力の読み方まで丁寧に説明
  • 初心者でも統計ソフトを自由に使える

はじめて「データが語り出す瞬間」を体感できた。 心理学者の“実験台帳”のような頼もしい1冊。

14. JASPで今すぐはじめる統計解析入門

 

 

「HADに続く新時代のフリー統計ソフト」=JASPの解説書。 ベイズ統計や効果量、信頼区間をGUIで扱えるため、数式が苦手でも感覚的に使える。 教育・看護・社会科学系の研究者にも愛用者が多い。

心理学の再現性危機を背景に、“透明な統計”を実現するJASPの哲学も紹介されている。 ソフトの操作だけでなく、科学的誠実さを支える設計思想にも触れられるのが魅力。

  • GUI操作でベイズ統計・効果量を学べる
  • 教育・看護・心理・社会系に対応
  • 再現性研究の入門にも最適

「クリックで科学する」感覚が新鮮。 心理統計の“民主化”を感じる。

15. 科学としての心理学 ― 科学的・統計的推測入門

 

 

心理統計の“哲学的基礎”を問う1冊。 統計的推測の論理と限界、心理学が科学であるための条件を、哲学と数学の双方から考察する。 「数式を信じすぎる危うさ」や「確率の解釈問題」など、深いテーマをわかりやすく扱う。

統計の“意味”を知りたい研究者におすすめ。 表面的なテクニックではなく、科学の思考構造そのものを学べる。

  • 統計学と科学哲学の接点を扱う
  • 心理統計の哲学的背景を理解できる
  • 大学院レベルの教養書としても価値大

統計を使う前に「なぜ統計が必要なのか」を考える。 その原点に立ち返らせてくれる名著。

16. 心理学統計法(放送大学教材)

 

 

 放送大学教材の中でも完成度が高い。 t検定・分散分析・重回帰分析を体系的に扱い、例題と図解で理解を助ける。 NHK講義と連動しているため、映像と併せて学ぶと理解が倍増する。

構成が整然としており、専門学校や通信制大学でも広く使われる定番。 “基礎固めの決定版”といえる。

  • NHK講義対応の標準教科書
  • 図表・例題・演習で実践的理解
  • 公認心理師カリキュラム準拠

独学でも確実に理解できる。 心理統計の“公共教育モデル”のような教科書だ。

17. 公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学

 

 

公認心理師試験対策の定番テキスト。 心理統計・研究法・臨床心理データ解析の基礎を、国家資格レベルに即して体系化している。 実際の臨床データ(症状スコアや介入効果)を例に解説しており、臨床心理学の実務に直結する。

  • 国家資格対応の信頼あるテキスト
  • 臨床研究データの解析を学べる
  • 心理統計・研究法・測定法を総合的に扱う

「数字で“回復”を語る」ことの重みを感じた。 臨床家にこそ統計が必要だと教えてくれる。

18. 心理学のための統計学シリーズ(1〜8巻)

 

シリーズ全体で、心理学のための統計を基礎から専門まで段階的に学べる。 特に第3巻『心理尺度の構成と分析』や第8巻『消費者心理学のための統計学』は応用的。 心理学研究の“現場別統計”がわかる。

シリーズを通して読むと、心理統計が“ひとつの言語”であることが理解できる。 一貫した編集方針で、初学者にも親切。

  • 研究分野別に体系化されたシリーズ
  • 基礎〜応用を通して心理統計の全貌を理解
  • 研究法との統合がわかりやすい

学問の“共通語”としての統計を実感する。 心理学の多様性を支える背骨のような存在。

19. 数値シミュレーションで読み解く統計のしくみ

 

 

 「数式ではなく“現象”で統計を理解する」という斬新なコンセプト。 サンプルサイズ・ばらつき・確率分布などを、シミュレーションで視覚的に学べる。 統計ソフトを動かしながら学ぶ“体験型の心理統計”だ。

  • Rを用いたシミュレーション学習
  • 確率・分布・誤差の“感覚”を身につける
  • 数学嫌いでも直感で理解可能

頭ではなく目で覚える統計。 “実感から理論へ”の逆アプローチが画期的だった。

20. 消費者心理学のための統計学

 

 

市場調査・広告効果・新商品開発などに統計を応用した応用心理学の代表作。 心理学の枠を超え、ビジネスデータに心理的要素を統合する。 ブランド認知・購買意図などを数量的に扱う力が身につく。

  • 消費者行動を統計的に分析する手法を紹介
  • 心理学・マーケティングの架け橋となる一冊
  • 企業研究者・大学院生・市場分析担当者に最適

“数字で人の心を読む”とはまさにこのこと。 心理統計の応用範囲の広さを痛感する。

関連グッズ・サービス

  • Kindle Unlimited ― 複数の心理統計入門書を比較しながら読める。出張中でも復習できるのが便利。
  • Audible ― 理論を音声で復習。目で読むより頭に残る感覚があった。
  • Kindle Scribe

     ― 数式や図をその場で書き込める電子ノートとして最適。
  •  

     コクヨ 研究記録用ノート

    ― 自分の分析ログや仮説メモを残せる。学会発表前の整理にも重宝した。

 

 

 

まとめ:数字の奥に「心の論理」がある

  • 初学者向けなら:『よくわかる心理統計』『ウォームアップ心理統計』
  • 実践派なら:『Excelで今すぐはじめる心理統計』『HADのトリセツ』
  • 研究志向なら:『続・心理統計学の基礎』『効果量入門』『科学としての心理学』
  • 応用派なら:『消費者心理学のための統計学』『臨床統計学』

統計は「人を数字で測る技術」ではない。 「数字の中に人を見つける技術」だ。 心を定量化するこの営みは、感性と論理の両方を鍛えてくれる。

よくある質問(FAQ)

Q: 数学が苦手でも心理統計は理解できる?

A: もちろん可能だ。 『統計嫌いのための心理統計の本』や『数学が苦手でもわかる心理統計法入門』のような入門書は、 数式を極力減らして“考え方”中心に解説している。 平均・分散・相関の仕組みを「感覚で」理解できる構成なので、文系出身者でも十分学べる。

Q: 心理測定と心理統計はどう違うの?

A: 心理測定は「心をどう測るか」を設計する学問、 心理統計は「測った結果をどう読むか」を学ぶ学問だ。 前者が“データを作る技術”、後者が“データを解釈する技術”と言える。 両者を並行して学ぶことで、心理学研究が初めて“科学”として成立する。

Q: RやJASPなどのソフトは初心者でも扱える?

A: GUIで操作できる『JASPで今すぐはじめる統計解析入門』や、 Excel操作だけで完結する『Excelで今すぐはじめる心理統計』がおすすめ。 難しいコーディングなしで、t検定や相関分析などが可能。 “使いながら覚える”ほうが挫折しにくい。

Q: 公認心理師試験に出る統計内容はどの本でカバーできる?

A: 『公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学』と『心理学統計法(放送大学教材)』が最適。 出題範囲に沿っており、用語・公式・出題傾向を網羅している。 過去問と組み合わせると得点源にしやすい。

Q: 研究論文を書くとき、統計のどこまで理解しておくべき?

A: 少なくとも「効果量」「信頼区間」「検定力」は必須。 『伝えるための心理統計』を読むと、論文執筆で求められる“伝える統計”の基準が理解できる。 p値だけに頼らない解釈力が、研究者としての信頼を高める。

Q: 心理統計を独学で続けるモチベーションを保つには?

A: 数字の先に“人”を思い浮かべること。 分析結果の向こう側に、心の動きや人の行動が見えるようになると、 統計は単なる数字遊びではなく“人間理解の言語”に変わる。 日々の興味や体験とつなげて学ぶのが一番だ。

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