心理学を「感情の学問」から「科学的探究」に変えるのが、研究法の力だ。調査・実験・統計・論文執筆のすべてを支える基礎を学ぶことで、人の心を測り、再現し、伝えることができる。この記事では、Amazonで買える『心理学研究法』関連の本から、実際に読んで「理解が深まった」「研究設計の視点が変わった」と感じた15冊を紹介する。
- おすすめ本15選
- 1. 心理学研究法 補訂版 (有斐閣アルマ)
- 2. 心理学研究法 (公認心理師スタンダードテキストシリーズ 4)
- 3. 第4巻 心理学研究法 *1
- 4. 心理学研究法 (放送大学教材 1628)
- 5. Progress & Application 心理学研究法 第2版 (Progress&Application 2)
- 6. 心理学研究法 (ライブラリ心理学の杜 3)
- 7. 心理学研究法入門: 調査・実験から実践まで
- 8. 逆引き! 心理学研究法入門: 自分の知りたいことから研究手続きを選べるようになる本
- 9. 心理学研究法: 心を見つめる科学のまなざし (有斐閣アルマ)
- 10. 心理学研究法入門 (心理学エレメンタルズ)
- 11. なるほど! 心理学研究法 (心理学ベーシック 第1巻)
- 12. 心理学研究法: データ収集・分析から論文作成まで (コンパクト新心理学ライブラリ 12)
- 13. 臨床心理学をまなぶ7 量的研究法
- 14. 公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学 [心理学統計法・心理学研究法]
- 15. 心理統計学の基礎 (有斐閣アルマ)
- 関連グッズ・サービス
- まとめ:今のあなたに合う一冊
- よくある質問(FAQ)
- 関連リンク
おすすめ本15選
1. 心理学研究法 補訂版 (有斐閣アルマ)
日本で最も定評ある研究法テキストのひとつ。調査・実験・観察など心理学的探究の基本構造を、豊富な事例と図解で解説している。補訂版では最新の倫理基準や統計ツールにも触れ、現代的な研究環境に対応しているのが特徴だ。
印象的なのは、「心理学は『再現性』を重んじる科学である」という姿勢。思いつきの質問をどう仮説に変えるか、データをどう扱えば結論が正当化されるか——地味なようで最も重要なプロセスを、淡々と、しかし熱をもって教えてくれる。
刺さる読者像:
・心理学を学び始めた大学生・公認心理師志望者
・研究レポートをこれから書く人
・論文の構造を“科学的に考えたい”人
おすすめポイントは、形式に流されず“考える力”を鍛えてくれる点。初学者にも、大学院生の復習用にも使える“王道の一冊”だ。
2. 心理学研究法 (公認心理師スタンダードテキストシリーズ 4)
国家資格「公認心理師」カリキュラム対応の公式シリーズのひとつ。学術的厳密さと実践性の両立をテーマに、心理学研究の基本概念を網羅する。実験・調査・観察の枠を越え、現場でのエビデンス構築の方法まで扱うのが特長だ。
読んで感じるのは、構造の明快さ。研究計画→データ収集→分析→倫理→報告という一連の流れが、心理支援実践の文脈で整理されている。単なる学問書ではなく、「臨床・教育・産業現場で研究を活かすにはどうすべきか」を教えてくれる実践的内容になっている。
刺さる読者像:
・公認心理師試験対策を兼ねて体系的に学びたい人
・心理支援の現場でリサーチ・エビデンスを重視する人
・“データを読む力”を鍛えたい大学院生
心理学を資格勉強の延長ではなく“科学的専門職”として位置づけたい人に最適。心理実践者のE-E-A-Tを支える理論書だ。
3. 第4巻 心理学研究法 *1
東京大学出版会による学術シリーズ『公認心理師の基礎と実践』の第4巻。実験心理学の伝統を踏まえ、仮説検証の論理とリサーチデザインの美しさを丁寧に描く。編集者・執筆者は心理学界の第一線研究者で、各章が短くまとまっていながら中身は非常に濃い。
特に心に残るのは、「問いの立て方」へのこだわり。心理学研究は方法以前に“良い問い”が出発点であるとし、仮説の構築を思考実験的に追体験できるよう構成されている。データ分析技術よりも、“研究者としての姿勢”を学ぶ一冊だ。
刺さる読者像:
・学部後半〜大学院レベルで研究法を深めたい人
・公認心理師試験の理論背景をしっかり理解したい人
・研究デザインを「科学としての哲学」から見たい人
文体はやや硬いが、内容は圧倒的に信頼できる。心理学を「実験的科学」として真剣に学びたい人のための正統派テキスト。
4. 心理学研究法 (放送大学教材 1628)
放送大学シリーズらしく、「専門性とわかりやすさ」の両立を実現した名教材。研究法の基本概念をテレビ講義と対応させながら学べる設計で、初学者にもとっつきやすい構成になっている。実験だけでなく、質問紙調査・面接・観察など多様なアプローチを平等に扱っている点が優秀。
本書の魅力は、“心理学を日常に引き寄せる”具体例の多さだ。買い物行動、SNS使用、対人印象といった身近なテーマから仮説を立てる過程を示し、「研究=遠い世界」ではないと教えてくれる。統計が苦手な人でも安心して読み進められる工夫がある。
刺さる読者像:
・心理学部の通信制・放送大学生
・実験以外の多様な研究法を広く学びたい人
・社会人リスキリングで心理学を学び直す人
研究法のとっつきにくさを解きほぐし、誰でも「科学的に考える」楽しさを味わえる。通学制に劣らない完成度を誇る一冊だ。
5. Progress & Application 心理学研究法 第2版 (Progress&Application 2)
心理学の理論と実践を架け橋する「Progress & Application」シリーズの中核。研究デザインからデータ処理、論文作成までをワークブック形式で体験的に学べる。改訂第2版では、オンライン実験やオープンサイエンスへの対応も加筆され、最新動向を反映している。
読んで感じるのは、実践的な“筋トレ感”。章末ごとの演習問題や「研究計画シート」が充実しており、読み進めるうちに自然と自分の研究アイデアが形になる。研究法を“頭で理解する”段階から“手で使える”段階に引き上げてくれる。
刺さる読者像:
・卒論・修論で研究計画を立てたい人
・研究法をアクティブに身につけたい大学院生
・実験心理・教育心理・臨床心理など応用分野の研究者志望者
「読む教科書」ではなく「使う教科書」。研究法を“実務スキル”として定着させたい人に強く推奨したい。
6. 心理学研究法 (ライブラリ心理学の杜 3)
心理学の主要パラダイム(実験・調査・観察・面接・質的アプローチ)を「なぜその方法で問えるのか」という認識論から説明する良書だ。章構成は、研究倫理、仮説と操作化、測定の信頼性・妥当性、サンプリング、バイアス、デザイン比較(独立・従属・混合)と王道を踏みつつ、最新の再現可能性運動や事前登録の発想にも触れている。手順の羅列で終わらず、方法の背景にある“科学観”を鍛えてくれるのが強みだ。
読みながら、「この仮説は何をもって支持されたと言えるのか」「測定は概念にどれだけ近づけているのか」を自問する癖がつく。演習では、同じ問いを複数デザインで比較し、内的妥当性と外的妥当性のトレードオフを自分の手で検討できる。統計式の前に“設計の論理”を叩き込む設計で、卒論・修論の事故を確実に減らしてくれる。
刺さる読者像:
・学部中盤以降で「方法の良し悪し」を評価できるようになりたい人
・研究計画書の説得力を一段上げたい大学院生
・実務現場でエビデンスの質を見極めたい公認心理師
おすすめポイントは、方法論の比較表とチェックリストの実用性。読み終える頃には、「この研究はどこが弱いか/どう補強するか」を言語化できるようになる。
7. 心理学研究法入門: 調査・実験から実践まで
タイトル通り“入門”だが、内容は入門+α。質問紙調査や実験だけでなく、フィールド実践や介入研究の設計、倫理審査の通し方、インフォームド・コンセントの書き方まで踏み込む。研究室の先輩から「これも書いとけ」と手渡される“暗黙知”を明文化しており、現場目線の小ワザが多い。
特に役立つのは、リクルート戦略(対象者募集)の章と、測定誤差・反応バイアス(社会的望ましさ、アクイエッセンス)への具体的対処。質問紙設計では項目表現の粒度、逆転項目の扱い、テスト版パイロットの回し方まで丁寧だ。研究を“動かす”実務のリアリティがあるから、読み終えたその日から使える。
刺さる読者像:
・卒論・修論の「やり方」をとにかく具体化したい人
・学外協力先と連携して調査を走らせる予定の人
・介入研究やプログラム評価に挑む実務家
おすすめポイントは、章末のテンプレ群(依頼文、同意説明書、事前登録の雛形など)。“動く研究法”を短期間で体得したいなら、まずここから。
8. 逆引き! 心理学研究法入門: 自分の知りたいことから研究手続きを選べるようになる本
「◯◯を知りたい/検証したい」から始めて、最適なデザイン・測定・分析に“逆引き”で辿り着く辞典型ガイド。例えば「因果を言いたい→どの統制が必要?」「比較したい群が3つ→どのデザインと検定?」と、迷子になりがちな初学者の思考を軌道に乗せる。図解が多く、意思決定フローが視覚的でわかりやすい。
秀逸なのは、現実的な制約(時間・予算・サンプル確保)をパラメータに入れた分岐設計。理想案だけでなく「この制約なら妥当な落とし所はここ」という提示が誠実だ。さらに、測定の選び方(既存尺度の評価、翻訳・バックトランスレーション、スクリーニング基準)や簡易パワー分析の考え方もQ&A形式で押さえる。
刺さる読者像:
・方法の選択肢に迷い、決め手がほしい学部生・院生
・業務で調査設計を任された実務家(人事・教育・ヘルスケア)
・時間と予算の制約下でも研究的精度を担保したい人
おすすめポイントは、“意思決定の透明化”。なぜその方法を選んだかを言語化できるようになるため、指導教員や査読者への説明力が一気に上がる。
9. 心理学研究法: 心を見つめる科学のまなざし (有斐閣アルマ)
同アルマの「補訂版」と並ぶ人気テキストで、研究法の全体像を「問い→概念化→操作化→測定→デザイン→分析→解釈」という一本道で通す構成が魅力。数式偏重にならず、概念のつながりをストーリーで理解させる。再現性危機以降のオープンサイエンス(共有データ、分析コードの開示、事前登録)にも章を割き、現代的な研究倫理を学べる。
読むほどに、“曖昧さを残さない”筆致が心地よい。例えば、相関と因果の混同、多重検定、探索と確証の混在など、初学者が陥る典型エラーを例示しては訂正し、正しい筋道へ連れ戻す。復習用の小設問と要点ボックスで学習の見取り図も作りやすい。
刺さる読者像:
・研究法を体系的に一本の物語として掴みたい人
・オープンサイエンス時代の倫理・手続を学びたい人
・“わかったつもり”を避けたい慎重派の学習者
おすすめポイントは、理論と実務の橋渡し。読後には「問い→方法→結論」を一貫して説明できる“研究者の話し方”が身につく。
10. 心理学研究法入門 (心理学エレメンタルズ)
短く、薄く、しかし要所を外さない“ミニマム・エッセンス”。研究法の最初の一冊として、あるいは期末前の総復習として優秀だ。章立てはコンパクトでも、仮説の立て方、尺度の作法、デザインの基本形、信頼性・妥当性、倫理、報告形式(APA的要件)まで一通りをカバー。読み切りやすい分、“最初の成功体験”を作りやすい。
特筆は、初学者がつまずく小ポイントの潰し込み。例えば「Likert 5件法と7件法の選び分け」「逆転項目の混在で起きること」「欠測値処理の基本」など、授業では流されがちなところに丁寧に脚注が入る。演習は軽めだが、要点が鋭いので、読後に自分の計画書へ直で反映しやすい。
刺さる読者像:
・とにかく一冊通して“全景”を掴みたい人
・短時間で研究法の骨組みを再確認したい人
・統計や専門書に苦手意識がある初学者
おすすめポイントは、「薄い=浅い」ではないこと。必要十分の要素を正しい順序で積み上げるので、次に読む中級書への橋渡しとして理想的だ。
11. なるほど! 心理学研究法 (心理学ベーシック 第1巻)
タイトル通り「なるほど!」が積み重なるシリーズの入門書。研究法の基礎を、やわらかい語り口で「なぜそうするのか」から教えてくれる。特徴は、教科書というよりも“授業の延長線上”のような読みやすさ。仮説の立て方、検証手続き、操作化、データ処理まで、実際の講義風に流れで理解できる構成だ。
印象的なのは、「研究法は覚えるものではなく、考えるもの」という姿勢。単に“こうすればいい”ではなく、「なぜこの方法が妥当なのか」「他の選択肢との違いは?」と問い返してくる。章ごとのイラストやコラムが秀逸で、心理学特有の“曖昧な概念を測る難しさ”を楽しく掴める。
刺さる読者像:
・授業についていけず悩んでいる大学1〜2年生
・心理学を専門外から学び直したい社会人
・教員・指導者として説明の比喩を探している人
おすすめポイントは、“理解が定着する”設計。難解な理論を身近なたとえ(恋愛、買い物、日常観察)に置き換えており、学ぶ喜びを再発見できる。心理学を“怖くない科学”として感じたい人に最適だ。
12. 心理学研究法: データ収集・分析から論文作成まで (コンパクト新心理学ライブラリ 12)
研究を「計画→収集→分析→報告」の全プロセスで整理した実務派テキスト。タイトルに“論文作成まで”とある通り、研究法を“完成まで持っていく”ための具体的なノウハウが詰まっている。実験・調査・事例研究の各デザインを比較しながら、統計処理とレポート構成の橋渡しをしてくれる構成だ。
特に優れているのは、“研究報告”の書き方を明示していること。序論・方法・結果・考察(IMRaD形式)の章構造に沿って、何をどう書くと読みやすく、説得的になるかを実例付きで解説する。単なるデータ処理書ではなく、「科学的文章術」としての完成度が高い。
刺さる読者像:
・卒論・修論の執筆直前で整理が必要な人
・統計処理から報告文に“変換”する段階にある人
・実務レポート・学会発表を控えた大学院生
おすすめポイントは、“結果の語り方”まで踏み込んでいる点。数字を出すだけで終わらず、読者(査読者・聴衆)に届くメッセージをどう構成するかを学べる。まさに“研究の完成法”を教える一冊。
13. 臨床心理学をまなぶ7 量的研究法
臨床領域で「質的ではなく量的に検証する」視点を学べる貴重な一冊。心理療法・カウンセリング・精神医学的支援の現場でも、効果検証や尺度開発が求められる時代になっており、そのための設計思想を具体的に示す。従来の実験心理・社会心理中心の研究法書とは異なり、“臨床のリアル”を土台に置いた実践的構成だ。
印象に残るのは、「臨床研究=人を測る前に人を理解する」という倫理観。患者・クライエントの尊厳を守りつつ、量的評価を進めるための方法論を具体的に書いている。尺度作成・質問紙開発・介入評価の実例が豊富で、臨床家が研究を“外注せず自分でできる”ように導いてくれる。
刺さる読者像:
・臨床心理士・公認心理師として研究力を高めたい人
・実践データを数値化して共有したい現場職
・臨床研究と倫理を両立させたい大学院生
おすすめポイントは、量的研究の背後にある“臨床的思考”の可視化。数字のための研究ではなく、人の回復を伝えるための研究として再定義している。現場を持つ心理士にこそ読んでほしい。
14. 公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学 [心理学統計法・心理学研究法]
心理学研究法と統計法を一体化して学べる、公認心理師試験対応テキスト。研究デザインと統計解析を別々に覚えるのではなく、「どのデザインにどの解析が対応するか」をペアで理解できる構成だ。t検定・分散分析・相関・回帰・χ²検定などを、“デザイン別に呼び出す”仕組みが秀逸。
数式の導出よりも、“解釈の正確さ”を重視している点が現場的。統計結果の読み取りを「効果量」「信頼区間」「検定力」でセットにし、数字の意味を直感的に掴める。さらに、心理職に必須の研究倫理(データ操作・二重投稿・p値ハッキングの防止)も具体的な事例とともに扱う。
刺さる読者像:
・統計と研究法を一緒に整理したい公認心理師受験者
・数字を使うのが苦手な臨床家・教育現場職
・データを“読む・伝える”力を高めたい人
おすすめポイントは、“心理学に特化した統計教育”を実現していること。心理職が現場で自信をもってデータを扱えるようになるための橋渡しとして最適だ。
15. 心理統計学の基礎 (有斐閣アルマ)
研究法の最終段階で欠かせないのが統計。『心理統計学の基礎』は、有斐閣アルマの中でも異例のロングセラーで、心理学的データ分析の考え方を平易に説明してくれる。特徴は、公式を丸暗記させず「なぜこの式になるのか」を図解で直感的に理解させること。推測統計・検定理論・信頼区間などの基礎が自然に身につく。
特に優れているのは、“研究計画と統計分析の接続”の描き方。デザインによって分析手法がどう変わるかを対比し、研究の「問い→設計→分析→解釈」の一貫性を教えてくれる。読み終えるころには、統計が“結果処理”ではなく“問いを磨く道具”だとわかる。
刺さる読者像:
・心理学研究を数値で語りたい大学院生・研究者志望者
・統計に苦手意識があるが基礎から理解したい人
・RやJASPなどのツールを使う前に理論を押さえたい人
おすすめポイントは、“理論・直感・実践”の三位一体設計。数式を読み解く快感が芽生える頃には、研究法の全体像も自然と見えている。心理学研究を“科学”として語るための最後のピースだ。
関連グッズ・サービス
研究法の学びは「読む」だけでは終わらない。手を動かし、データを扱い、言葉に変えることで初めて定着する。ここでは、心理学研究を実践的に深めるためのサービスやツールを紹介する。
- Kindle Unlimited:研究書は重く分厚いものが多いが、Kindleならいつでもどこでも携帯できる。心理学系の専門書や英語論文の和訳版も多数収録されており、通勤中のスキマ時間に学習を進めやすい。ハイライト機能を使えば、引用文献リストの作成も効率化できる。
- Audible:心理学の思想や理論背景を耳で聴くことで、研究テーマの発想が広がる。『心を整える習慣』『科学的に人を動かす』など研究法を支える読書習慣の導入にも最適。分析作業の合間のリフレッシュにも使える。
- SPSS / JASP / Rなどの統計ソフト:心理学研究法の学びを実践へつなげるには、実際にデータを分析する体験が不可欠。最近は無料のオープンソースソフトJASPやRが充実しており、大学外でも再現可能。演習問題を実データで試すと理解が飛躍的に深まる。
- ノートPC&大型ディスプレイ:研究法の勉強では、資料・論文・分析結果を同時に開く作業が多い。デュアルディスプレイ環境を整えるだけで、作業効率が2倍以上変わる。研究者の“見える思考”を支えるインフラ投資としておすすめ。
- 心理学論文データベース(CiNii / PsycINFO):各書で学んだ理論や手法を、実際の論文で追体験する。論文を読む習慣がつくと、研究法が単なる教科書知識ではなく「生きたスキル」に変わる。
書籍+ツールを組み合わせることで、心理学研究の「考える」「試す」「伝える」が一本の線でつながる。環境を整えることも、研究者の大事なスキルのひとつだ。
まとめ:今のあなたに合う一冊
心理学研究法の本は、目的によって選ぶべき1冊が変わる。理解したいのは“手順”か、“哲学”か、“実務スキル”か。自分の段階を意識して選ぶと、効率がまったく違う。
- とにかく基礎から:『心理学研究法 補訂版(有斐閣アルマ)』『心理学研究法入門(心理学エレメンタルズ)』
- 研究の流れを掴みたい:『心理学研究法(放送大学教材)』『Progress & Application 心理学研究法 第2版』
- 実践・卒論・修論向け:『心理学研究法: データ収集・分析から論文作成まで』
- 臨床・実務寄り:『臨床心理学をまなぶ7 量的研究法』『公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学』
- 理論を掘り下げたい:『心理学研究法 (ライブラリ心理学の杜3)』『心理統計学の基礎』
心理学研究法は、単なる手続きの学問ではない。問いを立て、検証し、他者に伝えるという“科学の倫理”そのものだ。 どの本から始めても構わない。大切なのは「なぜこの方法で問うのか」を考え続けること。研究法を学ぶことは、人の心を誠実に扱うことと同義だ。
よくある質問(FAQ)
Q1: 心理学研究法の本はどれから読めばいい?
A: まずは『心理学研究法 補訂版(有斐閣アルマ)』が定番。読んで難しければ『心理学研究法入門(心理学エレメンタルズ)』や『なるほど!心理学研究法』から始めよう。基礎がわかれば、統計や論文作成の本へ自然に進める。
Q2: 実験や調査をやったことがない初心者でも理解できる?
A: できる。放送大学教材や逆引き研究法シリーズは“ゼロから始める人”に合わせて構成されている。実際に手を動かす章があるため、読書だけで終わらず「やってみる力」がつく。
Q3: 統計が苦手で挫折しそう。避けてもいい?
A: 統計は避けて通れないが、“数式ではなく考え方”から入れば大丈夫。『心理統計学の基礎』は直感的に理解できる設計。心理学では「平均」「相関」「差」など、日常感覚に近い統計が中心なので、慣れると楽しくなる。
Q4: 公認心理師試験にはどの本が一番役立つ?
A: 『公認心理師スタンダードテキストシリーズ4 心理学研究法』と『公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学』が試験出題傾向と直結している。過去問の理解補助にも使えるため、学部〜受験レベルの橋渡しに最適。
Q5: 海外の心理学研究書も読んだ方がいい?
A: 日本語の基礎が固まってからで十分。英語論文を読むときも、基本概念(変数・妥当性・信頼性・デザイン構造)がわかっていれば、語学よりも内容理解が先に進む。まずは国内の信頼できるテキストで“文法”を覚えよう。
心理学研究法を学ぶことは、他者の心と真摯に向き合うための準備でもある。 一冊の教科書から、研究という旅を始めよう。 仮説を立て、検証し、言葉で世界を再構築する。 その過程こそが「心理学の美しさ」だ。
関連リンク
心理学研究を実際に進める上では、データ収集やレポート作成などの実験スキルも不可欠だ。より実践的に学びたい人は、こちらもチェックしてほしい。


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