仕事帰りにふっと寄った居酒屋や、終電を逃して乗り込んだタクシーの中で、「あのとき隣にいた人は、どんな人生を抱えていたんだろう」と考えたことはないだろうか。広小路尚祈の小説は、まさにそんな疑問にそっと輪郭を与えてくれる、庶民のための物語だ。
ホテルマン、清掃員、タクシードライバー、消費者金融の社員、そして物書き。転々とした職の数だけ、彼の小説にはリアルな生活の手触りが宿る。ここでは、タクシーと酒と家族をめぐる7冊を取り上げ、どんな順番で読めばいちばん深く味わえるのかをじっくり案内していく。
広小路尚祈とは?
広小路尚祈は、1972年愛知県岡崎市生まれ。高校卒業後、ホテル従業員、清掃作業員、清涼飲料メーカーのルートセールス、建築板金工事作業員、タクシー運転手、不動産業、消費者金融など、十種類以上の仕事を経験してきた、筋金入りの「職歴持ち」だ。2007年、「だだだな町、ぐぐぐなおれ」が群像新人文学賞優秀作に選ばれデビュー。2010年「うちに帰ろう」が第143回芥川賞候補、2012年「まちなか」が第146回芥川賞候補となり、地に足の着いた作風で少しずつ読者を増やしてきた。
彼の小説の多くは、名古屋圏を舞台にしている。名古屋弁のニュアンスや、味噌だれのチューブ一本にも宿る生活感が、物語の隅々まで染み込んでいるのが特徴だ。タクシー運転手としての経験は『いつか来る季節 名古屋タクシー物語』や『ある日の、あのタクシー』に、居酒屋やバーマンとしての時間は『清とこの夜』『今日もうまい酒を飲んだ とあるバーマンの泡盛修業』に、消費者金融での勤務歴は『金貸しから物書きまで』にそれぞれ結晶している。
一見地味に見える日常の断片に、どうしようもない可笑しさと、笑えないほどの痛みが同居している。そのバランス感覚が、広小路作品のいちばんの魅力だと感じる。登場人物たちは決して「立派な人」ではない。むしろ少しだらしなく、意地っ張りで、見栄っ張りで、しかしどこか愛おしい。その姿に、読んでいるこちらのちょっとみっともない部分まで照らし出されるような感覚がある。
読み方ガイド
広小路尚祈を初めて読むなら、まずは芥川賞候補作『うちに帰ろう』で「家」の温度とユーモアを味わい、そのあとでタクシー小説と酒場小説へ広げていく読み方がおすすめだ。同じ作者の作品を続けて読むと、世界が少しずつつながっていく感覚がきっと出てくる。
この記事では、次の順番で7冊を紹介していく。
- 1. うちに帰ろう(第143回芥川賞候補作)
- 2. いつか来る季節 名古屋タクシー物語
- 3. 清とこの夜
- 4. ある日の、あのタクシー
- 5. 北斗星に乗って
- 6. 金貸しから物書きまで
- 7. 今日もうまい酒を飲んだ とあるバーマンの泡盛修業
家族小説から入りたい人は1→6、旅と移動に惹かれる人は2→4→5、お酒と人情に浸りたい人は3→7という並びで読んでいくと、同じテーマの変奏曲として楽しめるはずだ。
広小路尚祈おすすめ本7選
1. うちに帰ろう(第143回芥川賞候補作)
専業主夫となった男が、公園デビューやママ友との付き合いに翻弄される日々を描いた表題作「うちに帰ろう」と、同じく家族と生活をテーマにした短編「シレーヌと海老」から成る一冊。芥川賞候補作となったことで注目を集めた、広小路尚祈の代表作だ。
主人公の男は、いわゆる「イクメン」として称賛されるようなキラキラした人物ではない。仕事を辞めて家事と育児を引き受けるなかで、自分の役割にイライラしたり、公園の砂場でママ友たちの輪に入れず気まずい思いをしたりする。ある意味、とても普通で、ちょっと情けない男だ。だからこそ、彼の視線で見た世界は妙にリアルで、読んでいて身につまされる。
印象的なのは、公園で出会う「同じように行き場のない大人たち」の姿だ。仕事と家の間でうまく折り合いがつけられない父親、子どもを通してしか他人とつながれない母親、互いに距離を測りかねている夫婦。誰もがどこか居心地の悪さを抱えていて、それを冗談や噂話でなんとかやり過ごそうとしている感じが、なんとも言えない哀しさと可笑しさをまとっている。
文章は淡々としていて、声高なメッセージはほとんど出てこない。それでも、主人公が娘の寝顔を見つめながら、心のどこかで「うちに帰ろう」と自分に言い聞かせるような瞬間には、じわっと胸の奥が熱くなる。派手な事件は起きないのに、読み終えると自分の家の玄関を開ける動作まで、少しだけ違って見えてしまうような本だ。
子育て中の親はもちろん、「家にいてもくつろげない」「仕事をやめた自分には価値がない」と一度でも感じたことのある人には、とても刺さると思う。決して完璧ではない家族を、それでも支えているものは何なのか。大きな答えは出ないけれど、その問いを一緒に抱えてくれるようなあたたかさが、この一冊にはある。
2. いつか来る季節 名古屋タクシー物語
現役タクシードライバーでもある著者が、名古屋市の16区と周辺地域を舞台に描いた連作短編集。運転手と乗客の一期一会の出会いを通して、その街に生きる人々の素顔が少しずつ浮かび上がってくる。新聞連載をもとに書籍化された作品で、各話のあとには地域紹介のミニガイドも添えられている。
夜の栄で泥酔したサラリーマンを乗せるときもあれば、病院へ向かう老夫婦を静かに見送ることもある。後部座席から語られる身の上話は、ときに愚痴であり、ときに自慢話であり、ときに誰にも言えなかった告白だ。運転席の男は、それをさえぎることもなく、ただ前を見て車を走らせる。その距離感がちょうどよくて、読んでいるこちらまで、見知らぬ誰かの人生を少しだけ覗き見してしまったような気分になる。
名古屋という街の描かれ方も味わい深い。観光地として有名な場所だけでなく、地元の人しか降りないようなバス停の名前や、川沿いのさびれた道がさりげなく織り込まれていて、「この交差点はどんな匂いがするんだろう」と想像が膨らむ。名古屋在住の人はニヤリとできるし、そうでない人も「行ったことのない懐かしい場所」を歩いているような不思議な感覚を味わえるはずだ。
タクシーを舞台にした物語というと、どうしても「いい話」「泣ける話」を期待してしまうが、この本はそこに甘く寄りかからない。乗客の多くは、ささやかな過ちや後悔を抱えたまま車を降りていくし、すべてが美しく解決するわけでもない。それでも、別れ際に交わされる「おおきに」「ありがとね」の一言が、不思議と心に残る。
短編一話一話がほどよい長さなので、通勤電車や寝る前の15分読書にもぴったりだ。タクシーという空間が持つ、あの独特の「よそよそしさ」と「安心感」の同居した感じが好きな人には、たまらない一冊だと思う。
3. 清とこの夜
町外れのさびれた居酒屋を舞台に、無骨な店主・清とその店に集う常連客たちの夜を描いた酒場小説。泣き笑いの人情話……と見せかけて、実はかなりダメで危うい人たちばかりが登場するところに、この本の真骨頂がある。
定年退職を目前にして妻の愛情を確かめたい男、息子に捨てられたと嘆くシングルマザー、年の離れた妻を「自慢の若い嫁」と見せびらかす中年男――登場人物たちはみな、どこかしらねじれていて、ちょっと気持ち悪い。しかし、その「気持ち悪さ」をきれいに処理しないで、そのままテーブルの上に並べてしまうところに、作者の誠実さを感じる。
清という店主も、決して聖人君子ではない。料理は手抜き気味で、店の掃除だって完璧とは言いがたい。けれど、娘・千夏のこととなると急に不器用な優しさを見せる。そのギャップが、読んでいるうちにじわじわ効いてくる。ラスト近くで、清が千夏に向けるある一言は、派手な演出がない分、かえって胸にこたえる。
この店のカウンターに座っていると、自分もいつのまにか「常連」の一人になっている気がする。そんな錯覚を覚えるのは、会話のリズムと描写の細部が、とてもよく出来ているからだろう。チューブ入り味噌だれの描写や、歩いて十五分以上かかる立地の悪さといった小さなディテールが、店の空気をしっかり支えている。
いわゆる「ほっこり系」の酒場小説を求めていると、少し面食らうかもしれない。でも、他人のいびつさに付き合う覚悟さえあれば、これほど読後に人間くささが残る本もそう多くない。仕事帰りに一杯ひっかけて帰るのが好きな人はもちろん、「どうしようもない人間」を嫌いになりきれない人に読んでほしい一冊だ。
4. ある日の、あのタクシー
『いつか来る季節 名古屋タクシー物語』に続く、タクシー小説の第二弾。今度の舞台は、名古屋だけでなく伊勢、金沢、飛騨高山など、さまざまな街へと広がっていく。12の物語それぞれに、「あの日、あのタクシーに乗り合わせた人」の記憶が詰まっている。
観光地のタクシーというと、どうしても「案内役」としての運転手を想像しがちだが、この本のドライバーたちは、もっとずっと人間くさい。道を間違えることもあれば、客の一言にカチンとくることもある。それでも、最後には「この人を無事に目的地まで送り届ける」という一点だけは守ろうとしている。その不器用なプロ意識が、とても広小路尚祈らしい。
個人的に好きなのは、観光地らしい華やかさと、裏側の疲労感が同時に漂っているところだ。旅先で見える風景はたしかに美しいのだけれど、その景色を毎日のように見ている側の人間には別の色合いで映っている。その二重の風景が、タクシーのフロントガラス越しに見えてくる構図が、読んでいてとても心地よい。
『いつか来る季節』よりもさらに、土地の匂いや天候の描写に力が入っている印象がある。雨に煙る城下町の坂道、雪で真っ白になった駅前ロータリー、海から吹き上げる風でドアが重く感じられる瞬間。そうした細部に触れるたびに、「ああ、この街に行ってみたい」と思わずにはいられない。
タクシー小説としてだけでなく、「地方の小さな旅」をテーマにした短編集としても楽しい一冊だ。日常に少しだけ旅の空気を持ち込みたいときに、ちょうどよく効いてくる。
5. 北斗星に乗って
かつて上野と札幌を結んでいた寝台特急「北斗星」を舞台にした8つの短編を収めた作品集。いまは走っていない列車だからこそ、そこに乗り合わせた人々の時間が、どこか幻のように美しく感じられる。
寝台列車という空間は、タクシーとも居酒屋とも違う特別さがある。見知らぬ他人と同じ方向へ夜を越えていく閉ざされた箱のなかで、ちょっとした会話が妙に深く心に残ったり、隣の寝台から聞こえる寝息や物音が気になって眠れなかったりする。広小路は、その「長い一夜」をとても丁寧にすくい取っている。
北へ向かう列車に乗る理由は人それぞれだ。仕事で渋々向かう人もいれば、逃げるように出てきた人もいるし、あるいはただの物好きな鉄道ファンもいる。けれど、車内で夜が更けていくにつれて、それぞれの事情は少しずつ混じり合っていく。窓の外を流れる闇と、たまに見える小さな駅の灯りが、その混ざり合いに静かに拍子をつけているように感じられる。
読んでいると、不思議と列車の揺れを身体が思い出してくる。かつて北斗星に乗ったことがある人なら、「あのとき自分はこんなことを考えていたな」と記憶が引き出されるだろうし、乗ったことがない人でも、「いつかこんな列車に乗ってみたかった」という憧れを擬似的に満たしてくれるはずだ。
旅小説が好きな人にとってはもちろん、日常から一夜だけ離れたい気分のときにもぴったりの一冊だ。ページを閉じたあともしばらく、線路の音が耳の奥で鳴り続けているような余韻が残る。
6. 金貸しから物書きまで
タイトルのとおり、消費者金融会社の社員として働いていた男が、やがて作家になっていくまでの道のりを描いた自伝的長編。作者自身の職歴をベースにしながら、笑えない現実をあえて笑い飛ばすような「フールリアリズム」が貫かれている。
消費者金融と言うと、どうしても暗くて重いイメージがあるが、この物語はそれだけでは終わらない。取り立ての現場や、借金を抱えた人々の生活はたしかにシビアだし、時にはかなりえぐい。しかし、その一方で、そこに生きている人たちのどうしようもないユーモアや、思わぬ場面での優しさもしっかり描かれている。読んでいると、「人生はこんなに馬鹿げているのに、なんとか回っている」という感覚が強く残る。
主人公は、決して立派な成功譚の主人公ではない。学歴も肩書もなく、職を転々としながら、気がつけば中年に差しかかっている。そんな男が、あるときふと「物書きになりたい」と口にしてしまう。その瞬間は、読んでいてちょっと笑ってしまうのだけれど、ページを追ううちに「笑っている自分もたいして変わらない」と気づかされて、妙に胸がチクリとする。
広小路尚祈の作品世界を支えている「職業のリアリティ」は、この本を読むとよくわかる。ホテルもタクシーも金貸しも、それぞれに理不尽があり、理屈に合わないルールがあり、それでも働いている人たちはなんとか自分なりの誇りを見つけようとしている。その姿は、業種が違っても、今の自分の仕事ともどこかでつながっているはずだ。
転職続きで自分のキャリアに自信が持てない人や、「こんな経歴じゃ何者にもなれない」と感じたことがある人にこそ勧めたい。足元を見下ろしながら、それでも前に進んでいく物語として、とても励まされる一冊だ。
7. 今日もうまい酒を飲んだ とあるバーマンの泡盛修業
バーテンダーとして働く男が、常連客の祖父の米寿ならぬ「カジマヤー」(97歳の祝い)のために最高の泡盛を探しに沖縄を巡る――そんな設定から始まる、大人のための酒と人生の物語。実在の泡盛銘柄が次々と登場し、読んでいるだけで喉が鳴りそうになる一冊だ。
物語の軸は、あくまで「泡盛修業」だ。主人公は、カウンター越しに酒を出す側から、今度は蔵元を訪ねる側へと回る。島ごとに違う風土や歴史、蔵ごとに違うこだわりに触れるたびに、彼の中で「うまい酒」の意味が少しずつ変化していく。そのプロセスが、とても丁寧に描かれている。
印象的なのは、酒が単なるアルコールではなく、「人と人をつなぐ媒体」として描かれている点だ。常連客との会話、蔵元の職人たちとのやりとり、そして祝宴の場で交わされる杯。どの場面でも、少し酔いが回ったときにこそ、本音がぽろりとこぼれ落ちる。その瞬間を、広小路は優しい視線で見守っている。
泡盛に詳しくなくても、物語として十分楽しめる。むしろ、まったく知識がない読者のほうが、主人公と一緒に「へえ、こんな味があるのか」と発見していけるはずだ。読み終えるころには、コンビニの缶チューハイではなく、ちょっといいボトルを一本買って帰りたくなっていると思う。
深夜、静かな部屋で一人でページをめくるのもいいし、友人と飲み会のあとにそれぞれの家で同じ本を開いて、オンラインで感想を語り合うのも楽しそうだ。「今日もいい酒だったな」と言える夜を増やしたくなる、そんな一冊だ。
関連グッズ・サービス
本を読んだ後の学びを生活に根づかせるには、生活に取り入れやすいツールやサービスを組み合わせると効果が高まる。
タクシー小説や酒場小説は、ちょっとした隙間時間に読むといちばんおいしい。電子書籍や音声読書をうまく使うと、日々の移動や家事の時間が、そのまま「読書の時間」に変わってくる。
たとえば、通勤電車やタクシーの中で広小路作品をまとめて読みたいなら、対象作品の一部が読み放題に含まれていることもあるKindle Unlimitedを試してみるのも手だ。紙の本と電子書籍を行き来しながら読むと、ブックマークの位置が変わるだけで、同じ物語でも印象が少し変わる。
車の運転が多い人には、耳で物語を味わうAudibleも相性がいい。タクシーや長距離バスの移動中に、酒場を舞台にした小説の朗読を聴いていると、自分が乗っている車両まで、少しだけフィクションの世界に染まってくる感じがする。
まとめて本を買ったり、泡盛やグラスなども合わせてネットで揃えたいならAmazonプライムに入っておくと、配送のストレスがぐっと減る。仕事帰りにヘトヘトで帰宅しても、玄関先には次の読書の相棒がもう届いている、というのはなかなかの幸福だ。
あとは、泡盛やビールをおいしく飲むためのグラスや、手に馴染む文庫本カバーをひとつ用意しておくと、読書の時間が小さな儀式に変わる。『清とこの夜』や『今日もうまい酒を飲んだ』を片手に、いつもより少し丁寧にグラスを磨いてみるだけで、物語の中の酒場と自分の部屋が、ゆるやかにつながっていく気がするはずだ。
まとめ
広小路尚祈の小説に流れているのは、「人生はどうしようもなく馬鹿げているけれど、それでもどこか愛おしい」という感覚だと思う。タクシーの後部座席でも、さびれた居酒屋のカウンターでも、寝台列車の通路でも、人はみんな少しずつ嘘をつきながら、それでも本音をこぼしてしまう。その瞬間の顔を、彼の物語はとてもよく覚えている。
読み終えたあと、身体に残るのは重たい絶望ではなく、「まあ、明日もなんとかやっていくか」という、ほんの少し前向きな疲労感だ。これはきっと、作者自身がさまざまな職場で、いろいろな人の愚痴や笑い話を聞いてきたからこそ書ける手触りなのだろう。
最後に、この記事で紹介した7冊を、読書の目的別にもう一度並べておく。
- 気分で一冊選ぶなら:『うちに帰ろう』
- タクシーの空気を味わうなら:『いつか来る季節 名古屋タクシー物語』『ある日の、あのタクシー』
- 酒と人間くささに浸るなら:『清とこの夜』『今日もうまい酒を飲んだ とあるバーマンの泡盛修業』
- 旅情とノスタルジーを楽しむなら:『北斗星に乗って』
- 仕事と人生を考え直したいなら:『金貸しから物書きまで』
どこから読んでもいいし、すべてを読む必要もない。ただ、一冊でも読めば、きっとあなたの中の「名もなき誰か」の輪郭が少し変わる。その変化こそが、広小路尚祈という作家と出会ういちばんの醍醐味だと思う。
FAQ
Q1. 広小路尚祈を初めて読むなら、どの一冊から入るのがいい?
いちばんの入口としては、やはり芥川賞候補となった『うちに帰ろう』をすすめたい。ページ数もそれほど多くなく、家族と仕事、男女の役割といったテーマがコンパクトにまとまっているからだ。ここで主人公の「ちょっと情けないけれど、憎めない」感じにハマったら、そのまま酒場やタクシーの物語に進んでいけばいい。逆に、日常より旅やお酒の雰囲気を先に味わいたいなら、『北斗星に乗って』や『今日もうまい酒を飲んだ』から入っても問題ない。
Q2. タクシーや居酒屋が舞台だけど、地方在住でも楽しめる?
名古屋や東海地方の地名、沖縄の風土など、たしかにローカルな要素は多い。それでも、物語の核心にあるのは「今日をどうやり過ごすか」に悩む庶民の姿なので、地域が違っても十分に響くはずだ。むしろ、自分の知らない街のコンビニや交差点の名前が出てくることで、ちょっとした旅行気分を味わえる。もし地理感覚が不安なら、簡単に地図アプリを開きながら読むと、作中のタクシーの動きが目に浮かびやすくなると思う。
Q3. ノンフィクション寄りの作品とフィクションの違いは?
『金貸しから物書きまで』や『今日もうまい酒を飲んだ』は、作者自身の経験がかなり色濃く反映されていて、事実とフィクションの境目がゆるやかだ。その分、現場の空気や業界のしんどさがリアルに伝わってくる。一方、『うちに帰ろう』『清とこの夜』『北斗星に乗って』などは、より「物語」としての構成が強く、登場人物の内面の揺れや、場面ごとのリズムが意識的に組み立てられている印象がある。どちらが優れているというより、その日の気分で「リアル寄り」か「物語寄り」かを選び分けると、より楽しめる。
Q4. お酒が飲めない人でも『今日もうまい酒を飲んだ』は楽しめる?
アルコール自体を楽しむ話ではあるが、物語の中心にあるのは、人と人との関係や、仕事への向き合い方だ。泡盛の味や度数がわからなくても、蔵元の人々の誇りや、祝宴の場に込められた家族の思いにはきっと共感できる。お茶やノンアルコール飲料を片手に読んでもまったく問題ないし、むしろ「酔わずに酔っぱらいの世界を眺める」という別の楽しみ方ができるかもしれない。







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