病気の“予防”や“治療”だけでなく、日々の生活でウェルビーイングを高める科学が健康心理学だ。この記事では、Amazonで買える良書の中から、実際に読んで学びが定着したと感じた本を厳選して紹介する。基礎理論から医療現場の実践、学校・地域での健康教育まで、こころ・からだ・社会をつなぐ16冊だ。
- おすすめ本16選
- 1. 健康心理学事典
- 2. 心の健康教育(コミュニティ心理学シリーズ 第1巻)
- 3. 健康心理学・入門 − 健康なこころ・身体・社会づくり −(有斐閣アルマ)
- 4. 健康・医療心理学(保健と健康の心理学標準テキスト)
- 5. 健康心理学概論(健康心理学基礎シリーズ 1)
- 6. ポテンシャル健康・医療心理学(テキストライブラリ心理学のポテンシャル 9)
- 7. 公認心理師カリキュラム準拠 健康・医療心理学 第2版
- 8. よくわかる健康心理学(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)
- 9. 第16巻 健康・医療心理学(公認心理師の基礎と実践)
- 10. ベーシック健康心理学 − 臨床への招待 −
- 11. 健康・医療心理学:ウェルビーイングの心理学的支援のために(公認心理師の基本を学ぶテキスト 16)
- 12. ライフコースの健康心理学
- 13. 健康・医療心理学 入門 − 健康なこころ・身体・社会づくり(有斐閣アルマ Specialized)
- 14. 実践! 健康心理学:シナリオで学ぶ健康増進と疾病予防
- 15. 健康の心理学:心と身体の健康のために(ライブラリ実践のための心理学 6)
- 16. 健康心理学(野口 京子)
- 関連グッズ・サービス
- まとめ:今のあなたに合う一冊
- よくある質問(FAQ)
おすすめ本16選
1. 健康心理学事典
健康心理学の“地形図”。生活習慣、ストレス、行動変容、医療コミュニケーションなどの主要概念が網羅され、用語・理論・代表研究へのアクセスが速い。辞典形式だが小項目の解説が実務寄りで、保健指導や研究計画の出発点として機能する。調べ物のたびに開いては付箋が増えるタイプの一冊だ。
- 幅広いトピックを一望したい人
- 論文・報告書で確かな定義が必要な人
- 医療・産業・教育の横断応用を考える人
おすすめポイント:行動変容ステージ、ヘルスリテラシー、アドヒアランスなど、現場頻出キーワードの“正確な言い回し”がすぐ取れる。
2. 心の健康教育(コミュニティ心理学シリーズ 第1巻)
学校・地域・職域で“心の健康”を育てるための考え方と実践。一次予防から三次予防までの枠組み、授業・ワークショップ設計、地域連携の道筋が具体的だ。個人のケアに閉じず、環境調整やコミュニティづくりへ踏み込む視点が強み。
- スクールカウンセラー・養護教諭
- 自治体の健康増進・福祉担当
- 学校・地域でのプログラム化を急ぐ人
おすすめポイント:学級単位の「ストレス教育」セッション例がそのまま使える。学期の立ち上げに便利だ。
3. 健康心理学・入門 − 健康なこころ・身体・社会づくり −(有斐閣アルマ)
“個人×関係×社会”の三層で健康を設計する入門。健康行動理論、予防医学、社会的決定要因、医療者のコミュニケーションまで、大学初学者にも読みやすい。章末の思考課題を解くと、講義→実生活への橋渡しが自然に起きる。
- 健康心理学の全体像を短時間で掴みたい人
- レポート・卒論のテーマを探している学生
- 住民向け講座の骨格を作りたい担当者
おすすめポイント:健康格差と行動変容を同一地図上で捉えられるようになり、企画の“抜け”が減る。
4. 健康・医療心理学(保健と健康の心理学標準テキスト)
医療現場での心理支援を軸に、患者の意思決定、痛み、慢性疾患、緩和ケア、医療従事者のバーンアウトまで幅広くカバー。臨床寄りのケースと理論がバランス良く、医療・看護・リハ職の基盤固めに最適だ。
- 病院・クリニックで働く専門職
- 患者教育・アドヒアランス支援の担当者
- 実習前の医療コミュニケーションを学びたい学生
おすすめポイント:説明と同意、共有意思決定の“言い回し”例が実務でそのまま使える。
5. 健康心理学概論(健康心理学基礎シリーズ 1)
学派の歴史から最新の研究動向まで、理論の骨格を丁寧に整理。健康行動モデル、ストレス理論、介入研究の評価法など、研究者視点の“基礎体力”がつく。読み切ると、論文の読み解きが格段に楽になる。
- 大学院進学や研究職を志す人
- エビデンスレベルと限界を見極めたい人
- プログラム評価を設計したい人
おすすめポイント:サンプルサイズ計画・アウトカム設定の初歩が腹落ちする。実証研究の入口に最適。
6. ポテンシャル健康・医療心理学(テキストライブラリ心理学のポテンシャル 9)
“未開拓領域の可能性”に光を当てるシリーズ。ヘルスコミュニケーション、医療DX、セルフマネジメント支援など、新しい潮流を射程に入れている。未来志向で企画を考えるときの触媒になる。
- 医療×IT・地域連携の新規プロジェクト担当
- 研究テーマのフロンティアを探す人
- 学際的な視点で健康支援を設計したい人
おすすめポイント:既成の枠を超えた“組み合わせ”の発想が湧く。提案書づくりがはかどる。
7. 公認心理師カリキュラム準拠 健康・医療心理学 第2版
国家資格カリキュラムに合わせ、頻出論点を取りこぼしなく整理。多職種連携、倫理、医療面接、危機介入、終末期など、現場で遭遇しやすいテーマが一冊で俯瞰できる。試験対策だけでなく実務の“即戦力”として頼れる。
- 公認心理師受験生・養成課程の学生
- 医療領域に異動したばかりの心理職
- 多職種連携の基本を短時間で押さえたい人
おすすめポイント:章末要点のチェックリストが監査・教育用にも転用できる。
8. よくわかる健康心理学(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)
図表と具体例多めの“やさしい”入門。専門用語に怖さがある読者でも、生活とつなげながら読み進められる。講義前の予習や一般向け講演の素材集としても優秀だ。
- 健康心理学が初めての人
- 教養として基礎だけ押さえたい人
- 授業・研修の導入スライドを作る人
おすすめポイント:健康行動の代表理論が1テーマ1見開きでまとまっていて、配布資料づくりが速い。
9. 第16巻 健康・医療心理学(公認心理師の基礎と実践)
シリーズの中核。理論・制度・現場運用を“日本の医療文脈”に即して解説。復職支援、緩和ケア、家族支援、医療安全など、実務で役立つ章が多い。院内研修の指定図書に向く安定感だ。
- 病院・自治体・学校での心理職
- 現場導入に耐える標準テキストを探す人
- 学際チームの共通参照を作りたい人
おすすめポイント:各章の“導入・目的・評価”が明確で、プログラム設計の雛形になる。
10. ベーシック健康心理学 − 臨床への招待 −
臨床現場の“はじめの一歩”に寄り添う実践ガイド。アセスメント→目標設定→介入→フォローの流れが具体的で、初学者の迷子を防ぐ。症状と生活の両面を見る視点が身につく。
- 外来・病棟で働く新人心理職
- ケース検討の型を学びたい人
- 臨床実習前の準備をしたい学生
おすすめポイント:面接での“きき返し・要約”の例が豊富。臨床コミュニケーションの練習にも使える。
11. 健康・医療心理学:ウェルビーイングの心理学的支援のために(公認心理師の基本を学ぶテキスト 16)
ウェルビーイング志向で医療心理を再構成。症状軽減だけでなく、価値・強み・関係性を高める支援を重視する。臨床とポジティブ心理学の交差点を歩きたい人に刺さる内容だ。
- 慢性疾患の長期支援に関わる人
- 家族・ケアラー支援を設計したい人
- ポジティブ心理学の医療応用に関心がある人
おすすめポイント:強みベースの面接プロトコルが実践しやすい。
12. ライフコースの健康心理学
胎児期から老年期まで、発達段階ごとの健康課題を一冊で縦断。思春期のリスク行動、成人期の生活習慣、老年期のフレイル予防など、年代別のアプローチが明快だ。生涯発達の視点が入ると、支援計画の射程が伸びる。
- 母子保健・学校保健・高齢者支援の担当
- 年代別プログラム設計をしたい人
- 地域包括ケアに関心がある人
おすすめポイント:ライフイベントと健康指標の関係図が秀逸で、説明に使いやすい。
13. 健康・医療心理学 入門 − 健康なこころ・身体・社会づくり(有斐閣アルマ Specialized)
アルマ入門の発展編。基礎理論に加え、プログラム立案、評価、倫理まで“使える知識”へ押し広げる。卒論・実習・研修設計の現場感に強い。
- 入門を読み終え、次の一歩を探す人
- 評価指標を含む企画書を作る必要がある人
- 実習・フィールドワークに出る学生
おすすめポイント:ロジックモデルの作り方が丁寧。助成申請にも直結する。
14. 実践! 健康心理学:シナリオで学ぶ健康増進と疾病予防
ケースシナリオを読みながら、問診→仮説→介入→評価までを辿る“演習帳”。禁煙、減量、服薬アドヒアランス、ストレス対処など、現場頻出テーマで腕が上がる。多職種視点のコメントも学びになる。
- ロールプレイの素材を探している指導者
- 初学者のケースフォーミュレーション練習
- 新人教育・院内研修の教材
おすすめポイント:各シナリオに“つまずきポイント”が明示され、自己チェックが捗る。
15. 健康の心理学:心と身体の健康のために(ライブラリ実践のための心理学 6)
心理学の基本理論を足場に、睡眠・運動・食・人間関係・意味づけなど、生活全体を整える提案が続く。学術の堅さと日常の実用が自然に両立している。“暮らしの中の健康心理学”を実感できる。
- 自分や家族の生活を整えたい人
- 保健指導の会話ネタを増やしたい人
- 生活習慣の行動科学を学びたい人
おすすめポイント:行動の“きっかけ・容易さ・報酬”を整える小技が豊富。続けやすい。
16. 健康心理学(野口 京子)
健康心理学の重要テーマを、国内の文脈・事例を交えて分かりやすく解説。理論の理解と実践の橋渡しが丁寧で、授業テキストとしても読みやすい。章構成が整っており、独学でも迷いにくい。
- 日本の生活文化・医療制度を踏まえて学びたい人
- 授業・自主ゼミの基本テキストを探す人
- 初学者〜中級者の基盤固め
おすすめポイント:国内研究・制度の参照が多く、現場導入のイメージが湧きやすい。
関連グッズ・サービス
学びを生活に定着させるには、読書+ログ習慣+音声学習の組み合わせが効く。
- Kindle Unlimited ― 入門〜実践書を横断的に試し読み。通勤・就寝前の10分読書が続いた。
- Audible ― 行動科学・医療コミュニケーション系を耳で反復。患者説明の“言い回し”が自然に増える。
-
Kindle Paperwhite (16GB) 7インチディスプレイ、色調調節ライト、12週間持続バッテリー、広告なし、ブラック
― ハイライトとメモで保健指導スクリプトを蓄積。現場で即参照できる。
まとめ:今のあなたに合う一冊
健康心理学は「行動が変わる設計図」だ。基礎地図が欲しいなら『健康心理学事典』、授業・研修の導入なら『よくわかる健康心理学』、医療現場の実装なら『健康・医療心理学(標準テキスト/公認心理師準拠)』、地域・学校で広げるなら『心の健康教育』『実践! 健康心理学』が鉄板だ。
- 気分で選ぶなら:『健康の心理学』
- じっくり読みたいなら:『健康心理学概論』
- 短時間で実務に活かすなら:『実践! 健康心理学』
小さく始めて、続けて、振り返る――このループを回せば、こころも身体も確実に“上向きの習慣”へと変わる。
よくある質問(FAQ)
Q: 初心者はどれから読めばいい?
A: 全体像→実践の順が失敗しにくい。『健康心理学・入門(有斐閣アルマ)』『よくわかる健康心理学』で地図を掴み、『実践! 健康心理学』のシナリオを一つ回すと定着する。
Q: 医療現場で即使える本は?
A: 『健康・医療心理学(標準テキスト)』『公認心理師カリキュラム準拠 健康・医療心理学 第2版』『第16巻(公認心理師の基礎と実践)』が安定。説明と同意、共有意思決定、アドヒアランス支援の“現場言語”が得られる。
Q: 地域や学校でプログラムを組むコツは?
A: 『心の健康教育』の一次〜三次予防の枠と、『ライフコースの健康心理学』の年代視点を重ねる。ロジックモデルは『アルマSpecialized 入門』の章立てが参考になる。

















