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依存症おすすめ本25選|治し方・克服・回復を支える名著【アルコール・スマホ・ギャンブル依存まで】

 「もうやめたいのに、やめられない」。その背後には、意志の弱さではなく、脳と心の“報酬回路”が関わっている。 この記事では、Amazonで買える「依存症」関連のおすすめ本25選を紹介する。アルコール・薬物・スマホ・ギャンブル・セックス・人間関係――依存の形は違っても、根底にある「孤独」「不安」「快楽の追求」は共通している。  ここでは、依存症のメカニズムから回復・家族支援・社会とのつながりまでを体系的に学べる名著を厳選した。

第1部:依存症の“正体”を知る基本書5選

1. 依存症 (文春新書 108)

 

 

 日本の依存症研究の第一人者・松本俊彦による代表作。アルコール、薬物、ギャンブル、スマホ、セックスなど、さまざまな依存行動を横断的に解説している。  最大の特徴は、依存症を「病気」としてだけでなく、“生きづらさの表現”として描く姿勢だ。「やめられない」人は快楽を追っているのではなく、苦痛を和らげようとしているという視点が心に響く。  専門家だけでなく、当事者や家族にも寄り添う言葉が多く、依存症への偏見が確実に変わる一冊。

2. あなたもきっと依存症 「快と不安」の病 (文春新書 1304)

 

 

 一般読者向けに“やさしく書き直した”最新書。タイトル通り、「依存症は特別な人の病気ではない」。  SNSチェック、買い物、恋愛、ゲーム――私たちの日常行動の多くも依存的であることを、科学と臨床データで示している。  読みやすい文体の中に、ドーパミン系の報酬回路や、ストレス回避の心理が丁寧に解説されており、「誰もが依存と隣り合わせで生きている」ことを実感できる入門書。

3. ドーパミン中毒(新潮新書)

 

 

 世界的ベストセラー。スタンフォード大学の精神科医アンナ・レンブケが、脳科学の視点から「やめられない快楽のメカニズム」を解剖する。  SNS・ゲーム・ポルノ・買い物――あらゆる依存行動の共通項は、「快感と痛みのバランスが壊れること」。  現代社会の“過剰な報酬環境”をシステム的に説明し、読後には「脳を休ませる」ことの重要性を痛感する。  依存症を科学的に理解したいすべての人に、強く推奨したい。

4. インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学

 

 

 オンライン依存の本質を解き明かす話題書。映像刺激が脳の報酬系を“ハイジャック”する様子を、最新研究と当事者の語りで再現している。  「意志では止められない」のは、脳の回路が変化しているから――その事実を明快に説明。  スマホ・動画依存にも応用できる内容で、特に若年層の読者にとって“脳を守る知識”になる。

5. 依存症がわかる本 防ぐ、回復を促すためにできること (健康ライブラリー イラスト版)

 

 

 イラスト付きで、誰にでも読みやすい依存症の基礎解説書。  脳科学・心理療法・回復支援・家族ケアなどをバランス良くまとめ、「予防」と「回復」を両輪で扱っている。  特に、依存症者の家族が抱く“無力感”や“怒り”に触れた章は秀逸。  専門書を読む前にまずこれを読めば、依存症の全体像を理解できる。

第2部:依存症の心理と回復を学ぶ実践書5選

6. トラウマと依存症 脳に何が起きている? (アスクセレクション)

 

 

 依存症とトラウマの関係を、脳科学の視点から徹底的に解説した専門書。  著者は「依存行動の多くは“自己治療”として始まる」と指摘する。過去の虐待、いじめ、喪失体験などが脳のストレス応答系を変化させ、それが快楽刺激を求める回路につながるという。  PTSD・摂食障害・薬物依存など、トラウマとアディクションの共通基盤を解き明かす。  依存症を単なる“悪い習慣”ではなく、「痛みに耐えた脳のSOS」として理解できるようになる。

7. 家族ができる摂食障害の回復支援

 

 

 タイトルには「摂食障害」とあるが、家族による支援の考え方は依存症全般に応用できる。  焦点は、「どう接すればいいかわからない家族」の心を支えること。  怒る・泣く・説得する――そのどれもが逆効果になることを理解し、「見守る」「共に待つ」支援姿勢を身につけるための本。  CRAFT(Community Reinforcement and Family Training)などの行動分析的アプローチも紹介されており、家族の無力感を希望に変えてくれる。

8. 依存症の人を治療に向かわせる CRAFTの本: 家族としての“あり方”“接し方” (心のお医者さんに聞いてみよう)

 

 

 依存症治療の世界的定番モデル「CRAFT」を実践的に学べる本。  従来の「本人を説得する」「叱る」アプローチではなく、家族が自分の生活を守りながら“本人の変化を促す”具体的な方法を紹介している。  対話例やワークシートも豊富で、依存症本人だけでなく家族全体の回復を目的にしている点が特徴。  家族支援に関わる心理職・支援者にも必携の一冊。

9. 涙を食べて生きた日々 摂食障害――体重28.4kgからの生還

 

 

 当事者による回復体験記の中でも、特に多くの読者の心を動かした一冊。  拒食と過食を繰り返しながらも、家族・医師・仲間の支えを得て「食べること=生きること」を取り戻していく過程が率直に綴られている。  依存症の“回復とは何か”を理解するうえで、この本ほどリアルな教材はない。  理論書に疲れた人にこそ読んでほしい、“希望のノンフィクション”。

10. 家族の力で拒食を乗り越える ― 神経性やせ症の家族療法ガイド

 

 

 臨床心理士が家族療法の立場から書いた実践書。拒食症を例に、依存症の「共依存構造」を丁寧にほどいていく。  「本人の回復よりも、家族が変わることから始める」――この逆説的なメッセージが印象的だ。  家族の対応が“無意識のうちに依存を支えてしまう”メカニズムを可視化し、家庭内の信頼回復プロセスをわかりやすく示している。  心理療法・家族支援の現場で使える名著。

第3部:ジャンル別に学ぶ依存症の専門書10選

11. 薬物依存症 (ちくま新書)

 

 

 精神科医・松本俊彦による、日本の薬物依存臨床を支えてきた決定版。  薬物使用者を「犯罪者」として排除するのではなく、“苦しんでいる人間”として理解するという立場を貫く。  刑事司法・医療・社会復帰支援をめぐる制度的課題を俯瞰し、現場での回復支援の実際を豊富な事例で描く。  薬物依存=人生の崩壊ではなく、そこから“回復物語”を紡ぐことができるという希望に満ちた名著。

12. アルコール依存症治療ガイドライン

 

 

 臨床・地域支援の両方に活かせる「治療と社会復帰のマニュアル」。  断酒会・AA(アルコホーリクス・アノニマス)・認知行動療法など、国内外のエビデンスを踏まえた支援の全体像を提示している。  アルコール依存症の心理的特徴から、家族支援・再発防止プログラムまでを体系的にカバー。  医療従事者だけでなく、当事者・家族にも理解しやすく、**「お酒をやめたあと、どう生きるか」**にまで踏み込んだ稀有な一冊。

13. パチンコ依存症 パチンコを本気で辞めたくなった時に読む本

 

 

 ギャンブル依存の中でも特に多い「パチンコ依存」に焦点を当てた実践的な回復本。  依存のメカニズムを脳科学的に解説しつつ、具体的な脱却ステップを“体験談+ワーク形式”で紹介している。  行動習慣の修正だけでなく、「自分を責めないこと」「スリップ(再発)とどう付き合うか」も丁寧に扱う。  一般読者でもすぐ実践できる構成で、**「辞めたい気持ちを現実に変える」**サポートブックとして秀逸。

14. スマホゲーム依存症

 

 

 SNS・オンラインゲーム・動画視聴など、デジタル依存の最前線を扱った新世代の依存症本。  スマホの通知やリワードシステムが脳の報酬回路を刺激し、「いつのまにかやめられない状態」に至る仕組みを科学的に説明している。  子ども・若者・社会人別に対応策が整理されており、家庭や教育現場でも実践可能。  スマホ時代の依存リスクを“予防”から考えるための最良のテキスト。

15. セックス依存症 (幻冬舎新書)

 

 

 「性の快楽」に依存する心理を、臨床心理学・精神医学・社会文化の観点から多面的に捉えた一冊。  単なる性的逸脱の話ではなく、「孤独」「罪悪感」「愛着不全」などの背景を丁寧に掘り下げる。  依存症回復のプロセスを、恥と自己否定から“自己受容”への変化として描く点が深い。  恋愛・SNS・ポルノとの関連にも触れており、現代社会の「つながり依存」を理解するうえでも重要。

16. 依存症と人類 ― われわれはアルコール・薬物と共存できるのか

 

 

 文化人類学と神経科学を融合したユニークな依存論。  人類史的に見れば、アルコールや薬物は“敵”ではなく、社会儀礼や創造性を育む文化的ツールでもあった――という視点から、人と依存物質の共存関係を再考する。  単なる治療論ではなく、「依存=人間の宿命的特性」として理解する哲学的な深さがある。  社会全体で依存をどう包摂するかを考える人におすすめ。

17. 依存症臨床論

 

 

 心理臨床・精神医学・社会福祉の枠を超えて、依存症支援を体系化した専門書。  “治す”ではなく“回復を支える”という視点から、長期的な支援体制の構築法を示す。  医療機関・地域支援・自助グループがどう連携すべきかを具体的に論じ、依存症支援の「現場の教科書」ともいえる内容。  臨床心理士・公認心理師・社会福祉士など、専門職に必携。

18. 人はなぜ依存症になるのか ― 自己治療としてのアディクション

 

 

 依存を「心の痛みからの自己治療」として解釈する心理学の古典。  快楽や逃避ではなく、苦しみを軽減するために依存が生まれる――という概念を明快に示した。  過去の喪失体験やトラウマを癒す“代償行動”としての依存を理解できる。  カウンセリング・教育・家族支援など、どの分野にも応用可能な理論的名著。

19. ハームリダクションアプローチ ― やめさせようとしない依存症治療の実践

 

 

 欧米で主流の「ハームリダクション(害の最小化)」を日本語で本格的に解説。  “完全断絶”ではなく、“安全に付き合う”を目指す柔軟な依存症治療の形を紹介する。  薬物・アルコール・性的行動など、現実的な支援方針を立てるための実務書であり、政策提言としても価値が高い。  支援者の罪悪感を和らげ、“共に生きる”治療を実現するための理論書。

20. 本当の依存症の話をしよう ― ラットパークと薬物戦争

 

 

 世界的に話題となった社会実験「ラットパーク」を軸に、依存を「つながりの喪失」として描く一冊。  ネズミが孤立状態では薬物に溺れるが、仲間と暮らす環境では自然にやめる――この実験が示すのは、依存症の本質が「孤独」にあるということ。  社会的絆・コミュニティ・愛着の再構築を通じて人が回復していく道を描き、科学とヒューマニズムの両面から深く刺さる名著。

第4部:依存症からの回復とセルフケアを支える本5選

21. 「やめられない」を「やめる」本 ― 脱・依存脳への実践ワーク

 

 

 認知行動療法をベースに、依存的な行動パターンを自分で修正するためのセルフワーク本。  脳が“報酬を求めて暴走する仕組み”を理解し、トリガー(きっかけ)を断ち切る行動実験を提案する。  「感情の波を乗り越える」「空白を埋める」など、心の代替手段を見つけるステップも具体的で、臨床現場でも高評価。  まさに“依存症のセルフリカバリー・ハンドブック”。

22. 僕らはそれに抵抗できない ― 行動依存の心理と社会

 

 

 ギャンブル・スマホ・SNS・買い物など、現代型「行動依存」をテーマにした名著。  テクノロジーが人間の報酬系をどうハックしているかを、心理学とデータ分析で明快に示す。  「依存は意思の弱さではなく、社会設計の問題」という視点が新しい。  読後、自分の生活設計そのものを見直したくなる一冊。

摂食障害から回復するための8つの秘訣(星和書店)

 

 

 依存症の回復にも通じる“セルフケアの原則”を明快にまとめた一冊。著者は摂食障害当事者でもあり、臨床心理士としても多くの回復者を支援してきたキャロリン・コスティン。
 「否認を手放す」「支援を受け入れる」「小さな成功を積み重ねる」「思考と行動を分けて観察する」など、8つのステップが実践的に書かれている。
 内容は摂食障害に限らず、アルコール・ギャンブル・スマホ依存など、あらゆる“やめられない行動”に応用できる構成。
 回復とは、我慢や意志の強さではなく、〈自己受容とつながりの再構築〉だと気づかせてくれる。依存症当事者、家族、支援職すべてにとっての「希望の書」。

24. 依存症と回復、そして資本主義 ― 暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける

 

 

 現代社会の“消費中毒”を背景に、依存症を社会構造の問題として描いた思想書。  著者は、「依存とは資本主義が生み出した孤立の副産物」と指摘。  物質・情報・承認の過剰供給が人間の心を麻痺させる過程を、哲学と臨床の両面から考察する。  回復を“社会を変える行為”と捉える視点は、深く、そして痛烈だ。

25. 依存メンタルを力に変えるレッスン

 

 

 依存傾向を「弱さ」ではなく「才能」として見つめ直すポジティブ心理学的アプローチ。  「依存する人ほど、集中力と熱量を持つ」という逆転の発想から、エネルギーを健全な形で活かす方法を提案。  人間関係・仕事・創作活動など、依存の“質”を変えるワークも紹介されており、読後に前向きな気持ちが残る。  自己理解から始める“回復の心理学”として、幅広い層におすすめ。

関連グッズ・サービス

依存症の理解と回復には、本での学びに加えて、日常で実践できるツールや環境づくりが欠かせない。 知識を「読む」だけでなく「使う」ことで、依存からの回復を継続しやすくなる。

  • Kindle Unlimited ── 依存症やメンタルヘルス関連書籍は、Kindle Unlimitedで多数配信中。特に「依存症克服」「家族支援」「セルフケア」などのテーマ本を横断的に読むのに最適。 私も、夜に不安を感じたとき、Kindleアプリで専門家の言葉を読み返すだけで気持ちが落ち着くことがある。
  • Audible(オーディブル) ── 読む気力が出ない時期や通勤・散歩の時間に“聴く読書”が助けになる。 依存症体験記や心理療法のナラティブ作品など、感情に寄り添うタイトルが多く、孤独を和らげてくれる。 無料体験でも『ドーパミン中毒』『依存症がわかる本』などを聴けるのが魅力。
  • Kindle Paperwhite ── 明るさ・文字サイズを自由に調整できる電子書籍端末。 依存症回復の過程では、夜間の読書が支えになることも多い。 暗い部屋でも目に優しく、紙よりも落ち着いた読書環境をつくれるのが魅力。
  •  アロマディフューザー

     ── 不安や衝動に襲われたとき、香りで落ち着きを取り戻すのも有効。 ラベンダーやベルガモットなど鎮静効果の高い精油は、セルフケアの一環として心理療法でも用いられる。 就寝前のリラックスタイムにおすすめ。
  • 加重ブランケット ── 心のざわつきや不安を軽減する体感型セルフケアツール。 身体への適度な圧が安心感をもたらし、睡眠の質を高める効果も。 依存症回復期の“心を落ち着ける習慣”づくりに取り入れたいアイテム。

関連リンク

FAQ:依存症についてよくある質問

Q1. 依存症は「意志の弱さ」ではないの?

A. いいえ。依存症は脳の報酬系が変化する医学的・心理的な問題であり、意思だけで制御するのは難しいです。治療と支援が必要です。

Q2. 家族ができるサポートは?

A. まず「叱らない・説得しない・見守る」を基本に。CRAFTなど科学的支援法を学ぶことで、家族自身も消耗しない関わりができます。

Q3. 依存症は一生治らない?

A. 完治ではなく「回復(リカバリー)」という考え方が主流です。時間をかけて自分の生き方を再構築していくことで、再発リスクを下げられます。

Q4. どの本から読めばいい?

A. 一般理解からなら『依存症(文春新書)』、脳科学からなら『ドーパミン中毒』、家族支援からなら『CRAFTの本』、当事者なら『8つの秘訣』がおすすめ。

まとめ:依存症を「孤独の病」ではなく「つながりの回復」として理解する

 依存症とは、快楽の問題ではなく“つながりの断絶”の問題だ。  人は孤立すると、心を満たすために何かへ依存する。しかし、回復とは逆に――人と再びつながる力を取り戻すこと。  本記事で紹介した25冊は、その「心の再接続」を助けるための羅針盤になるはずだ。  自分を責めず、知識を持ち、共に回復を歩む。  それが依存症克服の第一歩である。

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症状や悩みは人それぞれだが、関連するテーマをあわせて読むことで理解が深まる。

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