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【乳幼児心理学おすすめ本】読んで良かった書籍25選【発達・親子関係・保育現場から学ぶ心の科学】

 赤ちゃんが世界をどう見ているのか、なぜ笑うのか、泣くのか、そしてどのように「他者」を理解していくのか――。  乳幼児心理学は、私たち人間の心の原点を探る学問だ。発達心理学の中でも最も生命力に満ちた分野であり、同時に「育つ」「育てる」双方の視点をつなぐ。

 本記事では、大学教材から保育現場の実践書、そして一般向けの名著まで、乳幼児心理学を体系的に学べるおすすめ書籍25冊を紹介する。  まずは、初学者にも読みやすく、親・教育者・学生のいずれにも響く代表的な5冊から。

初学者にも読みやすい、おすすめ入門本(11〜15)

1. よくわかる乳幼児心理学(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)

 

 

 発達の基礎理論を図解とエピソードでわかりやすくまとめた定番テキスト。  ピアジェ、エリクソン、ボウルビィなど主要理論を踏まえながら、乳幼児期における知的発達・感情発達・社会性の芽生えを丁寧に解説している。

 特に「模倣」「愛着」「自己制御」など、日々の保育や子育てに直結するテーマが豊富。  専門書にありがちな難解さを避け、親しみやすい語り口で“発達を感じ取る力”を育ててくれる。  大学の授業はもちろん、子育ての「なぜ?」を理論で整理したい保護者にもおすすめ。

  • 理論と実践のバランスが良く、入門書に最適
  • 「発達心理学の地図」として全体像を掴める
  • 保育士試験・教育心理系の資格学習にも役立つ

2. 新 乳幼児発達心理学〔第2版〕 子どもがわかる 好きになる

 

 

 タイトルの通り、“学問としての理解”と“子どもへの共感”を両立させた名著。  従来の発達理論に加え、最新の神経科学・認知心理学の成果を取り入れており、乳幼児の「こころの動き」をリアルに描く。

 著者は長年、保育現場で観察研究を行っており、実際の子どもの行動エピソードが豊富。  「泣く」「笑う」「じっと見る」――その一つひとつに意味があると気づかせてくれる。  読むうちに、子どもの“理解できない行動”が“発達のメッセージ”に変わる感覚を得られるだろう。

  • 発達心理学×脳科学の視点を融合
  • 理論が生きた言葉で語られる読みやすさ
  • 子どもの行動を「問題」ではなく「可能性」として捉える姿勢が印象的

3. 乳幼児のこころ ― 子育ち・子育ての発達心理学(有斐閣アルマ)

 

 

 子どもの「育ち」と大人の「育て」を相互に捉える、有斐閣アルマらしい良書。  「子どもは社会の中で育つ存在」という視点を基盤に、家族・保育者・地域との関係の中で心が形づくられるプロセスを探っていく。

 理論書でありながら、文体は柔らかく、人間関係を軸にした温かい分析が特徴。  “乳幼児のこころ”を「大人が作るもの」ではなく「関係のなかで共に育つもの」として描く姿勢は、多くの教育関係者から支持を得ている。

  • 「育てる」と「育つ」を統合的に理解できる
  • 発達心理学と教育実践の架け橋
  • 保育士・幼稚園教諭の研修用テキストとしても最適

4. 新・育ちあう乳幼児心理学 ― 保育実践とともに未来へ(有斐閣コンパクト)

 

 

 保育現場での実践を重視した、まさに“現場の声を反映した心理学”。  子どもの発達を観察する目の養い方、行動の裏にある心理を読み取る方法、保育者自身の感情との向き合い方など、実践に生きる内容が詰まっている。

 「観察は評価ではなく、共感の出発点である」というメッセージが貫かれており、単なる学術書を超えて“保育哲学書”のような趣もある。  現場に立つと迷いがちな「寄り添う」と「導く」のバランスを考え直すきっかけにもなる。

  • 実践心理学としての価値が高い
  • “保育する人の心”を支える心理学
  • フィールドワーク事例が多く、リアルな内容

5. 新 乳幼児発達心理学 ― もっと子どもがわかる 好きになる

 

 

 先ほどの『新 乳幼児発達心理学〔第2版〕』と並ぶ姉妹的存在。  特にこの新版では「発達を見る力」を鍛えることを目的に、乳幼児期の各ステージをエピソードで具体的に紹介している。

 「泣く」「投げる」「かんしゃくを起こす」など、親が戸惑う行動を心理的発達のサインとして読み解く構成。  また、コラムには子どもへの言葉かけ・環境づくりのヒントが満載で、“理論がすぐ使える”実践書としても優秀だ。

 読後、「理解することが支援の第一歩」であるという著者の言葉が深く残る。  子育てや保育の迷いが“温かい発見”に変わる一冊。

実験・観察・認知発達中心のおすすめ本(6〜10)

6. 乳幼児は世界をどう理解しているのか(ポプラ新書 248)

 

 

 「赤ちゃんは、世界をどう“見ている”のか?」という問いに真正面から挑む人気書。  心理学実験と神経科学の成果をもとに、言葉を持たない赤ちゃんの心の内側を丁寧に読み解く。  「見る」「聞く」「予測する」「共感する」といった認知プロセスを、赤ちゃんの実験映像や研究データを交えて解説する構成だ。

 単なる科学解説ではなく、「心は最初から社会的である」という視点が貫かれている。  赤ちゃんを“何も分からない存在”ではなく、“人を理解しようとする存在”として描く姿勢が深く胸を打つ。  育児や保育を、より尊い「対話」として捉え直したい人におすすめ。

  • 発達心理学×認知科学の代表的入門書
  • 赤ちゃんの知覚・推論・意図理解を実験的に学べる
  • 専門書にしては驚くほど読みやすい

7. エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学 ― 関係のなかでそだつ子どもたち

 

 

 実際の子どもの発達エピソードを軸に、心理学理論を「生きた形」で学べる一冊。  家庭や保育園で見られる行動を、愛着理論・情動発達・自己制御などの観点から解釈している。  「発達心理学の教科書」と「現場ノート」を融合した構成が特徴で、教育実習や実践研究の副読本としても最適だ。

 観察記録が豊富で、単なる理論暗記にとどまらず、“子どもの行動を見取る目”を育ててくれる。  「発達を見る」とは、変化の速さではなく「変化の方向」を見極めること――そのことを実感できる構成だ。

  • エピソード中心で読みやすく、実践にも直結
  • 心理学と保育学の橋渡しをしてくれる
  • 子どもへのまなざしが温かい

8. グラフィック乳幼児心理学(Graphic Text Book)

 

 

 発達理論や研究成果を視覚的に整理した、ビジュアル重視の教科書。  図・グラフ・写真が豊富で、「発達段階」「感情表現」「社会性の芽生え」などの複雑な概念をイメージで理解できる。  心理学の研究デザイン(観察・実験・質問紙)もやさしく紹介されており、実証研究の全体像をつかむのに役立つ。

 特に保育士養成校や短大で人気が高く、「理論書は苦手だけど、内容を体で覚えたい」という人にぴったり。  カラー図解で展開されるため、読んでいても“重くならない”のが嬉しい。

  • イラスト・図表が豊富で視覚的に理解できる
  • 心理学の実験・観察法を初めて学ぶ人に最適
  • 講義・試験対策にもそのまま使える構成

9. 乳幼児は世界をどう理解しているか ― 実験で読みとく赤ちゃんと幼児の心

 

 

 国内外の発達心理学研究を紹介しつつ、赤ちゃんの「知る力」と「感じる力」を科学的に探る。  「視線の動き」「期待違反法」「模倣行動」などの実験をわかりやすく説明し、赤ちゃんの思考をリアルに再現している。

 とくに、1歳未満の乳児がすでに「他者の意図」や「因果関係」を理解しているという研究結果は衝撃的。  親や保育者が子どもと関わる際の“まなざし”を根本から変えてくれる。  研究的にも教育的にも価値の高い一冊だ。

  • 「実験で見る発達心理学」の決定版
  • 乳幼児の認知・社会的理解の最新知見を紹介
  • 大学講義や卒論テーマ選定にも活用できる

10. 対人関係の発達心理学 ― 子どもたちの世界に近づく、とらえる

 

 

 乳幼児期の「人との関わり」を中心にした発達心理学書。  遊び・模倣・協力・葛藤・友情――それらを“社会性の発達”という観点で分析し、子どもが他者とどのように関係を築くのかを多角的に描いている。

 印象的なのは、「子どもは関わりの中で自己をつくる」という一貫したメッセージ。  観察記録が豊富で、保育者が“子どもの関係性を支える心理的環境”をどう整えるかを具体的に示している。  保育・教育の現場に立つ人なら一度は読んでおきたい名著。

  • 乳幼児の「他者理解」「協同行動」を理論的に整理
  • 発達心理・教育心理・社会心理の交差点的書籍
  • 観察研究の手法としても活用可能

保育・教育・臨床応用のおすすめ本(11〜15)

11. 乳幼児心理学(新保育ライブラリ 子どもを知る)

 

 

 「保育現場で出会う“子どもの不思議な行動”を心理学で理解する」ことを目的とした実践型テキスト。  乳幼児期の発達課題、感情表現、遊び、対人関係、自己形成をバランスよく扱っており、理論と保育実践をつなぐ構成が秀逸だ。

 特に優れているのは、観察・記録・振り返りのプロセスを「子どもの視点から」描いている点。  “行動の背景にある心の動き”を読み取る力を磨くのに最適で、保育士養成校・教育大学の標準教材としても使われている。

  • 現場と理論を橋渡しする実践的テキスト
  • 「子どもの行動観察」への心理的理解が深まる
  • 保育士・幼稚園教諭を目指す人の基礎書として定番

12. やさしく学べる乳幼児の発達心理学 ― 妊娠、出産から子育てまで

 

 

 妊娠期から乳幼児期までの「発達の連続性」を丁寧に追った入門書。  心理学に不慣れな読者でも読みやすいよう平易な文章で構成され、母子の絆形成・情動発達・社会性の芽生えをわかりやすく説明している。

 特徴は、“親の心理”にも焦点を当てている点。  産後の不安、育児ストレス、共感疲労など、子どもだけでなく大人側の心の動きをも扱う。  保護者・教育者の「支援する側の心理学」としても有用だ。

  • 妊娠期からの発達支援を体系的に理解できる
  • 「親と子の心理的相互作用」を描いた良書
  • 心理学初心者にもやさしい語り口

13. 子どもを「まもる」心理学 ― 健やかな育ち・ウェルビーイング・心と安全

 

 

 児童虐待やトラウマ、ストレス反応など、現代の子どもを取り巻くリスクに焦点を当てた本格派。  「守る」とは単に危険を避けることではなく、“心の安全基地”を作ることだという立場から、保育・教育・心理支援の方法を論じている。

 ウェルビーイング(心の健康)を重視し、レジリエンスやエンパワメントの概念を乳幼児発達に応用。  現場で「子どもの心を守りたい」と思うすべての人に読んでほしい。  社会心理学・臨床心理学の最新知見をまとめた現代的教科書でもある。

  • 「守る心理学」という独自の切り口
  • 発達とトラウマの関係をやさしく整理
  • 児童福祉・保育・スクールカウンセリング分野に最適

14. 乳幼児・児童の心理臨床(放送大学教材)

 

 

 心理臨床の基礎を体系的に学べる放送大学のテキスト。  心理支援の理論、遊戯療法・描画法・家族療法など、乳幼児期から児童期にかけての心理支援のプロセスを網羅している。

 特徴的なのは、支援者の「自己理解」と「関係構築力」に重きを置いている点。  乳幼児と向き合う際に必要な“非言語的共感”の重要性を強調し、臨床現場での実践にすぐ活かせる内容となっている。  保育士・臨床心理士・スクールカウンセラー志望者にとっての基礎書だ。

  • 心理臨床・カウンセリング技法を幅広く学べる
  • 観察・傾聴・共感のスキルを理論的に整理
  • 国家資格(公認心理師・臨床心理士)対策にも役立つ

15. 乳幼児の発達臨床心理学 ― 理論と現場をつなぐ

 

 

 乳幼児の心理支援を理論・実践・制度の3側面から整理した専門書。  発達支援・母子関係・早期介入・発達障害理解といったテーマを網羅し、「発達心理」と「臨床心理」を統合的に扱っている。

 エリクソン、ピアジェ、ウィニコットらの古典理論を土台に、現代日本の臨床実践に即した事例を紹介。  理論を“現場でどう使うか”という観点が一貫しており、心理支援職・教育職どちらにも有益だ。

  • 乳幼児期の支援に特化した臨床心理の専門書
  • 理論を実践的に翻訳する構成がわかりやすい
  • 発達障害・愛着障害の初期理解にも最適

発達診断・観察法・臨床心理中心のおすすめ本(16〜20)

16. 基礎乳幼児・学童心理学

 

 

 乳幼児期から学童期までの発達を一続きのプロセスとして理解できる総合テキスト。  「発達を線ではなく面でとらえる」という理念のもと、情動・知覚・言語・社会性の発達を縦断的に整理している。

 心理測定・観察法・発達診断なども平易に解説されており、大学初学者の教科書としても優秀。  章ごとのまとめが丁寧で、実践・研究・教育のどの方向に進む人にも“共通言語”を与えてくれる。

  • 発達心理学の基礎から学童期まで一貫して学べる
  • 観察・測定・支援を体系的に整理
  • 大学・短大の心理・教育系講義で定番

17. 乳幼児心理学を学ぶ 新版(有斐閣選書 657)

 

 

 発達心理学の伝統理論から現代の社会・文化的文脈まで、乳幼児心理を“思想として”捉え直す意欲的な一冊。  単なる知識のまとめではなく、研究史・観察法・理論的枠組みを深く掘り下げ、心理学の「考える力」を育てる。

 特に注目すべきは、「発達観の変遷」に焦点を当てている点。  ピアジェからヴィゴツキー、そして近年のナラティヴ心理学まで、発達理論がどう更新されてきたかを追体験できる。  “心理学の言葉で考える”練習になる本格派テキストだ。

  • 理論的な深さと実証的な精度を両立
  • 発達心理学の思想史を丁寧にたどる
  • 卒論・研究を意識する学生にも最適

18. 乳幼児の心理 ― コミュニケーションと自我の発達(コンパクト新心理学ライブラリ 8)

 

 

 「言葉を獲得する前の心」に焦点を当てた、独自の視点を持つ心理学書。  乳幼児の感情表現・表情認知・共同注意など、初期コミュニケーションを細やかに描き出している。  “ことば以前のやり取り”を科学的に理解したい人にぴったりだ。

 著者は発達心理学と精神分析の両方に通じており、赤ちゃんの「自我の芽生え」を社会的関係の中で捉え直す。  「見る」「触れる」「まなざしを返す」といった非言語的交流がどれほど豊かな意味を持つかを気づかせてくれる。

  • 言葉を持たない時期の“心の交流”を解明
  • コミュニケーション発達の研究に役立つ
  • 心理学・言語発達・臨床心理をつなぐ橋渡し書

19. 乳幼児観察入門 ― 早期母子関係の世界

 

 

 乳幼児心理を“観察”という方法から学ぶ、臨床心理学的な名著。  精神分析家エスター・ビックの観察法を基盤に、母子関係・情動交流・安心基地形成を実例で示す。  心理臨床・発達支援・保育のいずれの現場にも応用できる内容だ。

 この本の核心は「観察とは診断ではなく共感である」という思想。  数か月間の観察を通じて、子どもと親の心の変化を“目撃する”感覚を学べる。  静かな筆致ながら、読む者のまなざしを変える一冊。

  • 母子関係・情動発達の観察法を体系的に紹介
  • 心理臨床・保育士・医療職に広く有用
  • “見る力”を育てるための原点的テキスト

20. 乳幼児精神発達診断法(0才〜3才/3才〜7才)

 

 

 発達支援の基礎となる診断法を具体的に示した専門書。  乳幼児の行動観察・発達検査・発達段階表などを詳解し、医療・教育・心理分野での実践に役立つ。  国内で最も標準的な“早期発達診断の実務書”として知られる。

 心理学理論に基づきつつ、観察・面接・遊戯などの実施手順が豊富な写真付きで紹介されている。  「発達を測る」ことの限界と意義を両面から考えさせる内容で、専門職志望の学生にもおすすめだ。

  • 0〜7歳の発達段階を科学的に整理
  • 臨床・発達支援の実務書として信頼性が高い
  • 発達支援・療育・保健領域の基礎資料としても必読

研究・哲学的アプローチと未来への展望(21〜25)

21. 子どもの発達臨床心理

 

 

 発達心理と臨床心理を融合した、現代的な「子ども理解」のための実践書。  乳幼児期の情緒発達・対人関係・発達障害などを中心に、心理支援の最新理論をコンパクトにまとめている。

 特に優れているのは、発達障害や不登校など“発達のつまずき”を「異常」ではなく「多様な発達過程」として捉えている点。  心理支援を“成長の共演”と定義する筆致に温かさがある。  心理職を志す人はもちろん、保育・教育・福祉職にも有用な基本書。

  • 臨床心理・発達心理を統合的に理解できる
  • 発達障害・情動発達・支援実践を横断的に扱う
  • 子どもの「生きづらさ」を包括的にとらえる姿勢が秀逸

22. 発達心理学の新しいパラダイム ― 人間科学の「二人称的アプローチ」

 

 

 「観察する心理学」から「関わる心理学」へ――。  近年注目を集める“二人称的アプローチ”の視点から、乳幼児心理学の新しい研究枠組みを提唱する画期的な一冊。

 従来の心理学が「客観的な観察者」を前提にしていたのに対し、本書は「子どもと共にいる研究者」のまなざしを重視する。  赤ちゃんとの対話・共感・情動共鳴といった“関係性そのもの”を研究対象に据える哲学的姿勢が特徴だ。

 発達心理学を「データの科学」から「関係の科学」へと拡張する一冊。  研究者だけでなく、臨床・教育の現場にいる人にも刺激的な内容だ。

  • 発達心理学の新潮流を代表する理論書
  • “関係性をどう理解するか”を深く問う
  • 哲学・心理・教育を横断する学問的試み

23. たのしく学べる乳幼児の心理

 

 

 乳幼児心理学の基礎を、イラストや図表を多用して明るく学べる入門書。  「難しそう」と敬遠されがちな心理理論を、身近な例や会話形式でやさしく解説している。

 内容は平易ながら、発達段階・愛着理論・社会性・感情の理解までバランス良く網羅。  初学者や短大・専門学校の学生、あるいは子育て中の保護者にもおすすめできる。  “理論を怖がらずに好きになる”という本書の姿勢が好印象だ。

  • 発達理論を生活感覚で理解できる
  • ビジュアル・会話形式で心理学に親しめる
  • 心理学を初めて学ぶ層への入り口として最適

24. 学生のレポートに学ぶ保育の本質 ― 子どもの豊かな在り方に向き合う保育実践をめざして

 

 

 大学生のレポートを題材に、「保育とは何か」を問い直すユニークな一冊。  乳幼児心理学の理論を、学生の実習・観察・保育記録に重ね合わせることで、学びのプロセス自体を可視化している。

 学生が子どもと向き合い、悩み、成長する姿を通して、“保育者になる”とはどういうことかが見えてくる。  教育現場でのリフレクション(内省)教材としても秀逸で、心理教育・保育実践の橋渡しとなる書だ。

  • 学生のリアルな視点から保育の本質を描く
  • 心理学理論と実践記録の往復が刺激的
  • 教育実習・研修教材にも応用できる

25. 乳幼児のこころ ― 子育ち・子育ての発達心理学(有斐閣アルマ)

 

 

 乳幼児心理学の定番ロングセラー。  「子どもの発達」を“親と子の物語”として描き、学問的精度と人間的温かさを両立させた一冊。  赤ちゃんの世界の広がりを、社会的・文化的な背景とともに理解できる。

 感情、遊び、言語、社会性、自己形成――どれもが「関係性の中で育つ」という視点で統一されている。  理論書でありながら、読後に心が温かくなる。  まさに乳幼児心理学の「原点」といえる名著。

  • 発達心理学の名著として長く読み継がれる
  • 乳幼児の「心の成長」を温かく描写
  • 保育・教育・心理支援のあらゆる分野で必携

まとめ:乳幼児心理学を学ぶということ

 乳幼児心理学は、単に「子どもの発達を知る」学問ではない。  子どもを“理解しようとするまなざし”を養う、人間理解の学問だ。  この領域では、観察・関係・共感という三つの軸が常に重なっている。

 実験・観察・教育・臨床・哲学的思索――どのアプローチからでも、行き着く先は「子どもの心の尊厳」だ。  それを感じさせてくれるのが、今回紹介した25冊。  学ぶほどに、子どもと大人の世界がより豊かに響き合うことを実感できるだろう。

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