はじめに
ミクロ経済学は、消費者や企業といった個々の経済主体の行動と、市場の仕組みを理論的に解き明かす学問だ。需要と供給、効用、価格形成、独占や寡占、市場の失敗、情報の非対称性など、経済学を学ぶ上で避けて通れないテーマが詰まっている。適切な入門書や教科書を選ぶことで、抽象的な理論も理解しやすくなる。この記事では、実際に入手可能な日本語の書籍から、入門から応用までおすすめの10冊を厳選して紹介する。
おすすめ本10選
1. ミクロ経済学(奥野正寛/東京大学出版会)
大学の標準教科書として広く使われている定番。需要・供給モデルから始まり、厚生経済学やゲーム理論までを網羅的に扱う。理論を厳密に展開しつつも、例題や演習で理解を深めやすい構成だ。
経済学部生、理論をしっかり学びたい社会人に最適。特に独学で体系的に学びたい人には安心の一冊。
おすすめポイント:証明や補題の積み重ねで、理論の背後にある「なぜそうなるか」が見えてくる。読み込むほどに“学問としてのミクロ経済学”を実感できる。
2. ミクロ経済学Expressway(八田達夫/単行本)
理論だけでなく、読者の思考スタイルそのものを刺激するユニークな一冊。抽象モデルと日常の意思決定をリンクさせ、経済学的な考え方の面白さを実感させてくれる。
数式に苦手意識がある人や、理論と実生活を結びつけたい人におすすめ。教養的に読んでも十分楽しめる。
おすすめポイント:「経済学的に考える」とはどういうことかが腑に落ちる。読後、自分の思考習慣が変わったと実感できる人も多い。
3. 落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本(木暮太一/単行本)
数式を極力使わず、直感的に理解できるよう工夫された超入門書。身近な例を交えて需要・供給や効用の考え方を説明しており、経済学に初めて触れる人にも読みやすい。
高校生や文系の初学者、数学に抵抗感がある人に最適。
おすすめポイント:難解な数式に阻まれることなく、経済学の“面白さ”を体感できる。入門の最初の一冊として強く推奨できる。
4. 入門ミクロ経済学(中谷巌/単行本)
分かりやすい説明と体系的な章立てで、大学初年次の教科書として定評がある。市場均衡から厚生分析、政策論まで一通りカバーしている。
大学で経済学を学び始める人、全体像を俯瞰したい社会人におすすめ。
おすすめポイント:例題が丁寧で、自習にも向いている。通読後に他の専門書に進む足がかりとなる。
5. マンキュー経済学 I ミクロ編(N.グレゴリー・マンキュー/単行本)
世界中の大学で採用されている定番教科書。豊富な図表と具体例で、難しい理論を直感的に理解できる。日本語訳も分かりやすい。
基礎を確実に身につけたい初学者から、復習目的の社会人まで幅広く対応。
おすすめポイント:事例が豊富で飽きずに読める。章末問題も使いやすく、演習と併せて力がつく。
6. ミクロ経済学の力(神取道宏/日本評論社/単行本)
独特の語り口で理論を“考えさせる”形で展開する、読んでいて楽しい教科書。具体例と図解を用い、難しい概念もイメージしやすいよう工夫されている。
理論を覚えるだけでなく、自分で考えたい人に向く。
おすすめポイント:読後に「経済学的に考えることの面白さ」を実感できる。演習書と組み合わせると理解が飛躍的に深まる。
7. ミクロ経済学の第一歩〔新版〕(井堀利宏/単行本)
初学者向けに基礎を丁寧に解説した一冊。直感的な説明と簡潔な図解が特徴で、最短で全体像を掴むのに役立つ。
これから経済学を学ぶ大学生、短時間で基礎を固めたい人におすすめ。
おすすめポイント:短時間で読み切れる分量だが、主要論点を過不足なく押さえている。復習や再入門にも使える。
8. 大学の人気講義でよく分かる「ミクロ経済学」超入門(田中久稔/単行本)
大学の講義をベースに書かれた入門書。実際の授業のように、身近な例や会話調の解説が多く、読みやすいスタイルが特徴。
教科書を難しく感じた人や、気軽に経済学に触れたい人におすすめ。
おすすめポイント:経済学を“退屈な理論”ではなく“日常に生きる考え方”として体感できる。モチベーション維持に効果的。
9. 試験攻略入門塾 速習! ミクロ経済学(石川秀樹/単行本)
公務員試験や資格試験向けの速習テキスト。要点整理がコンパクトにまとまっており、演習問題も豊富。試験対策用の信頼できる教材として人気。
短期間で成果を出したい受験生におすすめ。
おすすめポイント:効率的に得点力を伸ばせる構成。復習に便利なポイント整理も秀逸。
10. 入門ミクロ経済学
複数の研究者が分担執筆した体系的な教科書。基礎から応用、政策論まで網羅しており、ゼミや大学院受験対策にも有効。
基礎を終え、応用力をつけたい大学生・院生におすすめ。
おすすめポイント:各章が独立しており、興味のあるテーマから読むこともできる。専門的だが、長く参照できる。
関連グッズ・サービス
ミクロ経済学を学ぶ際に役立つツールやサービスも併用すると効果的だ。
- Kindle Unlimited:複数の入門書を並行して読む際に便利。
- Audible:移動時間に入門書や教養書を耳で学べる。
- ノートアプリ(Notion、Obsidianなど):図解やモデルを整理して知識を体系化できる。
- 試験用問題集:学んだ理論を実際に解いて確認するための必須アイテム。
紙と電子を併用して、紙で数式や図をノートにまとめ、電子版で検索する方法も効率的だ。
まとめ:今のあなたに合う一冊
ミクロ経済学の本は、レベルや目的によって選ぶべきものが変わる。
- 気軽に入門したいなら → 『落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本』
- 体系的に基礎を固めたいなら → 『ミクロ経済学(奥野正寛)』
- 考える力を鍛えたいなら → 『ミクロ経済学の力』
- 試験対策を効率的にしたいなら → 『速習! ミクロ経済学』
まずは一冊読み通して土台を作り、その後に演習や応用書へ進むと、理解が飛躍的に深まる。ミクロ経済学は抽象的に見えるが、現実を理解する強力なレンズになるはずだ。



![入門ミクロ経済学 [原著第9版] 入門ミクロ経済学 [原著第9版]](https://m.media-amazon.com/images/I/41diLq75Q8L._SL500_.jpg)





