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【うつ病おすすめ本】読んでよかったベスト30選|体験・治療・セルフケア別/回復・再発防止・家族支援まで徹底ガイド

うつ病は、誰にでも起こりうる「こころの風邪」ではあるが、実際には風邪よりも深く、長いトンネルのような時間を伴う。私は家族がうつになったとき、どう声をかければいいのかわからず、自分自身もうつ状態に近づいた。そのとき支えになったのが「本」だった。この記事では、実際に読んで心が軽くなったと感じた、Amazonで買えるうつ病関連の本を厳選して紹介する。医学的理解から、家族支援、セルフケア、回復の実話までを網羅した。

 

 

おすすめ本1-5【医療・家族の理解編】

1. 家族が「うつ」になって、不安なときに読む本

うつ病を抱える家族に「どう寄り添えばいいか」を具体的に教えてくれる本。医師でも専門家でもなく、家族としてできる支援に焦点を当てている。症状への理解だけでなく、声かけや日常生活でのサポート方法、本人のプライドや孤立感への配慮までが丁寧にまとめられている。医療監修もしっかりしており、誤解や過干渉を避ける実践知が詰まっている。

刺さる読者像:パートナー・親・子どもなど、うつ病を抱える人の近くにいる家族。

おすすめポイント:読むと「支える側も支えられていい」と思える。焦りや不安をやわらげる言葉が多く、初期段階の家族に必読の一冊。私はこの本をきっかけに、「治す」ではなく「共に過ごす」ことの意味を理解できた。

2. あなたの「しんどい」をほぐす本

 

 

「がんばりすぎて、しんどい」という人に寄り添う癒し系の自己理解書。臨床心理士の著者が、ストレスやうつ状態に陥りやすい人の「思考のクセ」をやさしい言葉で解きほぐす。専門的すぎず、日常生活の中で「今できること」から回復を促す構成が秀逸。絵やイラストも多く、読むだけで呼吸が整っていくような安心感がある。

刺さる読者像:病院に行くほどではないが、気持ちが沈みがちな人/軽いうつ傾向を感じている人。

おすすめポイント:専門書というより、“心の休息本”。心理学の知見が土台にありながらも押しつけがましくなく、「こうすべき」ではなく「こうしてもいいんだ」と優しく語りかける。寝る前に読むと心が静まる不思議な一冊。

3. これだけは知っておきたいうつ病 ココロの健康シリーズ

 

 

医療情報を網羅しながらも読みやすい決定版。うつ病の種類、診断基準、治療法、薬物療法、副作用、再発予防などをコンパクトに整理。特に「病気のサインを見逃さない」ためのチェックリストが秀逸で、早期発見・早期治療の重要性を理解できる。最新のDSM-5や抗うつ薬情報にも対応しており、家族・当事者双方に向いている。

刺さる読者像:初めて「うつ病」と診断された人、または医師の説明をもっと理解したい家族。

おすすめポイント:病院で聞けなかった疑問に答えてくれる。イラスト付きで難しい用語をやさしく解説しており、初心者向けの医療リテラシー入門書として最適。手元に置いて繰り返し読みたい一冊だ。

4. 「うつ病」の再発を防ぐ本: 家族と本人が知っておくべき予防法 (心のお医者さんに聞いてみよう)

 

 

再発率が高いといわれるうつ病において、回復後の過ごし方をテーマにした貴重な書。治療を終えた後に訪れる“空白期間”をどう生きるか、本人と家族の両視点から描かれている。生活リズムの安定、職場復帰、ストレス対処など、再燃を防ぐための心理的セルフモニタリング法も紹介されている。

刺さる読者像:回復期を迎えた本人や支える家族/職場復帰を目指す人。

おすすめポイント:再発を「失敗」とせず、「うまく休む力」として再定義してくれる。経験に基づいた医師の語り口が温かく、現実的なアドバイスが多い。安心感と実践性のバランスが取れた名著。

5. 家族のためのうつ病: 知っておきたい 声のかけ方、支え方 (別冊NHKきょうの健康)

 

 

テレビ番組「NHKきょうの健康」で特集された内容をベースに、専門医と家族の声をまとめた実用書。本人にどんな言葉をかけるべきか、どんなタイミングで受診を促すか、支える家族が疲弊しないための工夫など、実生活で役立つヒントが豊富。イラストや図も多く、短時間でエッセンスを掴める。

刺さる読者像:家族としてどう対応すればいいか分からない人、言葉選びに悩む人。

おすすめポイント:医療・メディアの信頼性が高く、安心して読める。実際の家族の声が載っているため、「自分だけが悩んでいるわけじゃない」と感じられる。家庭での支援の教科書といえる一冊。

おすすめ本6-10【当事者・体験エッセイ編】

6. こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳

 

 

うつ・不安を和らげるための「認知行動療法(CBT)」を自習形式で実践できるワークブック。臨床心理士の大野裕氏が監修し、思考の偏りを見つめ直すための記入式シートが豊富に掲載されている。読みながら書くことで、ネガティブな思考に客観的な距離を取れる構成だ。

刺さる読者像:再発を防ぎたい人、薬と並行してセルフケアを行いたい人。

おすすめポイント:単なる理論解説ではなく、「今この瞬間からできる」ワークが中心。書くたびに自分の考えを整理できる感覚があり、治療の補助としても優秀。私自身、落ち込みが続いたときにこのノートを使い、“考え方を変える力”が少しずつ戻ってきた実感がある。

7. 復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らず、うつを治す方法」を聞いてみました

 

 

薬物療法だけに頼らず、生活習慣・認知の癖・身体ケアを整えることでうつを改善した事例を紹介する。著者は実際に復職支援に携わる心療内科医で、ストレス社会における“再発しない回復”のための生活設計を提案している。呼吸・食事・睡眠・対話の整え方が具体的で実践しやすい。

刺さる読者像:長引くうつ・薬の減量を考えている人・再発に不安を抱える人。

おすすめポイント:薬を否定せず、あくまで「併用の知恵」として位置づけている点が誠実。医師の現場経験と患者の声が両方収録されており、説得力がある。自分を責めず、自然な回復を目指したい人におすすめ。

8. イラストでわかる シーン別 うつの人にはこう見えている

 

 

職場・家庭・友人関係など、うつ病の人が「世界をどう感じているか」をイラストで可視化した一冊。周囲から見る「何もしていない人」が、実際はどんなエネルギーを使って日常を乗り越えているのかが、絵と言葉でリアルに伝わる。コミュニケーションの誤解や「励ましの逆効果」についても丁寧に描かれている。

刺さる読者像:うつ病の人を支援する家族・同僚・友人、または当事者自身。

おすすめポイント:文章よりも心に届く図解表現。感覚過敏・集中困難・感情の鈍麻など、言葉にしづらい感覚を視覚的に共有できる。読後には「相手を理解する」ことの大切さを実感できる、教育現場にも推奨の良書。

9. 新版 入門 うつ病のことがよくわかる本 (健康ライブラリー イラスト版)

 

 

健康ライブラリーの定番シリーズ。診断・治療・薬・社会復帰の流れを網羅しつつ、イラストでわかりやすくまとめている。特に、回復の段階を「冬から春への季節の変化」として描く比喩が秀逸で、読者の不安を自然に和らげてくれる。最新の治療ガイドラインにも対応しており、信頼性が高い。

刺さる読者像:初めてうつと診断された人、基礎から学びたい家族。

おすすめポイント:医学的な正確さと温かさを両立。専門用語を避けたやさしい語り口で、病院の待合室に置いてほしい一冊。短時間で全体像をつかみたい人に理想的だ。

10. 今のわたしになるまで~うつと向き合った1年間の記録

 

 

著者本人が一年間の闘病を綴った実録エッセイ。診断を受けてから回復までの心の揺れ、服薬への不安、孤立と支援、そして「再び笑えた瞬間」までが、日記形式で描かれている。文章に飾り気がなく、うつの「時間の重さ」や「小さな前進」がリアルに伝わる。

刺さる読者像:同じように闘病中の当事者、自分の変化を記録したい人。

おすすめポイント:読む人の立場を問わず、自然と涙が出る。励ましではなく共感で支える本。小さな進歩を「それでいい」と肯定する力がある。回復の実感を持ちにくい時期にこそ読んでほしい。

おすすめ本11-15【治療・回復・再発防止編】

11. うつやめ 15年間うつだった薬剤師のボクが2か月でうつ病をやめた方法

 

 

15年間うつを抱え続けた薬剤師が、仕事・家庭・医療との関わりの中で「回復の鍵」を見つけた体験記。タイトルこそ刺激的だが、中身は極めて現実的。薬・運動・思考・食事・人間関係といった要素を地道に整える過程を、試行錯誤の記録として描く。SNSで共感を呼び、多くの当事者に希望を与えた話題作だ。

刺さる読者像:長期的なうつに苦しんでいる人、治療を続けても変化を感じられない人。

おすすめポイント:著者が医療従事者であるため、科学的根拠と実体験の両立が強み。決して「奇跡」ではなく、「少しずつ動く」ことの積み重ねの大切さを教えてくれる。読むほどに、自分にも再び“日常”が戻る気がしてくる。

12. マンガでわかる!うつの人が見ている世界

 

 

イラストを通して、うつ病の人がどんな世界を見ているのかをリアルに体験できる一冊。感情が鈍くなる、光や音がつらい、会話が入ってこない――そんな状態を視覚的に表現し、周囲の誤解を解く。心理士の監修つきで、症状説明から回復支援まで体系的に学べる。

刺さる読者像:うつ病の本人・支援者・職場関係者。視覚的に理解したい人。

おすすめポイント:イラストの力で「共感」を超えた“追体験”ができる。専門書を読む前の導入にも最適で、家族や職場への理解啓発ツールとしても役立つ。温かさとリアルが同居する構成。

13. 心の病になった人とその家族が最初に読む本

 

 

うつ病をはじめ、さまざまな精神疾患を家族がどう支えるかをわかりやすくまとめた本。特徴は「家族が病気を理解しながら、共倒れしない方法」に重点を置いている点。ストレスケア、支援機関の活用、本人への言葉かけまで具体的に説明。支援者と家族の「心の距離の保ち方」にも踏み込む。

刺さる読者像:うつ病の家族を支える人、長期介護・共倒れを防ぎたい人。

おすすめポイント:家族支援の専門家が書いており、エビデンスに基づく。「支える側が壊れない支援」がテーマで、読後に安心感が残る。家庭でのケアの現実を真正面から描いた名著。

14. うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 【電子書籍限定 フルカラーバージョン】 (角川書店単行本)

 

 

うつを経験した芸能人・作家・一般人など、十数名の「回復ストーリー」をまとめた漫画ルポ。田中圭一氏のユーモラスな筆致が、重いテーマを優しさと笑いで包む。「抜けた」瞬間を描くのではなく、「抜けるまでのプロセス」を丁寧に描くため、読者の回復段階に寄り添う構成だ。

刺さる読者像:自分だけが苦しいと感じている人、回復のイメージが持てない人。

おすすめポイント:読みやすく、ページをめくるたびに涙と笑いが交錯する。多様な回復モデルがあることを教えてくれ、「完治」よりも「共に生きる」視点をもたらす。SNS世代にも支持され続けるロングセラー。

15. 精神科医が教える 笑顔うつから抜け出す方法

 

 

「笑っているのに苦しい」――そんな“笑顔うつ”に焦点を当てた実用書。表面的には明るく元気に見えるが、内面は限界に近い人たちの特徴を分析し、回復に向けた思考整理・休息の取り方を具体的に指南する。精神科医による解説がわかりやすく、自己評価の低さ・罪悪感などを心理学的に解きほぐす。

刺さる読者像:職場・家庭で常に“良い人”を演じて疲れ果てた人、隠れうつに気づきたい人。

おすすめポイント:タイトルに反して内容は温かく、読後に涙が出る。自分を許す練習ができる一冊。診断を受けていない「未病」層にこそ読んでほしい。

おすすめ本16-20【精神科医・心理学・最新治療・科学編】

16. 穏やかに生きる術 うつ病を経験した精神科医が教える、人生の悩みを消す練習帳

 

 

うつを経験した精神科医が、回復後の“穏やかさ”をどう取り戻したのかを語るセルフケア本。単なる治療論ではなく、人生観そのものを整える内容で、マインドフルネス・認知療法・自己受容などが融合している。著者自身が患者としての苦悩を経ているため、言葉にリアルな温度がある。

刺さる読者像:治療を続けながら、今後どう生きるか模索している人。

おすすめポイント:読むと肩の力が抜ける。精神科医の語る「ゆるやかに生きる」ための習慣が日常に取り入れやすく、再発予防にも有効。理屈ではなく“体験から生まれた知恵”として心に残る。

17. うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと

 

 

20代をうつで失いかけた著者が、自分の生活を再設計して立ち直るまでのドキュメント。SNSで多くの共感を集めた“リアルうつ回復記”として話題になった。投薬・運動・食事・環境・人間関係をどう変えていったかが具体的で、同世代の読者に刺さる内容。

刺さる読者像:若年層のうつ経験者、仕事・進路・人間関係に悩む社会人。

おすすめポイント:現代的なライフスタイルに即しており、ストイックではない。特に「うつに向き合うときのSNSとの距離の取り方」が秀逸。誰もが共感できる“再生の現実”が詰まっている。

18. 誰でもみんなうつになる 私のプチうつ脱出ガイド (コミックエッセイ)

 

 

著者自身が経験した軽いうつ(プチうつ)を、コミックエッセイで軽やかに描く。深刻な症状でなくても「何もしたくない」「気力がわかない」という人に寄り添い、日常の工夫や心の持ち方を具体的に提案。家事・仕事・人間関係を少しずつ回復させる“生活再建”のヒントが満載。

刺さる読者像:落ち込みや気分の波がある人、軽症うつや適応障害の人。

おすすめポイント:難しい理論なしで読める、やさしい癒し本。明るいタッチのイラストとユーモアで、“うつでも生きていい”という感覚を自然に受け入れられる。軽症段階でのセルフケア入門として理想的。

19. 患者のための最新医学 うつ病 改訂版

 

 

医療現場の最前線で活躍する精神科医チームによる、うつ病の総合解説書。症状・診断・治療薬・最新研究など、医学的な正確さと実用性が両立している。家族や支援者が医療機関を選ぶ際にも役立ち、セカンドオピニオンを考えるときの基準にもなる。

刺さる読者像:正しい医学的知識を持ちたい人、治療方針を理解したい家族。

おすすめポイント:テレビ・雑誌で流れる断片的な情報を整理し、「自分で理解して決める医療」を支援する構成。薬と心理療法のバランスを取る指針が具体的で、専門家も推薦する信頼の一冊。

20. なかなか治らない難治性のうつ病を治す本 (健康ライブラリーイラスト版)

 

 

治療を続けても回復しにくい「難治性うつ」に焦点を当てた実践ガイド。最新の医学知見を踏まえつつ、脳・ホルモン・生活リズム・社会的要因を統合的に解説している。慢性化したうつへのアプローチとして、薬物調整と心理療法の連携、運動療法・光療法・リズム療法なども紹介。

刺さる読者像:長期的にうつ治療を続けている人、改善の糸口を探している人。

おすすめポイント:希望を失いかけた人に、“まだできることがある”と伝えてくれる。専門書でありながら平易で、イラストを交えた構成。医師・家族・当事者の橋渡しとなる貴重な一冊だ。

おすすめ本21-25【食事・生活・最新理論・回復エッセイ編】

21. うつ病の人に言っていいこと・いけないこと (健康ライブラリー イラスト版)

 

 

家族や職場の人が「励ましの言葉」で逆に傷つけてしまう理由を丁寧に解説する本。うつ病の人がどんな心理状態にあるのかを理解した上で、かけるべき言葉と避けるべき言葉を具体的に紹介している。イラスト付きでわかりやすく、コミュニケーションの“すれ違い”を減らす実践書。

刺さる読者像:家族・同僚・支援者など、うつ病の人と日常的に関わる人。

おすすめポイント:実際に家族が「何を言ったらいいのか分からない」と悩んでいたときに、この本が救いになった。相手を変えるのではなく、“聴く姿勢”を変えるだけで関係が楽になることを実感できる。

22. 当事者・家族のためのわかりやすいうつ病治療ガイド

 

 

専門医が監修した、治療・薬・心理療法・リハビリまでをまとめた“うつ治療の地図”。難しい用語を排し、治療の流れを「診断→治療→回復→社会復帰」の4段階で説明。家族ができる支援、主治医との付き合い方、再発防止のチェックリストも充実している。

刺さる読者像:診断を受けた直後の人、これから治療を始める家族。

おすすめポイント:正確でありながら温かい。治療を「医者に任せるもの」ではなく「一緒に進めるもの」と再定義している。初期段階で読んでおくと安心感が全く違う。

23. うつ病の名医が教える 心と体が元気になるレシピ (TJMOOK)

 

 

管理栄養士と精神科医が監修した、うつ病回復期のための食事実用書。脳と腸の関係に着目し、セロトニン・鉄・ビタミンB群など、心を支える栄養素を食事から摂る方法を紹介。写真入りレシピが豊富で、料理が苦手な人でも手軽に試せる。

刺さる読者像:食欲が落ちている人、栄養とメンタルの関係を知りたい人。

おすすめポイント:読むだけで食べたくなる。栄養の知識が“生きる力”に直結していることを実感できる。うつの食事療法をやさしく生活に落とし込める一冊だ。

24. 名医が答える! うつ病 治療大全 (健康ライブラリー)

 

 

医療現場での最新治療・薬の比較・心理療法の選び方などを網羅した総合リファレンス。特に、抗うつ薬の作用機序や副作用をやさしく解説しており、医師との対話に役立つ。Q&A形式で構成されており、読みやすく信頼度が高い。

刺さる読者像:医師の説明だけでは不安な人、自分でも治療内容を理解したい人。

おすすめポイント:医療監修つきのため情報が正確。治療の「見通し」を持てるようになることで、焦りが減り安心感が増す。患者・家族の両方に推奨される一冊。

25. うつ病の人の気持ちがわかる本 (こころライブラリー イラスト版)

 

 

「なぜうつ病の人は自分を責め続けるのか」「なぜ元気に見えるのに辛いのか」を、当事者の声を交えて説明する。医師・心理士・患者が共同で執筆しており、臨床的にも信頼性が高い。家族・友人が“理解者”になるための基礎書として定評がある。

刺さる読者像:周囲にうつ病の人がいるが、どう接すればいいか分からない人。

おすすめポイント:感情の動きが丁寧に描かれていて、「うつの人は怠けている」という誤解が消える。共感と科学のバランスが絶妙。読んだあと、人への優しさが自然と生まれる。

26. うつ逃げ ~うつになったので全力で逃げてみた話~ (コミックエッセイ)

 

 

「逃げてもいい」をテーマにしたコミックエッセイ。著者自身がうつで会社を辞め、“全力で休む”ことを選んだ経験を描く。仕事を失った罪悪感と、休む勇気を持つまでのプロセスが、笑いと涙で綴られている。SNSでも「読んで救われた」と反響が大きい。

刺さる読者像:働きすぎて限界を感じている人、退職・休職に迷っている人。

おすすめポイント:休むことへの罪悪感を取り除く力がある。「逃げる=生き延びる」ことだと気づかせてくれる。絵のタッチが柔らかく、重いテーマを軽やかに受け止められる。

27. 軽症うつ病 (講談社現代新書 1289)

 

 

近年増えている“軽症うつ”に焦点を当てた名著。重症化する前の段階での対処法を、精神医学と社会心理学の両面から整理している。職場ストレスや燃え尽き、過剰な責任感などを背景にした新しいタイプのうつを、具体的な症例で解説。

刺さる読者像:働きすぎ・完璧主義・まじめすぎる人。

おすすめポイント:現代社会での“生きづらさ”を医学的に読み解く。うつを「異常」ではなく「警告」として受け止める視点を持てる。特にビジネスパーソンに強くおすすめ。

28. うつ病は重症でも2週間で治る、もし……: 「つらい生き方」をやめる心理学

 

 

臨床心理士が提案する「思考の転換」を軸にした心理学的アプローチ。タイトルは挑発的だが、内容は“即効性のあるセルフケア法”に焦点を当てている。認知行動療法とマインドフルネスを融合させ、短期間で変化を実感できるワークが多い。

刺さる読者像:うつ治療中の人、心理療法に興味がある人。

おすすめポイント:読むだけでなく「やってみる」本。小さな成功体験が積み重なり、自己効力感が回復する。心理療法のエッセンスをやさしく日常化した実用書だ。

29. 対人関係療法でなおす うつ病 病気の理解から対処法、ケアのポイントまで

 

 

うつ病治療で注目される「対人関係療法(IPT)」の日本版実践書。人間関係のストレスを原因とするタイプのうつを中心に、問題解決・感情整理・支援関係の作り方を体系的に解説。臨床家の実例が豊富で、再発防止のカウンセリングモデルとしても有効。

刺さる読者像:人間関係が原因で落ち込みやすい人、職場や家族との関係改善をしたい人。

おすすめポイント:認知療法よりも「人との関わり方」を重視する点が特徴。カウンセリングや心理職を目指す人にも役立つ。関係の再構築がうつ回復の鍵であることを理解できる。

30. うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 (文春文庫)

 

 

将棋棋士・先崎学による壮絶な闘病記。天才ゆえのプレッシャー、孤独、そして「思考の病」としてのうつを赤裸々に綴る。復帰までの葛藤と家族・仲間の支えが描かれ、芸術的な文体でありながら真に人間的な作品。文学的価値も高い。

刺さる読者像:うつを抱えながらも仕事や創作を続けている人、表現者。

おすすめポイント:苦しみを“言葉”に変えることで救われることを教えてくれる。読み終えたあと静かに涙が出る。プロフェッショナルが弱さを語る勇気が、読む人の心を支える。

関連グッズ・サービス

本を読むことはうつ病の理解やセルフケアの第一歩だが、日々の生活の中で回復を支える“仕組み”を整えることも大切だ。ここでは、心と体を穏やかに保つために役立ったサービス・アイテムを紹介する。

  • Kindle Unlimited ── 気分が落ちて集中できない時期こそ、紙よりも軽い電子書籍が助けになる。寝る前や通勤中に気軽に読める心理・セルフケア本が豊富。私は落ち込みが強いとき、ベッドの中で短い章だけ読むようにしていた。
  • Audible ── 活字を読む気力がないとき、耳で聴く読書は想像以上に救いになる。うつやメンタルヘルス関連のタイトルが多数あり、散歩中に聴くだけでも気分転換になる。声のトーンがやさしく、孤独感がやわらぐ。
  •  

     Kindle Paperwhite 

    ── 明るすぎる光や紙の重さがしんどいとき、Kindle端末は目に優しく読書できる。照明を落とした夜でもストレスを感じにくく、ページをめくる動作も軽い。小さな積み重ねが「読む習慣」を支えてくれる。
  • 加重ブランケット

     ── 不安や不眠に悩む人に人気のセルフケアアイテム。体にかかる“適度な圧”が神経を落ち着かせ、睡眠の質を高めてくれる。私自身、入眠が安定せず悩んでいた時期に導入したら、朝のだるさが軽くなった。
  • アロマディフューザー 

     ── 精神科医も推奨する「香りによるセルフケア」。ラベンダーやベルガモットなど副交感神経を整える香りが、気分の浮き沈みに寄り添う。仕事後の休息時間に取り入れると心が落ち着く。

 

 

 

 

まとめ:今のあなたに合う一冊

うつ病の本は、医療、心理、食事、暮らし、そして人の優しさまでをつなぐ世界だ。どの本も「あなたを変えるため」ではなく、「あなたを守るため」に書かれている。今の自分に必要な一冊を、焦らず選んでほしい。

  • 気分で選ぶなら:『あなたの「しんどい」をほぐす本』
  • 専門的に学びたいなら:『患者のための最新医学 うつ病 改訂版』
  • 共感で救われたいなら:『うつヌケ』
  • 暮らしを整えたいなら:『うつ消しごはん』
  • 家族として支えたいなら:『家族のためのうつ病』

うつを「治す」よりも、「共に生きる」視点を持てたとき、回復のプロセスは始まっている。 ページを閉じるころ、少しだけ光を感じられる──そんな本が、あなたのそばにありますように。

よくある質問(FAQ)

Q: うつ病の本は、どの段階で読むのがいい?

A: 診断前でも、軽い落ち込みを感じるときでも構わない。特に『あなたの「しんどい」をほぐす本』や『こころが晴れるノート』のような入門書は、治療前の自己理解に役立つ。

Q: 家族として、うつの人にどう接したらいい?

A: 無理に励まさず、「頑張らなくていい」「一緒に休もう」と伝えるのが基本。『家族が「うつ」になって、不安なときに読む本』は、最初のガイドとして最適だ。

Q: 薬を飲みたくないけど、どうすればいい?

A: 医師と相談しながら、薬物療法+認知行動療法や生活改善を併用するのが現実的。『復職後再発率ゼロの心療内科の先生に聞いた~』などはそのバランスを学べる。

Q: 食事でうつは改善できる?

A: 科学的にも、鉄・タンパク質・ビタミンB群などが心の安定に関与している。『うつ消しごはん』『心と体が元気になるレシピ』は医師・栄養士監修で実践的だ。

Q: Kindle UnlimitedAudibleで読めるうつ病関連本はある?

A: 多くのコミックエッセイ・健康ライブラリー系が対象。紙で読む気力がないときは、聴く読書や電子で“負担を減らす”ことが回復の第一歩になる。

関連記事:心の悩みに寄り添うおすすめ本

症状や悩みは人それぞれだが、関連するテーマをあわせて読むことで理解が深まる。

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