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【ジャイアントキリング】サッカー漫画の新境地「GIANT KILLING」を紹介、ネタバレあり!監督と選手、サポーターの全てを包み込んだ大傑作!

ジャイアントキリングはこんなサッカー漫画!

 

GIANT KILLING

 

 

いつの時代をサッカー漫画や野球漫画は、少年や青年の心を鷲掴みにしてきました。古くは「キャプテン翼」や「ドカベン」、「巨人の星」など名作を挙げたらキリがないほどです。しかし、これらに影響を受けたスポーツ漫画はある種、壁にぶつかったのも事実です。現実では到底不可能なプレイを作品にするのは、漫画だから”是”とする声もあれば、だからいつまで経っても子供向けから脱却できないという、ある種冷めた声もあります。

 

新しい「スポーツ漫画」

何より、「キャプテン翼」以降のサッカー漫画は、基本としてサッカー大好きな主人公が必死になって頑張り頂点を目指す! そこに同級生などの仲間との友情、ライバルとの死闘など王道パターンを繰り返すだけで、ここが限界だと穿ったサッカー漫画大好きファンは感じたものです。

そこに颯爽と登場したのが、「ジャイアントキリング」(「モーニング」で絶賛連載中)です。このタイトルだけで、サッカー好きならちょっと違うと感じた程です。タイトルからして、大番狂わせや弱小チームが強豪チームを叩く意味で、これまでのサッカー漫画全般に対する作者・ツジトモ氏からの挑戦に思えてなりません。

 

大人向けの超極上フットボール

一言で言うなら「大人向けの超極上フットボール!」、監督目線で試合を体験できる刺激的な作品となります。一つのプレイの裏側には、こんな意図や裏話があったのかと、思うわず納得できてしまう連続です。だから、派手で颯爽としたプレイはあまり登場しないので、退屈に感じる人も多少なりともいるかも知れないですが、それが現在単行本は50巻まで発売されています。

これは「キャプテン翼」ですら、設定や舞台を変更しないと作品を維持する事が出来なかった事を考慮すると、驚異の連載記録となります。日本のサッカー漫画の金字塔とも言える作品「ジャイアントキリング」を読まないで、日本サッカーはもちろんサッカー好きも語れないのです。

 

大まかなあらすじ

 

GIANT KILLING

伝説のサッカー選手、達海猛

偉大なる日本代表で圧倒的な活躍をした伝説の選手で、この漫画の主人公でもある達海猛。元々はETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)の花形選手でもあったが、足の怪我を理由にチームを去り、その後はイギリスのアマチュアクラブで監督をしているという、かつての地元ファンや関係者にとっては信じられない境遇でした。しかし、当の達海本人はそんな状況を楽しんでいます。誰にも邪魔されず、日本からのバッシングなども無関係で、純粋にサッカーと向き合える環境は今では懐かしく思えるほどです。

 

弱小チームの監督に

そんな達海がイギリスを離れて日本に舞い戻り、それも弱小チームになってしまったETUの監督に就任し、立て直すのがこの漫画の基本ストーリーです。チームが勢い付くとそこにはかつての達海のような、若き才能豊富な選手が日本代表へと上り詰めて、同じように活躍をしていく選手が椿大介です。この二人がジャイアントキリングを作り上げ、監督目線と選手目線で感情が入れ違うのと、それがシンクロする時に更なる高みへと導いてくれます。

 

登場人物は個性豊かなこんな人達!

GIANT KILLING

達海 猛

主人公であり、元日本代表であり現在はかつて所属したETUの監督。口数は決して多くなく、練習やミーティングでも途中までは意図が分からない説明が多いが、最後の一言で締めるのは見事! 試合を的確に分析する能力、選手の見極め、選手交代の采配が絶妙で、これは達海マジックと呼べるほど。

 

椿 大介

達海本人がきっと、現役時代の自身に最も近いと認める若き才能豊富な二十歳の選手。ポジションは中盤だが、爆発的な走力と的確なパス能力、時折見せるシュートもセンス良さが感じられる。作品初期は、まだプロ意識が低く自分に自信がない。しかし、話が進むにつれてETUだけでなく日本代表でも中心的な活躍を見せるようになりエースの花森、代表監督のブランにまで一目置かれる存在になる。

 

夏木 陽太郎

ETUのフォワードでチームの大事な柱。陽気で明るいのが売りだが、サッカーにはかなりストイックで、椿と同じく日本代表に選出される実力を持ち合わせている。大人しく自信がない椿を支える良き兄貴という面もあり、それが試合中に見せるアクロバットで派手なゴールに関係しているかも?

 

ジーノ

ETUの司令塔であり、天才肌の名選手。泥臭いプレイは苦手というか本人の美意識に反するのでしょう。しかし、大事な場面ではチームプレイに徹するところもあり、そこが女性ファンには堪らない魅力でもあります。フリーキックも上手い。

 

永田 有里

圧倒的な男性キャラばかりの中で、貴重な女性がETUを支えるスタッフである永田有里。達海にズバズバと意見を言えるが、その反面で恋心を抱いているフシもある。今後の展開に期待されるが、物語が日本代表中心になると出番が少なくなるのが残念。

 

窪田 晴彦

大阪ガンナーズの中心選手で、その圧巻のプレイはなぜかライバルの椿と意気投合し、日本代表でも良いコンビとなる。物語序盤はまったく登場しないが、日本代表編では重要な役割を持つ。椿同様にちょっと抜けている性格だが、海外志向が強くプロ意識はとても高い。それが椿に良い刺激を与える。

 

ジャン=ピエール・ブラン

現在の日本代表監督。フランス出身で、戦術などはどことなく達海を思わせる点がある。しかし、若手を重要視しベテラン勢や海外組に発破をかけ、チームをまとめるのは見事。独特の寂しい頭髪と背が低い姿は、お茶目な印象を与えもするが、意外に頑固で方針は曲げない。

 

ジャイアントキリングはとにかく登場人物が多いので、それぞれを紹介するのは不可能なレベルです。サッカー漫画は通常、各チームのエース級だけが突出しているが、そこはリアルサッカー漫画を標榜しているだけあり、守備的な選手やサイドの選手も個性があります。

 

おすすめポイント! ここに注意すると更に面白い!

GIANT KILLING

サッカーに関係する裏話が満載

クラブ編、日本代表編が大きな柱で物語は進行しますが、合間には選手とサポーターや、チームを支えるスタッフの活躍等々、サッカーに関係する裏話が満載なのもジャイアントキリングの醍醐味です。また、達海によるサッカー観やそれぞれのチーム毎の戦術が嵌まっていく様子なども、実に面白いです。

達海のサッカー哲学に共感し、ETUが段々と成長し試合でも結果が伴う。観客も増えていき、サポーターも熱狂し、街にもかつての賑わいが戻ってくる。そして、チームの若きエースにも成長した椿が、達海の予想よりも早いペースで飛躍していく様は、これこそサッカー漫画なんだと熱くなるほどです。

 

監督目線、ファン目線でも描かれている

これまでのスポーツ漫画で、監督目線はおろか、ファンや街全体が盛り上げる過程を描いた作品は記憶にありません。これが「ジャイアントキリング」が熱狂的に支持された最大の要因です。一つのスーパープレイを描くのは、ある意味でとても簡単なのかも知れません。ライバルチーム同士が決勝で、逆転に次ぐ逆転を繰り返すのも、漫画としては正しい方法でしょう。

でも、現実離れした作品を描く先に、一体何が残るのでしょう。泥臭い根性論でもなく、ある種冷酷なサッカー理論も満載ですが、それが受け入れられたのはリアルなサッカー漫画としての意地があるからと思えてなりません。

 

リアルな「サッカー漫画」

初期の達海は、イギリスで監督をしていて、そこから日本に舞い戻ります。イギリスは当然ながらフットボール発祥の地で、そこで地元ファンに認められビールを飲み干す姿にこそ、この物語の最後を迎える際に作者が求める姿が表現されています。

 

各巻毎の感想&紹介

1巻:達海ETUの監督に

GIANT KILLING(1) (モーニングコミックス)

達海がイギリスから舞い戻り、ETUの立て直しに入ります。チームに馴染めず悪戦苦闘、こんな始まりのサッカー漫画があるのだと衝撃を受け、今後の展開が気になりました。

 

2巻:達海の手腕が試されるETU初戦

GIANT KILLING(2) (モーニングコミックス)

反発する選手、それも想定内の監督・達海の手腕が試される大事な初戦が始まります。まだまだ粗さが残るが、遂に試合が始まり、ETUはどうなる!


3巻:リーグ本格始動

GIANT KILLING(3) (モーニングコミックス)

リーグが本格に始まる前、達海監督には策があるのか? 不安も過ぎるが、チームが成長しているのも感じる。このどっちつかずが、サッカーそのものだ。

 

4巻:まさかの連敗

GIANT KILLING(4) (モーニングコミックス)

遂にリーグ戦が開幕するが、何と連敗続き。こんなサッカー漫画はあるの? この先の連載は大丈夫と、本気で心配になったものです。

 

5巻:椿の台頭

GIANT KILLING(5) (モーニングコミックス)

だんだんともう一人の主役である椿が頭角を出してきます。何より達海の手腕が冴えわたる。クールな姿にも脱帽。

 

6巻:サポーターにも活気

GIANT KILLING(6) (モーニングコミックス)

ETUの勝利で街やサポーターも活気が出る。そこに満を持して、フォワード夏木が復帰をするが、今と違って髪が短い。これが読み返して、一番強烈な印象です。


7巻:ジャイアントキリングのひな型が完成

GIANT KILLING(7) (モーニングコミックス)

この辺りから、現在のジャイアントキリングのひな型が完成しつつあります。日本代表監督のブランも登場し、さらにETUと大阪ガンナーズとの試合など読み応え十分。


8巻:大阪ガンナーズの窪田登場

GIANT KILLING(8) (モーニングコミックス)

早い段階から登場したジャイアントキリングの影の名プレーヤー、大阪ガンナーズの窪田が躍動する。そして、対峙する椿の胸中はどうなる?


9巻:激戦のクライマックス

GIANT KILLING(9) (モーニングコミックス)

表紙がサッカー漫画とは思えないセンスで、これまで監督の喜ぶポーズをここまで表現した漫画があったでしょうか? 達海のトレードマークと化したM-65に黒ネクタイ、黒パンツはちょっと真似したくなります。肝心の中身は、ジャイアントキリングの10巻までの最大クライマックスと断言できるほどです。


10巻:激戦の終わりに

GIANT KILLING(10) (モーニングコミックス)

激戦勝利後の余韻、緊張感の欠如ともいうべき点を描いています。この辺りの、本当のスポーツ経験者でしか分からない点を作品化できるのが、作者の力量が突出している証拠です。


11巻:初の雨天試合

GIANT KILLING(11) (モーニングコミックス)

初の雨天試合に挑むETUの面々。悪天候ならではの試合展開、相手も強敵の川崎で、否が応でも試合は盛り上がります。


12巻:ダービー

GIANT KILLING(12) (モーニングコミックス)

まさか、サッカー漫画でダービーまで再現するとはと、驚きを感じたのが12巻です。サッカー観が違う同士の東京ヴィクトリーとETUのぶつかり合いは、どんな展開になるのか?


13巻:オールスター始まり

GIANT KILLING(13) (モーニングコミックス)

オールスターが始まり、ちょっと雰囲気が良くなり、全体としては息抜き感があります。各チームの主力が集まる場所で、それぞれの選手の立ち位置がはっきりします。


14巻:サッカー界の裏話が満載

GIANT KILLING(14) (モーニングコミックス)

オールスター終了後には、ETUも暫しのオフとなりますが、静かに終わらないのがETUの面々です。あの選手が移籍するの? などサッカー界の裏話が満載の内容です。ぜひ、一読あれ!


15巻:達海の現役時代

GIANT KILLING(15) (モーニングコミックス)

ジャイアントキリングファンの皆さまお待たせ! 遂に、達海の現役時代のプレーが作品となっています。若き日の達海は何を感じ、何が限界だったのか? ちょっと複雑にも感じますが、読み応えはあります。


16巻:ETUを選手として去る経緯

GIANT KILLING(16) (モーニングコミックス)

ETUを選手として去る経緯達海のプレーは華があり、だからファンを惹きつける。しかし、諸刃の剣でもあり、限界もある。それは、読者の人生にも訴えるものがあります。ETUを選手として去る経緯が丁寧に書かれ、だからこそ劇的な監督復活とはいかずに強い抵抗があったのだと納得しました。

 

17巻:ETUのキャンプ編

GIANT KILLING(17) (モーニングコミックス)

ETUのキャンプ編です。本番さながらの激しい練習で、それぞれの選手が思う所は? 番外編でもありながら、熱量の高さが感じられる意欲ストーリーです。ETUの面々が好きなら、必読の内容です。

 

18巻:目立つ活躍がなかった選手にもスポット

GIANT KILLING(18) (モーニングコミックス)

リーグ後半戦も始まり、これまで目立つ活躍がなかった選手にもスポットライトが当たっていきます。サッカーは11人のスポーツなんだと、読後に改めて思い直したものです。

 

19巻:正念場を迎えるリーグ戦

GIANT KILLING(19) (モーニングコミックス)

またもや雨天決戦。ETUは雨に強いのか! それとも正念場を迎えるリーグ戦で奮起するのは、当然あの選手なのでした。

 

20巻:山形の策士な監督

GIANT KILLING(20) (モーニングコミックス)

ジャイアントキリングはやっぱり、監督漫画として超一流なんだと思わせる中身です。ETUと対戦する山形の監督は、達海以上の策士です。どう対応するのか?


21巻:監督の采配がリアルに伝わる

GIANT KILLING(21) (モーニングコミックス)

監督の采配が勝負を分けると痛感した一巻になり、これぞ真剣勝負の緊張感なんだと感じたものです。達海は、相手に合わせてさらに采配を振るう事ができますが、同時に合わせてしまう点もあるのでは、と思ったものです。

 

22巻:チームを支えるスポンサー

GIANT KILLING(22) (モーニングコミックス)

サッカーが巨大ビジネスなのは周知の事実で、リアルを追求するジャイアントキリングではいつかは登場しないといけないのが、チームを支えるスポンサーの存在です。ちょっと、ドロドロした展開もありますが、これもサッカー漫画が描かなければいけない姿です。


23巻:川崎との熱戦再び

GIANT KILLING(23) (モーニングコミックス)

川崎との熱戦再びと、そこにETUのスポンサーも登場し、達海の心境も複雑か? 否、最も心配しているのはスタッフ連中で、もしスポンサーが撤退すれば弱小ETUはどうなる?

 

24巻:サポーターの団結

GIANT KILLING(24) (モーニングコミックス)

熱心なファンも、一歩間違うと敵対心を主張するサポーターになってしまう。そんな試合とは違う、アナザーストーリーも読みごたえたっぷりなのがジャイアントキリングたる所以です。分断したETUのサポーターは、また昔のような関係に戻れるのか?


25巻:サポーターとの複雑な関係

達海は良くも悪くもサッカーを理解している。だからこそ、その方針や考えについてこれないケースもある。それは選手だけでなく、サポーターであるから問題は複雑になったのでした。

 

26巻:ビッグクラブとの差

 

GIANT KILLING(26) (モーニングコミックス)

ETUは達海が監督になり、椿も台頭するなど、以前とは見違える活躍ぶりだが、それでもリーグのビッグクラブになった訳ではない。そんな事を思い知らされる千葉との試合です。


27巻:椿がU-22五輪最終予選代表に

GIANT KILLING(27) (モーニングコミックス)

U-22五輪最終予選代表に椿が選出され、ここから達海と同等程度に活躍ぶりが描かれていくようになります。椿はその後、日本代表でも常連となるので、それを踏まえると急成長ぶりには脱帽です。

 

28巻:椿覚醒

GIANT KILLING(28) (モーニングコミックス)

U-22での椿覚醒と、そこには能天気な窪田が隣にいる事も好影響となっています。通常のETUとの試合とは違い、注目度が高まる場で落ち着いて試合が出来るのか? その舞台を見守るのは達海やチームメイトだけでなく、日本代表監督の姿もあり、急展開を迎える事になったのです。

 

29巻:ETUスランプ

 

GIANT KILLING(29) (モーニング KC)

覚醒した椿が、リーグ戦に持ち帰ってきたものは? 若き選手が急成長を遂げるが、一方のクラブチームはスランプの真っただ中で、監督達海ですら匙を投げたくなる始末と大不調。


30巻:現役復帰宣言

 

GIANT KILLING(30) (モーニングコミックス)

この展開もサッカー漫画初でしょうね。監督である達海が、連敗続きのチームのカンフル剤として誰もが驚き現役復帰宣言! その結末もまた意外で、個人的には最も泣かせる話の一つです。


31巻:キャプテンシー

GIANT KILLING(31) (モーニングコミックス)

チームの統一、そして時には監督ですらサッカーという大きな壁の前では無力と化すのが、ジャイアントキリングの醍醐味の一つなのですが、今回は真逆でもあるキャプテンシーをテーマにしています。これも意欲作として、サッカーだけでなくスポーツファンには考えさせられる内容になっています。


32巻:往年のサッカー漫画の様な展開

GIANT KILLING(32) (モーニングコミックス)

打って変わって、今度は往年のサッカー漫画の様な展開となります。スーパーゴールも飛び出し、遂にお前が決めたかー! と全ETUファンも熱狂でしょう。テレビで試合観戦するより、熱いサッカー漫画がここにあります。


33巻:またしてもあの男が

GIANT KILLING(33) (モーニングコミックス)

リーグ戦だけで、ここまで激しい試合とその描写を出し切って良いのかと、作者に心配をしたくなるほどの迫力が一層磨きを出しています。そして、思いがけないゴールを決めるのも、またしてもあの男でやっぱり持っている男は違うと、大声を出すほどです。


34巻:椿のライバル

GIANT KILLING(34) (モーニング KC)

再度、椿のライバルでもある窪田が所属する大阪との一騎打ちとなります。大阪と東京の大都市同士の頂上決戦は、実際のJリーグでは東京チームが弱く不可能になっているので、漫画が現実を超越した瞬間でもあります。

 

35巻:首位チームの底力

GIANT KILLING(35) (モーニングコミックス)

大阪の猛攻は首位チームの意地や底力を思わせる迫力があり、これはETUにはまだ備わっていない要素です。追う者と追われる者では、追われる者が優勢とする声が多いが、片やサッカーではそれが当て嵌まらなのでと感じさせました。世界の強豪チームは、長い歴史があるのでいつの時代も常に強い。そんな事を感じつつ、しかしETUには達海と椿、そして点取り屋がいる今や強豪キラーになったのだ。


36巻:日本代表監督のブラン

GIANT KILLING(36) (モーニングコミックス)

ジャイアントキリングが達海の手を離れる瞬間が近付いていると、個人的に感じた瞬間です。チームが成長をすると、監督よりも選手が評価され大舞台に羽ばたくのはフットボールの常識です。監督の飛躍より、現役選手は何倍も評価や称賛が高まり、日本代表や海外チームへと飛び立っていきます。それが椿なのは必然で、隣にいるのは達海ではなく日本代表監督のブランになります。

 

37巻:日本代表による海外勢との試合

GIANT KILLING(37) (モーニングコミックス)

ETUでは監督も選手もサポーターも認める椿ですが、日本代表では単なる期待の若手の一人です。主力は海外組で、そのプレーにビビりまくる椿に「何をしている」と声の一つも掛けたくなりますが、その怯む気持ちも理解できると思わず納得します。ジャイアントキリング初の、日本代表による海外勢との試合もあります。


38巻:南米の強豪ウルグアイ

GIANT KILLING(38) (モーニングコミックス)

日本代表第二戦は、南米の強豪ウルグアイ。ここで活躍をしなければ、椿も単なる一サッカー選手として現役が終わるでしょう。しかし、残念ながらベンチスタートの椿。チャンスは回ってくるのが、静かな闘志が虎視眈々と出番を待っています。

 

39巻:椿のプレーに脱帽

GIANT KILLING(39) (モーニングコミックス)

ウルグアイが強いのは、想定内。日本代表が終始圧倒され、ブランが動く。そこには、椿が遂にデビューをする瞬間が! 達海に教わったこれまでの経緯が開花する時がきた。日本中のサッカーファンが、椿のプレーに脱帽する瞬間だ。

 

40巻:現実主義のサッカー漫画と改めて実感

GIANT KILLING(40) (モーニング KC)

日本代表の試合が終わると、国内リーグ戦のスケールダウンは否めないが、これを忠実に日程通りに再現するのがジャイアントキリングたるものです。他の作者なら、何かと理由をつけて代表試合を中心にすると思うが、それをしないのが現実主義のサッカー漫画なんだと、改めて実感。

 

41巻:移籍選手と因縁の試合

GIANT KILLING(41) (モーニング KC)

サッカーで想定できる全ての場面を、漫画化したジャイアントキリングだが、まだ書けるテーマがある事に驚きです。今度はかつてのチームメイトで移籍をした選手が所属する相手と、ある意味の因縁試合となります。かつての仲間がライバルとなると、こんなに危険な相手はいないのです。

 

42巻:サポーターの団結

GIANT KILLING(42) (モーニングコミックス)

再びサポーターに焦点が当てられますが、今度は中身が違います。かつては、サポーター同士も、そしてETUともギクシャクしていた関係が、今では大勢のファンに祝福されています。この強い後押しを得て、相手は東京ダービー! これが盛り上がらないジャイアントキリングではないのです。

 

43巻:エースとなる名選手

GIANT KILLING(43) (モーニング KC)

ジャイアントキリングでは、エースとなる名選手が多く登場します。椿もその一人ですが、ジーノ、窪田、花森…。ですが、一番印象に残るのは怪我が常につきまとう持田ではないでしょうか? 誰よりも強気で、そして実力もある。しかし、怪我がサッカー選手として致命的になる。そんな持田が所属するのがダービーの相手である東京ヴィクトリー。

 

44巻:さらに熱い展開が

GIANT KILLING(44) (モーニング KC)

達海が就任して、確実に強くなっているETUだが、相手も強豪となると楽して勝てない。相手に持田がいれば、それは尚更なのに試合は劇的な展開へと進みます。日本代表よりもさらに、熱い展開が待っているとは誰が予想できたでしょう。

 

45巻:ダービーが面白い

 

GIANT KILLING(45) (モーニング KC)

作者はイギリスから物語を始めただけあって、ダービーに対する思いが半端ではないです。単なるリーグ戦の一試合を、なぜここまで魅せる必要があるのか本当に考えてしまいました。凡庸レベルの作者なら、こんな展開はジャイアントキリングが完結する最後の大舞台までとっておきます。それを惜しげもなく出し尽くし、これ以上の極上サッカー漫画を今後も書き続けれるのか心配です。

 

46巻:アジアカップ

GIANT KILLING(46) (モーニング KC)

日本代表編が再開され、そこには当然椿が参加します。舞台はアジアカップ、ワールドカップ前としてこれ以上に盛り上がる大会もないです。見逃せない試合が続出となります。

 

47巻:サッカー選手としてのプライド

 

GIANT KILLING(47) (モーニング KC)

代表に選ばれた椿にも各国相手に負けられない意地があります。それは、他の選手も同じで練習からヒートアップし、サッカー選手としてのプライドが出ています。達海やETU選手の出番が少ないのは残念ですが、物語が進むと仕方がないのです。

 

48巻:強硬采配のブラン

GIANT KILLING(48) (モーニング KC)

主力選手をベンチスタートと、達海以上の強硬采配の日本代表監督ブラン。試合が勝てば文句はないが、もし負けたらどうなるのか、と冷や冷やしながら熟読しました。

 

49巻:日本代表のエース・花森と融合

GIANT KILLING(49) (モーニング KC)

日本代表のエース・花森と融合するのは、若きスター候補の椿と窪田。この三人が融合する事で、漫画版「新ビッグ3」が誕生した記念すべき瞬間です。互いのサッカー観が一致しているので、コンビネーション次第で大化けも可能な三人です。

 

50巻:UAE戦

 

GIANT KILLING(50) (モーニング KC)

2019年2月時点での最新刊です。初掲載されたのが2007年なので、足掛け12年で目出度く50巻にまで漕ぎ付けました。中身ですが、アジアカップの相手はUAEで、日本は苦しい試合展開となります。相手エースは、日本が弱いと拍子抜けをしているほどで、今後の奮起に期待が高まっています。

 

まとめ

ジャイアントキリングの大まかなあらすじや感想を紹介しました。感想よりも中身案内の比重が高いですが、そこには一人ひとりがこの作品に直接触れて感じてほしい思いがあります。これまでのサッカー漫画では、ジャイアントキリングに太刀打ちできないですし、ライバル視できるものもないです。突如変異で出現した、本当にサッカー漫画のメッシのような宇宙人が中に入っているのでは、と疑いたくなるレベルです。この作品だけ突出しているので、後に次ぐ作品が今後も何かと比較をされ、逆に気苦労で大変苦労するだろうと余計な心配をしているほどです。

 

専門書のような面も十分にあり、単純な試合展開だけを希望する読者には、ちょっと重苦しい面も有るかも知れません。でも、小説や推理物など、普段は漫画やスポーツ物を手に付けない人にこそ、本来は読んでいただきたい作品であると力説します。

 

GIANT KILLING

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