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どれも面白い!人気女性作家のおすすめ本

今回ご紹介したいのは日本の女性作家の本です。

物語の主人公も全て女性です。有名な本を揃えたので読んだことがある人も多いかもしれませんが、単純にすごく好きな本を三冊揃えたので、もし皆様の興味に引っかかればぜひとも読んで欲しいです。

 

「キッチン」

 

キッチン (角川文庫)

吉本ばなな

 主人公のみかげは最後の肉親であった祖母をなくします。ゆっくり彼女を蝕んでいく孤独の中で、祖母と仲の良かった雄一とその母の暮らす家に身を寄せることになります。

ここがおすすめ

 この物語は主人公のみかげがどうやって孤独に折り合いをつけて生きて行くかという物語なのだと思います。よしもとばななさんというとすでに教科書に載るくらいの作家さんなのでなんとなく古典の様なイメージがあると思います。

しかし、古典の様で古典ではないのです。テーマは普遍的ですし、文章もニュートラルでとても素直に入ってきます。こんなにすっきりと綺麗な文章の人を私は知りません。なんというか、古くなりようがないのです。そして、今の時代を生きる人にこそオススメしたいのです。スマートフォンの普及でいつでも人と繋がれる様になった時代ですが、逆に言えば一人になった瞬間により孤独を強調する様になったのではないでしょうか。一つの人との関わりのロールモデルとしてもオススメの本です。

 

 

「博士の愛した数式」

博士の愛した数式 (新潮文庫)

小川洋子

 主人公の「私」は家政婦として80分しか記憶の持たない元数学者「博士」の家で働くことになります。最初はどの様に接したら良いか戸惑う「私」でしたが、ある日ふとした会話で「私」に10歳の息子がいることを知った博士は、一人で母親を待つのをかわいそうにに思い、次の日から彼を連れてくるように言います。次の日、息子に会った「博士」は彼を可愛がり「ルート」と名付けます。「ルート」が2人にくわったことで、3人は温かい関係を気付けるようになります。

 

ここがおすすめ

 小川洋子さんの本を読むと何か温かいものが降り注ぐ様な感覚があります。雰囲気は「キッチン」に似ているのかもしれません。不思議で優しい関係で少し家族の様でもあります。3人はそれぞれに思いやりを持って接していますが、それは犠牲ではなくてバランスの取れたものです。記憶の持たない「博士」を傷つけない様に優しく接lつし、また「博士」から親子は沢山のものを受け取っているのがわかります。完璧な形の家族ではありませんが、美しくて儚くて素敵な物語です。

 

「女神記」

 

女神記 (角川文庫)

桐野夏生

主人公のナミマはすでに死んでいます。黄泉の世界で死人の口から語られる彼女の死の物語、愛した人に裏切られた恨み。彼女に強く共感した黄泉の国を統べるイザナミは彼女の恨みをはらさせてやるためにスズメバチに変えて現世に戻してやります。女神でるイザナミもまた男神イザナギを深く深く愛し、その裏切りを深く深く憎んでいました。

ここがおすすめ

 この物語では神は神聖ものとしてではなく、人の業をより強調した生々しいものとして書かれています。物語の世界では時として女性は母性化身の様に全てを許す神聖な存在として描かれますが、そのことに息苦しさを感じることがあります。しかしここに出てくるイザナミはそんなものではありません。

人間が他人に期待する神話の様な部分を全て捨て去り、ただどろりとした濁りと穢れを煮詰めた様な存在です。ナミマよりもイザナミはどこまでも悲しく女で、またイザナギはどこまでも男でした。私たちが男女である限り根本的に理解しあえずにいるのは、彼らから生まれた存在であると考えれば自然かもしれませんね。

新しい解釈で生まれた日本神話ともいえるでしょう。生と死と男と女の物語です。

 

 今回ご紹介させていただいた本ですが、ただ単に自分が好きな女性作家の本でした。日本人の女性像の割と極端な本のご紹介になってしまったと思います。

 ひとつでも皆様の読みたいと思える本があれば幸いです。

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