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「リーマンショックとは何か?」が分かるおすすめ本3選

1.『世界同時不況』 

世界同時不況 (ちくま新書)

岩田規久男

 著者は学習院大学の経済学部教授。これまでの経済学分析とは違うアプローチで分析しています。過去に起きた不況を分析して歴史に学ぶスタンス。著者は今の経済がもしも今後、デフレに陥れば、不況はより深く長期化すると懸念され、そうした懸念が気に終わらず実現した歴史があると分析しています。
 1930年代の世界恐慌と昭和恐慌、1990年代の失われた10年の三つの大不況を紹介して、その論拠としています。
 さすがは大学の経済学部教授だけあって、リーマンショックという金融危機を「市場原理主義の崩壊」「資本主義の自壊」とする考え方を否定し、金融危機に似た歴史上の不況とその克服をモデルケースに解明を試みています。
 学生時代に触れた経済学も使えるものは多々あります。社会人になってスッパリ忘れるのはもったいないです。


2.『早わかりサブプライム』 

早わかりサブプライム不況 (朝日新書)

中空麻奈

  著者はBNP パリバ証券のクレジットアナリストという肩書きを持っています。本書は金融危機のからくりと、今後の見通しを説明したレクチャー本といえましょう。アメリカ政府は日本の失われた10年をよく研究しているので、不良債権の処理は日本よりスピーディーに進み、株価が底を打つまでの期間も日本のケースより早いと予想し、実際にその通りになりました。
 著者は職業柄、証券のことに詳しく、証券化の暴走が引き起こしたサブプライム問題の解説は鮮やかですね。景気は2010年頃に底を打つと考え、その点、日系企業にはチャンスの面もあると予想したことも見事に当たっています。


3.『金融大崩壊「アメリカ金融帝国」の終焉』

 

金融大崩壊 「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書)

 水野和夫

 著者は三菱UFJ証券のチーフエコノミスト、金融と経済の専門家です。 サブプライムローン問題は、借金を二重三重に証券化して、リスク転嫁を繰り返したこと、「格付け」の評価が間違っていたことなどれもいかにもありそうな話です。しかしそれでも疑問に思うのは、なぜ金融のプロが集まっておきながら、あのような大不況に陥ったのでしょう。
 それは「わけの分からないもの」をみんなが信じているからと、認めてしまったことが根本的な原因ではないでしょうか。金融危機を資本主義誕生以来の危機と捉えていて、これからは激動の時代などといった激しい記述も多いです。
 いくらプロが太鼓判を押そうと、バカだと思われようと、分からないことは分からないと言わなければなりません。でないと何度でも事故は起こるでしょうね。プロを信じすぎるのは危険で、これは今話題の仮想通貨ブームにも言えますね。大学生のうちにニュース番組を見ても評論家まかせにせずに自分の頭で考えるというクセをつけることをおすすめします。

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