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【不思議な体験 おすすめ 小説】現実や日常で不思議な体験をしたい人におすすめ本3選

『ログ・ホライズン1』

ログ・ホライズン (1) 異世界のはじまり

橙乃ままれ

 多人数参加型オンライン RPG の世界で生きることになったら、という過程でこの物語は始まります。オンライン小説では定番な異世界転生ものではありますけども、アバターとしてゲーム世界で生きることを余儀なくされたプレイヤーの生活がとてもリアルで、ゲーム好きでなくても楽しめる SF となっています。
 現実世界とゲーム世界とのギャップは、食事などの日常世界にも認められています。素材を再調達すれば料理スキルによって料理は作成できるのですが、ゲームの場合を味覚は不要なため料理の味に違いがない世界となっています。このような世界で暮らすことの味気なさがどのように克服されるかも読みどころです。
 オンラインゲームのような現代文化を下敷きとしながら、社会のあり方をシュミレートする方法論がユニークなシリーズですよ。社会人のみなさん、自分の職場と重ね合わせてみると、この本のおもしろさも倍増しますよ。

 

『シロガラス』

シロガラス 1パワー・ストーン

佐藤多佳子

 白烏神社の神楽田では年に一度子供神楽の奉納がある。子供神楽は一人が剣士、二人がお付きのカラスになって三人一組、このトリオが二組の合計6人で行います。来年は今の5年生が出ることが決まっていますが、二組のうち片方の剣士は千里、神社の宮司の孫で幼い頃から古武術を学んでいます。武道にかけては天才的、そしてもう一組の方の剣士はレオが選ばれましたそれを聞いた千里を思わず叫んでしまう。なぜならレオは幼い頃から弱いものいじめばかりしているやつで幼稚園のときにぶん投げられた思い出は、今でも忘れられないくらいなのです。
その後いくつかの事件が起こり全てが決着しそうになった時この現実的な話は思いもよらない方向に傾いていきなり終わります。そのジェットコースターみたいなストーリーからは目が離せませんよ。

 


『密話』

密話

石川宏千花

  メアリーは人ではない。臭い涙を流し、泥水と自分の皮膚が一体化している。気がつけば地下にいた異形の生き物なのです。初めて地上に出た時に遭遇した女の子は卒倒し、駆けつけてきた男の子はメアリーを激しく攻撃しました。それからというもの、人影から隠れて一人ぼっちで暮らしています。
 人間の生活が羨ましくて、人間になりたくて街にひっそり潜んでいるメアリーに気づいた人物がいました。とても綺麗な顔立ちで優しい声をした12歳の男の子マミヤくん。メアリーという名前をつけてくれた初めての大切な大切な友達です。
 教室の中を支配し、誰でも思い通りに動かしたいという願望叶えてしまうとどうなるのか。むき出しの自我があるせいで、心に潜む危うさを作者はメアリーの目を通し淡々と映し出していきます。息を呑むゾクゾクする展開はラストまで読者を惹きつけてやまないでしょう。綺麗な顔をしたマミヤくんと醜いメアリーの結末はどうなるのでしょうか。自分はまだ何者でもないと不安になっている大学生にオススメです。

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