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昭和の「深い闇」に触れる大ノンフィクション計11冊!

 今回ご紹介する本のジャンルは「日本現代史」です。しかもその中の、誰も触れたがらない「深い闇」だけを掘り下げたノンフィクションの金字塔です。希代の小説家で、歴史家でもある松本清張の渾身の作、「昭和史発掘」(計9巻)と「日本の黒い霧」(上下巻、いずれも文春文庫)です。
 日本の近現代史に興味のある高校生や大学生、社会人からシニア世代まで、ともかく「昭和の日本が歩んできた闇を知りたい」というすべての世代におすすめします。
 もうすぐ「平成」も終わりますが、その前の「昭和」とは決してレトロな懐かしい時代というだけではありません。戦争を経た重い苦悩の中から、私たちの時代に続いています。今の社会を見つめ直すためにも多くの世代、職業の方に役立つ本だと思います。

 

「昭和史発掘」

新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)

 「昭和史発掘」は計9巻にもなる超大作です。昭和の初めから第2次大戦に至る時代、日本が軍国主義の暗黒にのめり込む中で起きた、さまざまな謎めいた事件、未解決の政治社会事件を深く掘り下げています。
 混沌とするアジア情勢の中で、中国に精通した外交官が原因不明の死を遂げた「佐分利公使の怪死」、政府による厳しい弾圧で共産党が壊滅する過程を描く「スパイMの謀略」など、知られざる謎の事件が明るみにされます。

 

「2・26事件」

 圧巻は後半5巻全部を費やした超長編ノンフィクション「2・26事件」です。膨大な資料と関係者取材を重ねた緻密な歴史学術書といってもよい検証作品です。2・26事件がいかに日本史で特異な事件だったか、異常な社会と時代だったかが浮き彫りになっています。長い休みなどにじっくり読んでいただきたいものです。

新装版 昭和史発掘 1-9巻 セット

 

「日本の黒い霧」

新装版 日本の黒い霧 (上) (文春文庫)

 次の「日本の黒い霧」シリーズは、「昭和史発掘」の各事件を受け継ぐように、戦後の昭和時代にスポットを当てています。
 中でも「下山事件」、「帝銀事件」など超有名な昭和の未解決怪事件を、著者独自の視点で取材、分析し、結論を導き、犯人を推理しているところが、この一連の作品の見所です。
 元新聞記者らしい著者の鋭い論調もあり、推理も含めた結論には賛否や批判もあるようですが、それでも分析力はさすがに相当なものです。手に取ったみなさんにはぜひ、昭和とはどんな時代だったのか、考える一助にしていただきたいと思います。

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