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【2〜4才おすすめ】思いやり、人の愛情が感じれる絵本3作品

「いやだいやだ」

 

いやだいやだの絵本 4冊セット

[(せなけいこ作・絵)]

どんな本か

何でもすぐに「いやだいやだ」と言うルルちゃん。それなら、おいしいおやつもいやだって言って、悪い子のお口には行きません。

お日様も雲に隠れて雨ばかりになってしまうし、保育園に履いていく靴も、大事なクマのぬいぐるみも、みんないやだと言い出します。しまいには、お母さんも、いやだと言って、抱っこしてくれなくってしまいました。みんなにいやだと言われ、とうとうルルちゃんは泣き出してしまいました。

 

ここがオススメ

この本は、「イヤイヤ期」に当たる、2,3歳くらいの子供さんに読んで聞かせてあげると、効果があるかも知れません。

けれど、誰もが、多かれ少なかれ、物事に対していやだと感じ、それを避けてしまうことはあるでしょう。人は、困難や壁にぶつかった時、避けて通れるのであれば、ついそれを避け、楽な道を選んでしまいがちです。

しかし、何でもいやだと避けていては、一向に成長しません。困難や壁を乗り越えて、一歩成長し、そして又新たな困難にぶつかり、乗り越え、更に一歩成長し‥を繰り返して、大人になっていくのです。ルルちゃんが、いやだいやだとばかり言っている内に、周りの大切なものや人にも、いやだいやだと言われるようになってしまったように、大人になっても、困難を避けてばかりいては、成長せず、同じ失敗や困難に、いくどもぶち当たることになります。

そんな成長の見られない人間を、蔑んで見てくる人も出てきてしまう恐れもあります。逃げてばかりいると、結局痛い目にあってしまうのです。そういった意味では、この作品は、単なる子供向けの絵本としてではなく、これからいくつもの壁を乗り越えて大人になっていく、社会人や大学生など、世代を問わず、読む価値があると思われます。子供向けの絵本、などとバカにせず、是非読んでみてほしいおすすめの本です。絵本ならではの、短く簡潔な文章が、より頭にスムーズに浸透していくことでしょう。

 

「ノンタンいたいのとんでけ~」

ノンタンいたいのとんでけー (ノンタンあそぼうよ)

[(キヨノサチコ作・絵)]

どんな本か

ノンタンが、おもちゃの自動車を、妹のタータンに取られそうになり、タータンを突き飛ばします。
転んで足を痛めたタータンは泣いてしまいます。
ノンタンは、「こんなのへっちゃらさ」と、妹の足の痛みを飛ばすために、「いたいのいたいのとんでいけー」と、山や海に叫びます。
怒った山や海は、タータンを食べようとします。
「タータンを食べないで~」と、別のものに「いたいのいたいのとんでいけー」。
最後は、痛いのが大好きないたいの怪獣に、痛いのを飛ばして、見事解決します。

喧嘩をしても、最後は仲直りをし、妹の足の痛みをなくしてあげようと奮闘する妹想いのタータン。
怒ってタータンを食べようとする山や海から、妹を必死に守る姿は、とても胸に迫ります。

 

ここがオススメ

こちらの本は、兄弟喧嘩に悩んでいたりなど、親御さんやそのお子さん達におすすめです。
子供の内は、遊んで走り回ったりなどして、よく怪我をしがちなものですが、
そんな時、この絵本を読んであげながら、「いたいのいたいのとんでいけー」と言ってあげると、すぐに泣き止んでくれそうです。

又、お子さんや、その両親だけでなく、大学生や社会人など、大人の人にも、読んでいてためになる作品なのではないかと思います。兄弟同士の無償の愛は、人間同士の無償の愛に対する大切さを物語り、ノンタンとタータンのように、喧嘩をしても、最後は仲直りする、という絆の深さは、人間同士の絆の大切さも語っています。
又、タータンを突き飛ばしてしまったことにより、タータンを傷つけてしまったこと、怒った山や海が、大切なタータンを食べてしまおうとしたことは、人に意地悪をすると、その償いがそのまま自分に返ってきてしまう、ということも同時に教えています。
人に対する無償の愛、絆、思いやり、という、人間関係を構築するにあたり、とても大切なことを述べてもいるのです。

絵本ならではの、簡潔な文章と、かわいらしい絵が、頭の中にすんなりと入り、当たり前だけれど、日頃つい忘れがちなことを思い出させてくれるでしょう。
是非、世代問わず、色々な人に読んでもらいたいオススメの作品です。

 

「ママがおばけになっちゃった」

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

[(のぶみ作)]

どんな本か

ある日突然、ママが、4歳になる息子、かんたろうを置いて、車にぶつかって死んでしまいます。
突然おばけになってしまったママ。
当然心配なのは、息子のかんたろうのことです。
夜12時を過ぎると、かんたろうの目の前に現れて、外にはおばけがたくさん居て、「生きている時にこうしておけば良かったと思う人がおばけになること」、「おっちょこちょいだったけど、かんたろうを生んだことは大成功で、このために生まれてきたんだと思ったこと」、
「かんたろうが生まれてきてくれて良かったこと」、「いい所も駄目な所も数え切れないくらいの好きでいっぱいなこと」をかんたろうに伝えます。
朝起きると、ママはいなくなってしまいますが、かんたろうは大きな声で「ぼく、ひとりで頑張ってみる」と言います。

 

ここがオススメ

この本は、親子の愛情という繋がりと同時に、「死」とは何か、ということに関しても述べています。
ですので、子供の居る親御さんはや子供さんはもちろんのこと、大学生、社会人など、どの世代の人にとっても、ためになる本なので、世代を問わず、おすすめしたいです。

ママは、自分が死んでしまったことに関して、「どうすればいいかわかんない!」と困惑しながらも、これから1人で生きていく子供のために、伝えるべきことを伝えながらも、同時に自分の「死」を整理し、受け入れていきます。
息子であるかんたろうも、ママが死んでしまった意味や寂しさを抱えながらも、ママから、たくさんの愛情を受け取り、自分ひとりで生きていくことを決意します。

親子の深い愛情で繋がった絆、それによって前を向いていこうと決意する子供の成長、「死」を受け入れ、「死」とは何かを考えさせられるこの作品は、人間にとってとても大切なテーマが含まれているのだと思います。
「愛」「絆」「成長」「生と死」。
作品を通じて、今一度、改めてその重要なテーマを再考させられる機会となるのではないかと思われます。
もちろん、絵本としても、涙あり笑いありの、とても素敵なオススメ作品ですので、是非老若男女問わず、おすすめしたい作品です。

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