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自然の神秘に触れたくなる、おすすめネイチャー本

『野生のオーケストラが聞こえる』

野生のオーケストラが聴こえる―― サウンドスケープ生態学と音楽の起源

バーニークラウス

  目で見るのが風景と言うならば、耳で聞くのはサウンドスケープ(音風景)といえます。著者は40年以上も自然を録音し続けてきた人です。そのコレクションは生物にして15000種類以上、時間にして4500時間以上に及びます。人間も、もちろん野生のオーケストラの奏者といいえます。バヤカ族の女性達が雨上がりに歌う声は、鳥や昆虫の音に合い、10秒近い間森に反響して、楽器のような神秘的な音になります。アメリカインディアンのネズ・パース族の音楽は、オレゴンの峡谷を吹き抜ける風と葦が奏でる音に由来しています。音楽の道を志す大学生におすすめの本です。

『深海の怪物ダイオウイカを追え』

深海の怪物 ダイオウイカを追え! (ポプラサイエンスランド)

窪寺恒己

 本書は児童書ですが、これは大人向けの本ではないかと思える本です。ボリュームとしてはたったの64ページなので、あっという間に読み終わるでしょう。
 ダイオウイカというのは最大で全長15メートル 程度、目はバスケットボールほどの大きさ、これは他の生物に比べて圧倒的に大きいといいいます。それでいて、赤ちゃんの時は全長わずか5ミリ、そして寿命は2、3年なのです。
 その大きさより2、3年で5ミリから15メートルまで成長する、そのありえないほど過激な成長速度に驚きます。もし人間に例えると、赤ちゃんが50 cm としてダイオウイカと同じ成長速度なら2、3年で身長1500メートル!子供がもしこの勢いで成長したら育児放棄するしかないですね。
 本当に世界中の誰も見たことがないものを、世界で初めて見た人間が子供達に向けて発した言葉のリアルさを楽しんでください。驚くという敬虔が少なくなったと嘆く社会人の方にオススメの本です。


『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』

 

ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)

渡辺佑基

 本書はバイオロギングを用いた生態学研究の最前線を、生き生きと伝えてくれる本です。著者の渡辺佑基氏は現在、国立極地研究所の助教授です。彼は本書を「渡る」「泳ぐ」「測る」「潜る」「飛ぶ」とそれぞれのカテゴリーに分け、自身の関わったバイカルアザラシやマンボウなどの調査結果をまとめています。そしてその中でのバイオロギングの歴史その手法の重要性や生態学における役割を伝えています。
 渡辺氏が語る極地生活の断片や、定置網漁の様子、孤島での調査旅行、それらはどれも微笑ましく魅力的なものです。科学は生きた人間が生み出してきたものなのだということに改めて気付かされます。研究者と異世界の住人ではなくすぐそばにいるそんな当たり前のことも思い出しますよ。 自然の神秘に触れたくなる本

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