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現役ミュージシャンが小説家に。おすすめ小説三選

ひとつの分野で成功したクリエイターが、実は他の分野でも活躍しているということはもはや珍しくはありません。例えば、2018年度の朝ドラ「半分、青い」の主題歌を担当している星野源氏は、自身も俳優としての顔を持つほか、文筆活動やコント番組への出演等々、多岐に渡った活動を繰り広げています。
そこで私がおすすめしたいのは、星野源氏と同様、現在進行形で活動している日本のミュージシャンが執筆、上梓した小説作品です。

彼らが日々作り出している音楽とどこか繋がる世界観やリズム感はもちろん、今なお音楽を生み出し続ける彼らのバックグラウンドを、ほんの少し覗き見ることができておすすめです。

 

「ふたご」

ふたご

一冊目は「ふたご」(藤崎沙織 著)。2018年の時点で紅白歌合戦に4年連続出場するなど快進撃を続けるバンド・SEKAI NO OWARI。鍵盤楽器を担当するSaoriが本名の藤崎沙織名義で上梓したのが、こちらの小説です。
メディアによる報道ではバンドメンバーによる熱愛やバンド内の人間関係に注目されやすい印象があるSEKAI NO OWARIですが、百聞は一見にしかず。あれこれ詮索するよりも、この本をきちんと読んでみる方が余程良さそうです。自らの経験を客観的かつ冷静に小説という形へと落とし込む文章力の高さから、著者の趣味が読書であるというのにも思わず納得してしまいます。余計な情報に囚われず、実際に手に取って読むことをおすすめしたい一冊です。

 

「カナシミ」

カナシミ

二冊目は「カナシミ」(スネオヘアー 著)。個性的な名前と骨太なロックンロールで根強く支持されるミュージシャン・スネオヘアー。4thアルバム「カナシミ」収録曲“悲しみロックフェスティバル”を題材として自身が書き下ろし、上梓されたのがこちらの小説です。
進学のために上京し、音楽での成功を心の中で夢見ながらも、だらけた生活を送る主人公。ふと自分の前に現れた“カナシミ”に、翻弄され、反発し、また強く惹かれていきます。荒削りながらもグサグサと刺さる名フレーズに不意を突かれる、鮮烈な一冊です。まだ将来が定まらず迷いを抱えている大学生に、特におすすめしたいです。

 

「YOROZU~妄想の民俗史~」

 

YOROZU~妄想の民俗史~

三冊目は「YOROZU~妄想の民俗史~」(後藤正文著)。“アジカン”の略称でおなじみのロックバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATIONにおいて、ほぼ全てのソングライティングを担う著者が上梓した短編小説集です。
独特の文体と脱線しまくりの内容からは、パンクロッカーであり芥川賞作家でもある町田康の影響が色濃く見受けられます。またこの本には、なんとアルバム一枚分のボリュームを持つアンビエント・ミュージックCDが付属しています。この音楽ももちろん著者によって作り上げられたものであり、著者の多才さには思わず感嘆の声を上げてしまいます。CDを聴きながら読むのをおすすめします。


以上が、私がおすすめする「日本の現役ミュージシャンが上梓した小説三選」です。

彼らが作る音楽のファンではない方でも、まずは著作からその世界観に触れ、興味を持って音楽を聴いてみるのはいかがでしょうか。きっと今までにない楽しい体験ができると思います。

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