旅行といえば観光地に行くもの、もちろんそういう旅もいいものです。
観光地というのはそうなるべき理由があるから観光地なのですから。
でも、そればかりじゃおもしろくないよねと思ったときは、こういうのはどうでしょうか。
『見仏記ガイドブック』
著・みうらじゅんいとうせいこう
いとうせいこうと、みうらじゅんの二人が全国各地の寺を訪ね、そこにある仏像をひたすら見てまわるという本です。
その二人の20年に及ぶ記録がガイドブックとしてまとめられています。150を超える仏の紹介、ふたりの軽妙な対談など見所満載です。
仏像をフィギュアと言ってしまうライトな感覚にフットワークが軽くなります。
昨今の仏像ブームはまさしく彼らが作ったということを証明する記念すべき本でしょう。独特の異なる二人の視点が非常に面白いです。
『ガンジス河でバタフライ』
著・たかのてるこ
二十歳のてるこはずっと夢だった一人旅に出ます。ガンジス川をバタフライで泳いでいたところ、勢いよくぶつかったのはまさかの死体。
旅先で出会う様々な人々、予想外の出来事をユーモラスに描いた爆笑紀行エッセイです。
著者の破天荒ぶりに終始ハラハラさせられます。著者は自分を極端な小心者だと言いますが十分積極的で精力的な女性だと思います。
彼女から世界はデカイということを教えてもらえるでしょう。著者の旅の経験が生き生きと描かれていてインドに行きたくなります。
『第一阿房列車』
著・内田百閒
用事もないのに汽車に乗ってどこかに向かうことを阿房列車と名付け著者の百閒は弟子と共に旅に出ます。
戦後の日本復興の様子や旅先の土地の魅力が百と弟子の生き生きとした会話から伝わってきます。
飛行機や車もいいけれど汽車の旅もいいものだと思わせてくれるでしょう。
百閒氏の大真面目にしれっと面白いことを言うのも笑いのツボにハマるでしょう。弟子との関係も絶妙です。
この本のいいところは電車に乗るだけなので気軽に真似できます、そう今日にでも。時間がふんだんにある大学生に読んでほしい本です。
インドは少し敷居が高いけど、阿房列車は今すぐにでも実行できそうですね。
一歩踏み出すところから人生は開けてきますよ。