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「結婚や夫婦って何なのだろう?」と悩んだ方へ、江國香織おすすめ本3選

今回、私が紹介する三冊は、言ってしまえばそんな「他人の夫婦の物語」です。

他人には理解しがたいルール、夫婦にしかわからない機微、夫婦だからこそ伝えらない気持ち。そうしたものが緩やかに描かれていて、そして時々「あぁわかる…。」と共感せずにはいられない…。

「結婚や夫婦って何なのだろう?」という疑問に“例えばこんな形がある”のだと、気付かされる。そんな江國香織さんのおすすめ三冊を紹介します。


<赤い長靴>

赤い長靴 (文春文庫)

The夫婦の物語。結婚後十年になる夫婦はいわゆる普通の夫婦。物語も普通の日常が描かれています。ただ、その“普通の日常”が夫婦の生活であり、その積み重ねこそが夫婦を形作るのだとつくづく考えさせられます。
妻の日和子が無口な夫に、言葉が“通じない”と感じる事。夫以外の人々と会う事で発見する自分の一面に驚く事。結婚生活を長く続けている人ほど、「あるある…」と共感できる部分も多いのではないかと思います。


<きらきらひかる>

 

きらきらひかる (新潮文庫)

わずか十日前に結婚したばかりの夫婦の物語ですが、実はこの夫婦、妻の笑子はアル中、夫の睦月はホモで恋人もいるという変わった夫婦。

人気TVドラマ「逃げ恥」の主人公たちの“契約結婚”に近い関係と言えるでしょうか。痛み分けの結婚。いびつな関係の中に流れる日常は、いじらしい愛情や残酷な切なさで溢れています。夫婦の恋愛小説といった印象です。
愛する事や結婚が相手を縛るためのものではないことはもちろん、理屈だけでは結婚生活は成り立たないという事に加え、純粋に愛することの尊さのようなものを感じさせられる一冊です。


<スイートリトルライズ>

 

スイートリトルライズ (幻冬舎文庫)

こちらは中谷美紀主演で映画化もされている小説で、夫婦それぞれの「不倫」を軸に話が進みます。先ほどの小説とは対照的で、誠実さのかけらも感じられない夫婦の行いには多少辟易する場面もあり、夫婦それぞれが不倫しているなんてそれこそ既に“終わっている。”とも言えるのかもしれません。
しかし、それでも夫婦を続ける中でしか、結局夫婦は語れないのかなと思うのです。むしろ、不倫をどう終わらせるのか終わらせないのか、それにより何がどう変わるのか。何も変わらないように見える日常の中で、静かにでも確かに、何かが変わる経験も「あるある…」の一つではないかと思います。

 

こんな人におすすめ

この三冊が私がオススメする本です。主婦になってから読んだ本は<赤い長靴>だけで、他二冊は初めて読んだのが高校生や大学生の時でした。

どれも好きな本で何度も読み返していますが、社会人になってから、更には主婦になってから読んだのとでは、やはり印象や感じ方が違います。
難解な夫婦という関係性について、主婦はもちろん、あらゆる世代がそれぞれの感じ方で楽しめるそんな三冊だと思います。

 

さいごに

新婚期の夫婦はさておき、時を経た夫婦というものは多様で複雑で、他人には到底理解しえない関係性や性質をはらんだものであることがほとんどではないでしょうか。

「最近旦那と上手くいってないの…。」と言っていた友人が次会った時には妊婦になっていたり、人前で恥ずかしげもなくスキンシップを行っていた夫婦が突然離婚したり、そうした例については古今東西枚挙にいとまがないですよね。つまり他人の夫婦関係については、仲が良いだの悪いだの、不満があるだのないだのと、そんなことの真偽は知りようもないのです。

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