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インターネット社会は何を生み出したのかを考える本

『閉じこもるインターネット  Google ・パーソナライズ・民主主義』

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

イーライ・パリサー

 2005年12月4日 、Google はユーザーが過去に検索した言葉だけではなく、ログイン場所やブラウザなど57種類ものシグナルを利用して、検索結果を表示するようになりました。夫婦が同じ言葉を検索しても異なるリストが表示されるようになったのです。より便利になったと言えるかもしれません。しかし同様の技術を利用して他の企業がネットの裏側で何をしているかを知ると、喜んでばかりはいられません。
 例えば Facebook が利用している エッジランクというアルゴリズムがあります。これはニュースフィードに表示する記事を云わば勝手に選んでくれているのです。あまりに情報量が膨大になってきたので、全てを表示すると使いにくいということなのです。つまり我々は自分の見たい情報だけを見せられ、見たという情報は知らぬ間に企業に売られることで巨大なネットモンスターの一部になりつつあるのかもしれません。IT業界にいる社会人の方、自分が今どの立ち位置にいるのかを考えながら仕事をしましょうね。


『つながらない生活 ネット世間との距離の取り方』

つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方

ウィリアム・パワーズ

  コンピューターの電源を切りましょう。携帯電話の電源を切って、周囲に溢れる人間らしさを発見したいものです。このセリフはインターネットの雄である Google の会長エリック・シュミットが2009年春にペンシルバニア大学で行ったスピーチの一部なのです。
 発達しすぎた情報化社会を危惧する言葉が他にもあちこちで発現されています。それでも社会の情報化は止まりません。 Web サービスを提供する企業はサイトの滞在時間やページビュー数を競い、そこに人間が培ったあらゆる叡智をつぎ込んでいます。個人は注目を集めるためにブログや SNS を舞台に積極的に意見を発信しています。著者は賢人の知恵を得て土日はインターネットに接続できない環境を作りました。経験よりも歴史に学ぶ著作こそ賢者だと言えるのかもしれません。


『第五の権力  Google には見えている未来』

第五の権力---Googleには見えている未来

エリック・シュミット

 Google 社の CEOを長らく務め、現在会長の座に収まっているのが本書の著者の一人、エリック・シュミットです。まるでSF小説のような世界を現実的なビジネスと捉え、開拓していくGoogle社、その会長が予測する未来となると嫌でも期待が高まります。
 未来予測である以上、どのような歴史観に立脚しているのかということが重要になってきます。しかしITの歴史はまだ日が浅く、時系列で定点観測をすることから得られる知見など語り尽くされたようなものばかりなのです。
 そこでこれ読み解くための武器として本書では地政学的側面に着目しています。テクノロジーやコネクティビティによって引き起こされる変化そのものに価値を感じるのではなく、変化のサイクルが速くなることによって程度の差が種類の差に生まれ変わる可能性を見据えていることが大事なのでしょう。そこに超国籍企業のトップを務める男の思考の一端が垣間見えます。これから社会に出て行こうとする大学生には良い知的刺激になるのでオススメです。

 

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