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言葉フェチなあなたに! 言語学の面白さを感じる本3選

アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』

新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)

辞書のパロディの元祖的存在とでも言うべき一冊です。オカルト本ではないのでご安心を。
普通の辞書と同じ体裁で単語とその意味が記されていますが、どれも皮肉やブラックユーモアに満ちていて一筋縄ではいきません。
この、辞書には書かれていない角度から単語を再定義するというアイディアは非常に面白く、後に多数の類書を生むことになります。
最近だと池上彰さんが選挙特番で「政界”悪魔の辞典”」というミニコーナーを作って話題になっていたのを覚えている方もいるのではないでしょうか。
本書は100年以上も前に書かれた物ですが、現代人の私たちが読んでもハッとさせられたり、思わずニヤッとしてしまう項目がたくさんあると思います。
学生の内に読んでも楽しめるかとは思いますが、ビアスの切れ味鋭い視点は社会人になってからの方がより味わい深いかもしれません。
さまざまな言葉を普段とは異なる角度から見ることで、言葉というものが持つ奥深い面白さを感じられる一冊だと思います。

 

別宮貞徳『日本語のリズム 四拍子文化論』

日本語のリズム―四拍子文化論 (ちくま学芸文庫)

日本語の定型詩=七五調についての考察を中心に、日本語の持つリズムについて書かれた本です。
著者の豊富な知識を背景に推論と実験を交えながら、日本語についての興味深い話が展開されます。
とくに第六章の、西洋の言語のリズム(=三拍子)と日本語のリズム(=二拍子/四拍子)を対比させ、果ては民族の思考の傾向にまで結びつけて言及する箇所は非常にスリリングで面白いです。
三拍子のリズムは三段論法を、二拍子のリズムは「風が吹けば桶屋が儲かる」的論法を生むという話には、なるほどと納得させられると同時に、言葉が文化に及ぼす影響について想像力を掻き立てられました。
なぜ日本語の定型詩が七五調になったのか、また、言葉と文化の関係性に興味のある方には是非オススメです。

 

J・L・ボルヘス『詩という仕事について』

詩という仕事について (岩波文庫)

20世紀の南米を代表する作家、詩人、評論家のボルヘスが、ハーヴァード大学で行った、詩についての講義を収録した本です。
ボルヘスの作品には難解に感じるものもありますが、この本は分かりやすい言葉で語られており、詩の持つ様々な魅力を感じることができます。
とくに隠喩(メタファー)についてや詩の翻訳の可能性について語られた項目は印象深く、言葉の持つ奥深さや面白さを感じました。最終章では、自身の作品についても語っていて興味深かったです。
元々が大学での講義だったので大学生にはもちろん、詩や言葉にまつわる様々な事柄に興味のある人にもオススメの一冊です。

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