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【猫 小説 おすすめ】おすすめネコ本、人気ベストセラー8選!猫が主人公!

今、CMやネット動画で大人気なのが猫。

モフモフした愛くるしい姿は昔から人気ですが、ここ数年は犬人気を追い抜いた感があります。

今回はそんな猫が中心の小説、本から3冊を紹介。

ランキングにも常連のあの本も紹介しています。

 

「吾輩は猫である」

吾輩は猫である(上) (新装版) (講談社青い鳥文庫)

本の世界にも猫は昔から多く登場しますが、何と言っても有名なのが夏目漱石の「吾輩は猫である」でしょう。

今はそれほどではないでしょうが、ある時代まではこの「猫」と「坊ちゃん」はたいてい一度は読んだことがあるといわれたほどの国民文学の一つです。

しかし、読んだという人にどんな小説?と尋ねるとはかばかしい返事は返ってこないという不思議な本でもあります。

それはそうで「猫」には筋らしい筋がないのが特徴で、記憶するなら場面やディテールしかないからです。漱石自身も「趣向もなく、構造もない」と言ってます。

したがって、一度読んでからしばらくすると内容を忘れるので、何度読んでも感慨を新たにするという構造が国民文学に押し上げた、というのはうがった見方でしょうか?

漱石の弟子の内田百閒には愛猫が失踪した悲しみを綴った随筆集「ノラや」があり、こちらも名随筆集として根強い人気がありました。

「ノラや」

ノラや (中公文庫)

 

「トムとジェリー」

Tom and Jerry & Tex Avery Too!Vol.1:The 1950s

猫のアニメで有名なのがアメリカで作られた「トムとジェリー」があります。日本のテレビでも繰り返し再放送されていた人気アニメで、猫のトムは時に狡猾でちょっとマヌケな性格として描かれています。

猫の可愛さや性格をよく知る猫好きにはちょっと不評な描き方ですが、世間一般の見方は当時(今でも?)はあのようなものだったのかもしれません。

大人になって気づきましたが、獲物(ジェリー)を発見した時のトムの目の色の変わり方は実際の猫のそれとまったく同じで感心した覚えがあります。

 

What's Michael?」

 

新装版 What’s Michael?(1) (講談社漫画文庫)

What's Michael?(ホワッツ マイケル?)」は1980年代に人気を博した、小林まことによる漫画です。

第一話から笑撃的!で、マンションの高層階の窓辺にたたずむマイケルに向かって中の人が消しゴムを投げると、頭に当って窓から落ちて死んでしまうという話です。

猫のモフモフした毛並みや体の柔らかなふくらみ、性格などがリアリティをもって描かれているので、猫をそんなに好きでもない方がこれを見て好きになったというほどの漫画です。

自分的にはマイケルが人間の言葉を話し出す前の1巻と2巻がとくにオススメですので、猫好き・猫嫌いであっても機会があったらぜひ一読してみて欲しい1冊となっています。

 

「猫町」

猫町 他十七篇 (岩波文庫)

詩人の萩原朔太郎に散文詩風の「猫町」とい短編小説があります。萩原は口語自由詩を確立させたことから「日本近代詩の父」と称され、中原中也と共に現在でも根強い人気のある詩人です。

猫町は萩原が発表した数少ない短編小説の一つ。北越の温泉街にでかけた私が、山道を散策中に方向感覚を失い迷ってしまい、さんざん苦労してたどりついたのが辺鄙な田舎とは思えないきらびやかで美しい繁華街。しかし、調和のとれた町並みは美しいが往来を行く町の人は物音を立てず、どこか普通の町とは違う張り詰めたような緊張感を私は感じています。と、ネズミが一匹往来を走り抜けるとそれを合図かのように調和と緊張感が一瞬で崩れ、町人が無数の猫に変じる、というストーリーです。神秘的な猫はこのような幻覚的な話にはまさにピッタリの役柄といえます。

萩原の代表的な詩集「月に吠える」にはこれまた代表的な「猫」という妖しくもユーモラスな詩があり、猫好きの方にはこちらもオススメです。

「月に吠える」

月に吠える

 

「愛撫」

愛撫

梶井基次郎の「愛撫」は詩人の鋭敏な感覚で猫のもつ魔性を描いた掌編小説です。

梶井は昭和の初め31歳の若さで肺結核で夭折した小説家で、「檸檬」などによって死後に名声を高めました。生涯の作品数は20篇余りですが、時代を超えても古びない感覚で書かれた作品はどれも名作として知られ、後進の作家に多大な影響を残しています。

「私」は子供の頃から竹の皮のような猫の耳を切符切りでパチンと切ってみたい、と誘惑があった男であるーから始まり、また今は爪を全部切ってみたら猫はどうなるかという空想に囚われている男でもある。

ある日私は奇妙な夢を見る。ある女性が鏡台に座って化粧をしている。手に握られた化粧道具で女性は顔に白粉を塗っているが、その化粧道具をよく見ると何と女の飼い猫の手であった、というストーリーです。

猫と女性のもつ魔性とそこはかとないエロティシズムが感じられ、猫好きでも猫嫌いでもだれの感覚的にもすんなりと溶け込む作品となっています。

『こねこのレイコは一年生』

こねこのレイコは一年生

著・ねぎしたか
こねこのレイコは、4月から1年生になりました。人間の学校ではなく、茶畑の空き地にある「茶畑小学校に通うのです。1年生は5ひき。
トラキチ先生が名前をよぶと、「ニャゴッ!」「ミュッ」「...ミャイ...」「ホへッ」と、いろいろなへんじが返ってきました。
レイコの返事は「ニャンニャン、ニャンニャン、ニャニャーン」と元気いっぱい。トラキチ先生のお話のあいだに、もう友だちとけんかをしています。
レイコと友だちとトラキチ先生の、楽しい学校がはじまりました。
入学式から始まったネコの小学校が、半年で卒業をむかえるまでを、ユーモラスに語っているお話です。交通安全教室や宿題など、読者の子どもも体験していることが、ネコの立場で愉快に描かれていますよ。

 

 

『ルドルフとイッパイアッテナ』

ルドルフとイッパイアッテナ

著・斉藤洋
黒ねこのルドルフが、魚屋に追いかけられて思わず飛び乗ったのは、トラックでした。気がついたときには、すんでいた町から遠くはなれた東京にきてしまっていました。
トラックからおりたとたん、今度は大きなノラねこの「イッパイアッテナ」につかまってしまいます。大都会でいろんな人間とうまくつきあっているこのネコには、トラ、デ力、ボスなど、名前がたくさんありました。
そしてルドルフに、ノラねこの知恵と勇気と教養を教えてくれたのです。


続編に『ルドルフともだちひとりだち』『ルドルフといくねこくるねこ』『ルドルフとスノーホワイト』があります。

この本を読めば、犬派の人も猫派に転向するかもと思えるくらいおもしろい本です。
ネコ好きの方意外にもおすすめですよ。

  

最後に

現代小説の中において猫はかわいさや愛らしさを強調して描かれていることが多いように思います。しかし、猫は古来より神秘的、魔性といった属性をもつ不気味な動物として本や話の中に登場することが多かったのは事実です。

一流の詩人や詩人の眼をもつ作家にかかると、こうした猫のもつ神秘性や魔性を鮮やかに描き出してくれます。

この機会に一冊読んでみませんか?

吾輩は猫である (まんがで読破)

 

 

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