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【箱根 駅伝 小説】駅伝好きにおすすめ小説3冊

寒い時期にピッタリな小説をご紹介します。
年末年始にかけてテレビでも中継される駅伝ですが、その駅伝に懸ける選手たちの熱い思いを描いた小説は、スポーツに興味の無い読者にも訴えかけるものがあります。

 

『チーム』

チーム (実業之日本社文庫)

堂場舜一著
箱根駅伝は関東の大学がこぞって目標にしている伝統ある大会ですが、そこにバラバラのユニフォームで参加するチームがあるのをご存じでしょうか?
前年度のシード校と予選会での成績によってえらばれた大学が参加できる箱根駅伝ですが、予選会を突破できなかった大学から、好タイムを出した選手たちが選抜されて連合チームを結成するのです。
本作は、高い能力ゆえに自分以外を信じず協力もしないという一人の選手と、連合チームのキャプテンを任された選手とを軸に話が展開します。
大学生たちの人間関係や駅伝や陸上競技といったものに懸ける思いに、私たちの普段の生活にも共通する悩みや共感を与えるものです。


『ヒート』

ヒート (実業之日本社文庫)

堂場舜一著
前出の「チーム」の続編です。
ここでも駅伝やマラソンと言った過酷な競技に打ち込む選手たちの内面や人間関係が描かれます。
連合チームでの活動後に社会人として走り続ける孤高の天才ランナーと、現役でありながらマラソンのペースメーカーという役を引き受けることに葛藤する一人の選手の心理描写もみごとです。
また、世界最高記録を出せるマラソン大会を開催しようという極めて政治的な背景が、携わる人たちの人間関係や立場、心理といった人間社会を凝縮して映し出しているかのようです。


『チーム2』

 

チームII (実業之日本社文庫)

堂場舜一著
「チーム」から続く3部作の最終編です。ぜひ順番に読むことをおすすめします。
学生連合での駅伝参加から年月が過ぎ、当時の学生たちの対場も様々に変わりましたが、その人間関係の変化と変わらない絆のようなものに胸を打たれます。
自分の力を信じることや人を思う、信じるというような、私たちが暮らしていくうえでとても大切なことを考えさせられます。

この3作に共通するのですが、陸上競技に縁がなく知識の無い読者にもその熱い息遣いが聞こえるような臨場感と、駅伝やマラソンのランナーの心理描写には当事者であるかのような緊張感が漂っています。
走ったことが無い人も陸上経験のある人も、きっと駅伝の魅力に気付かされるでしょう。

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