20世紀最大ミステリーとも言える「ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件」。
今でもマフィアや軍需産業などが黒幕とする陰謀説が多くあり、映画やドラマの題材にもJFK暗殺事件が多く使われています。 トランプ大統領がこれまで非公開だった機密文書の公開を指示したことでも知られています。
今回は「ケネディ大統領暗殺事件」についての関連書の中から、特に人気の5冊を選んでみました。
1.ケネディ暗殺 ウォーレン委員会50年目の証言
「ウォーレン委員会」とは、新大統領となったジョンソン大統領の下で、ケネディ事件調査のために組織された委員会のことです。
このメンバー達が様々な面から事件を調査。その時の報告書が基になっています。
上下2巻からなっており、長編スパイ小説を見ているようなハラハラ感があります。
ウォーレン委員会がどんな調査をしていたのか、キューバのカストロについて、国際的陰謀、ドゥランという愛人など幅広いアプローチで、物語が進んでいくので読み応えがあります。愛人の噂があったドゥランさんは現在もご健在で、下巻のクライマックスでは本人のインタビューも書かれているので、こちらもオススメです。
2.ジョン・F・ケネディはなぜ死んだのか 語り得ないものとの闘い
ジョン・F・ケネディはなぜ死んだのか 語り得ないものとの闘い
著者はカトリック神学者、平和運動化でもあるが、もちろん宗教書ではない。
数多くの資料分析から死の真相に迫っている一冊である。資料からの読み解き方も面白い。この本での説はCIAによる陰謀説を考えており、ケネディはソ連と部分的核実験禁止条約を締結。危惧したのがCIAや軍関係者であったのではないかと考えている。様々な考察を重ねて当時の状況を再現しており、とても説得力がある。
また、ケネディ暗殺の実行犯とされているオズワルドについて、ケネディと同じくらい描かれている。彼が話す「ケネディが好きだった」が特に印象的。
3.ジョン・F・ケネディ ホワイトハウスの決断 ケネディ・テープ 50年後明かされた真実
ジョン・F・ケネディ ホワイトハウスの決断 ケネディ・テープ 50年後明かされた真実
ケネディが話した実際の録音テープから文字に起こしている。写真も多く、大統領としてケネディがどのように意思決定したのかが鮮明に感じられる。
大統領として、自分の独断で物事を判断していたのかと思っていたが、外国の首相や大統領経験者に親しげに電話で相談しているのが印象的。多くの友人や仲間がいて、ケネディの人柄の良さが伝わってくる。
それだけに「ケネディ暗殺事件がなかったらアメリカはどうだったのだろうか?」と考えずにはいられないです。妻のジャクリーン・ケネディや弟ロバート・ケネディのことも詳しく知ることができる本です。
4.ケネディ―「神話」と実像
まずはライトに読みたい方はこれ。250ページほどなのですぐに読み終わります。
業績などだけでなく、生い立ちや、病弱だった身体なども取り上げています。切り口としては、ケネディが死によって過剰な神格化がされているのでは、という主張。
もちろん神格化されているかもしれないが、それでも魅力的な大統領で、「希望の象徴」となる存在は必要なのではないかとも思わせてくれる。
公民権法、労働組合の浄化、宇宙プログラム、対ソ協調など理想を追った政策を国民に分かりやすい言葉で呼びかけたケネディはやはり偉大に感じる。
5.そして、アメリカは消える
事件だけにフォーカスした本ではないが、最後のオススメはこれ。
「ケネディ暗殺は何を物語るのか。それを隠す意味とは。」という考えから、アメリカという国家の衰退を懸念する一冊。
筆者は国際ジャーナリストの落合信彦さん。
アメリカ国家が光り輝いていたケネデイ時代とその影。偉大な政治家がいなくなりアメリカのような大国が衰退していくということを、豊富な取材経験をもとに、他国の現代史とともに日本は今後どうあるべきかということも提示しています。