動物を擬人化して物語に登場させるの絵本は子どもたちをストーリーの中に連れて行きやすいです。
そんな奮闘する動物たちを描いた佳作を紹介しましょう。
『ネコのタクシー』
著・南部和也
トムは、タクシーのうんてんしゆをしているランスさんのネコです。あるとき、ランスさんがけがをしたので、トムがかわりにはたらくことになりました。でも、ネコにタクシーのうんてんはできません。
そこで、ネコがのれる小さなタクシーをつくってもらいました。ちゃんとハンドルもついていますが、エンジンはありません。だから、足をつかってはしるのです！！トムははしるのがとくいだから、だいじょうぶ。
でも、どんなおきゃくがのるのかな？お金をかせぐことができるのかな？
「人間とネコが共存する町を舞台にした、ほのぼのとした物語です。ネコ専門の獣医が書いたはじめての童話です。続編『ネコのタクシーアフリカへ行く』もおすすめですよ。
『りすのスージー』
著・ミリアム・ヤング
りすのスージーは、たかいかしの木のてっぺんにすんでいました。おりょうりがすき。おそうじもすき。ひとりぼっちでも、たのしくくらしていました。
ところがある日、とんでもないおきゃくさまがやってきました。けんかずきのあかりすの一団が、あばれまわって、スージーをおいだしてしまったのです。
でもスージーは、ちゃんとすむところをみつけます。それに、スージーのところには、こんどこそ、しんせつでたのもしい、ちゃんとしたおきゃくさまがやってきましたよ。
ひとり読みを始める子どもにぴったりの幼年童話です。たっぷりの挿絵も楽しいですね。新装版「ゆいなゆかいなおはなし」シリーズの中の1冊です。
『またたびトラベル』
著・茂市久美子
おきゃくさまにぴったりのふしぎな旅へ「またたびトラベル」は、小さな旅行会社です。ひどくおんぼろな木造アパートまたたび荘の1階にあります。
中には、アーモンドのようなちょっとつりあがった目をした若者がいます。「またたびトラベル」は、ふつうの旅行会社ではありません。有名な観光地やレストランは紹介してくれませんが、やってきたおきゃくさまにぴったりの、ふしぎな旅に連れ出してくれるのです。
旅行の代金も、お金ではないんですよ。
迷路のような細い路地のつきあたりにある旅行会社。そこに迷い込んだお客たちが体験する、ふしぎな出来事。ネコ好きな子に手わたしたい、独特なあじわいの連作集です。
リスとネコという子どもたちにも人気の動物を使うことによって
物語全体がほんわかした仕上がりになっています。読み聞かせをしている親御さんにおすすめですよ。
